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……………「はういへ」?
なぁに?雌犬。何言ってンのか俺全然わかんない。
[目を細めてニコリと笑う。
勿論、目隠しされた雌犬には見えないだろうが。]
だいたいそれ、お前がくれって言ったじゃん。
だから豪華に飾ってやったのになァ……。
[ふたつのニプレスを繋ぐチェーンを指先で上下に動かし、弄ぶ。チャラ…チャラ…と小さな音が響いた。]
ほら、上すごいよ?
ダラダラ、ダラダラ、これなぁに?
[雌犬のふくよかな唇にそっと触れ、微かに下ろす。ぼたりと唾液が零れ落ち、それが雌犬の身体に垂れた。]
………ね?
可愛い雌犬サン?
[空いた片手で、尻尾を弄る。]
『――いつまで寝ているつもりだ』
[声がした。
僕の耳のすぐ後ろで。
いや、もしかしたらその声は、僕の頭の中から聞こえていたのかもしれない。
なぜなら僕にはもう、周りの音を聞き取ることなんてできなかったから]
ウェ……ン……ディ……
[かすれ声で呼んだその名を最後に、僕の意識は白く途絶えた]
…そうですね。
でも先生も十分頑固だと思いますよ?
職業先生って皆頑固なんですかね。
[今しがた自分がしたことは忘れたように言葉を返す]
本調べるんでしたよね。
内容教えて下さい。俺も探しますから…
[結局ステラの刺青を目にすることはなく、そのまま言われた通りの本を探しに]
『――いつまで寝ているつもりだ?』
[また同じ、声がした。
今度ははっきりとわかった。これは幻聴だと。だって僕はもう死んでいるのだ。死人が何かを見たり聴いたりできる訳がない。できるのなら母さんだって、必死に名を呼んで揺すったウェンディに何かの反応をしていた筈だった]
……だから、僕はもう死んでるんだって。
うふ…うあ…んっ。
[乳房の先端をひねられ、両手で抗議の意志を示そうにも、下腹部を締め上げてしまいかえない怖さから腕を満足に使えない。]
ンーー
[ボールギャグの内側を舐めたりして痛みを誤魔化そうにも程があるのだ。]
ふ、うく…んあ…
[唾液がこぼれ、尻尾が振れる。まるで誘っているかのように扇情的だ。]
[雌犬の身体を横向きに寝かせ、その脚をがばりと開く。赤いクレヴァスに食い込む銀色の鎖が、堪えようとしてなお溢れ出す透明な液体に濡れ、ギラギラと輝いている。]
へぇ………すげぇな。
想像以上の濡れ方してンじゃん。
[赤い襞に、指を這わせる。鎖を押し退け、その奥に指先を忍ばせようとすると、赤い襞がビクリと動き中に招き入れようとする。が……]
ダメ。まだあげない。
[指先が、寸前のところで引き返した。]
―図書館―
え? 私が頑固だって?
馬鹿云っちゃいけない。
それを云うなら、ハーヴだってなかなかのもんさ。
[子供のように言い返すあたりがそうした頑固な性格の一端を形作るものであることに私は無自覚に云う。
ステラの図章のことは今は優先順位が低かった。
キリスト教関係についても扱われる図章学の本やベスティアリ―中世の動物寓話譚―は借り出して自宅で読むことにする。]
ハーヴ、カール・オルフの『時の終わりの劇』のレコードがあったら、オーディオセットにかけてくれ。
[インスピレーションを呼び覚ましそうな曲をかけながら、事件に関係のありそうな書籍・新聞記事等、目に付く限り手にとっていった。]
欲しい?欲しい?
……でもまだダメ。
そんなにうるさく鳴いたら、ご褒美はあげられないなァ?
雌犬はきちんと躾しないと。
………脚閉じるなって。
[ビクリと動き閉じかかる雌犬の脚を手で広げ、内股を舌で舐める。指先は相変わらず鎖のあたりを動き回り、雌犬の襞のまわりを探索している。尻尾のあたりまで液体は流れ込み、豊かな水脈を作り上げている。]
くくっ………なぁ、雌犬?
なんでこっちに挿れてねぇのに、後ろまでぐちゃぐちゃに濡れてンだろうなァ……?
俺が頑固?多分恩師が変な人ですから感染しないようにですよ。
[いけしゃあしゃあと]
そうか、これが先生の妙なセンスを呼び起こす曲ですか…
[見つけたレコードをかけ、ヒューバートが持っている本を覗き込む]
あれ…?先生こういう本って使ってましたっけ?
