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「ハッ――!」
[しなやかな脚が鞭のように一閃。女史は伸びあがり、姿勢を立て直したばかりの俺を再び床に沈めようと跳び蹴りを見舞った。俺は左腕でガードするのがやっとだった。強い衝撃に膝を折りかけたところへ間髪入れず襲いかかる逆脚からの蹴りを転がるように躱す。]
護身用のカンフーモジュールでも使っているのかい?
[俺はネクタイを緩め、ジャケットを脱ぎ捨てた。]
[女史は戦闘用の義体ではなく社会生活にとけこめるごく一般的なものだ。役職者向けの俺の義体は中枢神経系の防御に特化されて設計されている。人間と変わらなく見えるが、ある程度無茶が効く。
俺はある程度のダメージは覚悟の上で、一気に距離を詰めた。
女史の水平蹴りをガードしたところに、ガンと顎に水平に掌底が打ち込まれる。グラグラと頭を揺さぶられ、水平感覚を狂わされる。だが俺は力任せに女史の襟首を掴んだ。
足払いとともに女史の体は宙に舞う。]
おとなしく吐いてもらうぜ。
[床に倒れた女史を押さえつけた。]
[帰趨が決したと油断があったのだろう。前のめりになった姿勢を捉え、オードリーは俺の首に脚を巻き付けた。
左の膝裏のあたりを頸動脈にかかるように回し、右足を左の足首にかけながらグイグイと折り曲げ締め付けを強めてゆく。
あ、やべェ。これ、三角締めだ――。頸動脈への圧迫にくらくらと視界が白くなっていった。
やべェ。やべえよ――苦しい――俺はもがきながら、なんとか女史の首筋へと手を伸ばす。指先にはプラグ。
彼女のコネクタからStunPGMを流し込もうとした――。]
[その時――突然、ビクビクと女史の体が痙攣し打ち震えた。太股の震えが俺の首筋に伝わる。
なにが起きているのか茫然としている俺の目の前で、やがてオードリー・ハックマンの肉体は弛緩した。]
どうなってる――
《ご無事ですか?》
《――あぶないところでした》
[双子からの通信が届く。ああ……と俺は息を漏らした。]
[俺があやういとみて、双子が干渉したのだろう。秘密を聞き出すための身柄の確保だったはずが、どうやらその機会を逸してしまったようだ。
もっとも、ハックマン女史は捕まったとして、おとなしく秘密を吐くようなタマには到底見えなかったが。]
《助かったぜ。ありがとよ――》
[そう言う他なかった。示し合わせていたのとは違った段取りになってしまったがやむをえない。
俺は脱ぎ捨てたジャケットを羽織り、その場をあとにした――**]
――Mundane>/南部→中央部――
[いくつかのビルを渡りながら、ようやく肉眼でも対峙する二人の姿を捉えられるようになる頃。地図上、11の光点が消えていく。位置は南部。重なるように12の光点]
……おじさん。
11は誰だっけ。オードリー、かな。
[頭を振って、柱だけとなった*塔へと向かう*]
―― 星幽界<Astral>/カテドラル・オメガ ――
[白き靄が、ゆるやかに漂う]
[黒き影は、ただ静かに佇む]
[[[ォオー……ン……]]]
[耳鳴りの如く聞こえる遠吠え]
[幻聴/それとも/断末魔の記録(メモリ)]
―――壊サレタ。
[[[壊サレタ[[壊サレタ[壊サレタ]]壊サレタ]]]]
[幾重にも反響する音声]
ケルベロスモ、魔獣達モ………指揮者(トビー)ニ、全テ。
[漆黒の扇/睫毛が揺れる]
[黒目が何かを探し、残像の建物を見上げる/陽炎が揺れる]
[零れ落ちる刻の砂/長く尾を引く残響すら消える]
[静寂]
ケルベロスハイナイ―――聞イテナイ。
ナノニ、ナゼ、壊サレタ…