中世とか…ご自宅にはなかったですよね?
何調べるんですか?
ああんんーーあっ…くぅ…いぐっ…
[足を閉じるのを強引に抑えられ、裸身をひくつかせる。
嬲られるという感情が自分自身をたかぶらせるのだろうか。]
はっ…はっ…
[2回3回と豊かな茂みから音を出し、楽器のような嬌声が飛び出る。]
んぁ、は、は…アンッ!
ああ。中世のキリスト教文献には興味はなかったんだが……
エイヴァリー先生が昔、キリストの教えに関わっていたことは知っているかい?
ラング牧師も襲われたからなぁ。
ひょっとしたら、キリスト教も事件になんらかの関わりがあるんじゃないかと思ったんだ。
[ステラの躰に刺青が刻印されていることは、プライベートなこと故に話しづらく、私はそのように事情を説明した。]
妙なセンスってひどいな。
こいつは――
なかなか、おもしろい曲なんだぜ。
[『時の終わりの劇』は、紀元前二世紀のローマで遺された予言『Oracula Sibyllina』、古代ギリシャ・オルフェウス教の讃歌、グノーシス、ベネディクト修道会の寺院で発見された『カルミナ・ブラーナ』の内容から抽出されたフラグメントを要素とし、構成されている。
その中心的な概念は、“時の終わり”において世界のすべてが霊化し唯一物と同化するというものだった。
悪魔と神の合一、天と地の融合。全てが必然的な回帰へと向かい、永遠のカノンに帰結する。
簡単に、曲の由来をハーヴェイに話していた。
その荘重な音曲に耳を傾けながら、オルムステッド一家の自動車事故の記事やソフィアの死亡記事に目を通した。]
[私は、ニーナが運び込まれた後はしばらくユージーンも来ないだろうと考え、起き上がる。貧血のような酷い目眩がするが構わず、蓋をあけてよろめきながらも、ゆっくりと柩を出た。
あどけなく優しいニナを見ていると、私は胸が締め付けられるような罪悪感を感じた…──けれども。私がこの半死状態から回復するためには、もっと人間の血肉が必要なのだ。]
…ニーナ、ごめんね。
あんっ…ううあうぁっ、あっ…
[鎖で源泉を隠そうと手を必死に動かすも、クレヴァスを刺激してしまい、更に焦りを生み、いきそこなって逆に昂ぶってしまう。
とぷり、と液が身体からラインを作って少しずつ落ちていく。]
[壁に手を付きながら、冷たい安置所の床をずるずると足を引きずるようにして、リックの骨やニーナの柩のある向かいの台座を目指す。
久しぶりにリックの声が聞こえたような気がした。]
そういう本なら俺少し持ってましたね。次もって来ましょうか?
実はルーサーさんから宗教美術の関係で結構話し聞いてたりしてたんで。
って、ステラさんがキリスト教に…?
[なのにヒューバートとあんな関係だったのだろうか、と少しいぶかしそうな顔をし]
いえ…それだったら多分ルーサーさんとも交流深かったんでしょうね。ルーサーさんが襲われてステラさんが今まで何もなかったというのもまた不思議な話ですが。
なんで先生そんなことご存知なんですか?
[柔らかな臀部に歯を立てて、ゆっくりと噛み付いた。肉づきが良いせいか、思ったよりもソフトな痛みとして伝わるかもしれない…と、ナサニエルは感じた。]
[扇情的に尻尾が揺れる。
フサリ、フサリ……静かな音と、雌犬の淫らな鳴き声が奇妙な響きを作り上げる。]
欲しい?雌犬。
………あげよっか?
[未だ塞がっていない、蜜だらけの孔に指先を突っ込んだ。]
う……あぅ… ん。 う、うあ!
[首を振るだけで首輪から伝わる秘部を刺激してしまいそうだ。
開かされた両足の根本に何かが食い込んだのを感じた。首や胸も責められているので痛いとは感じたけど、どこが何が痛いかはぐちゃぐちゃで
解らなかった。
口からこぼれ落ちた唾液がシーツに染みを作る。]
ああ。エイヴァリー先生は、私が大学院に通っていた頃知り合った学徒でね。
職を探していたから、ヘイヴンの教職を斡旋した経緯があったのさ。それで、身の上話を聞く機会があったってわけさ。
[記事を繰りながら、説明する。]
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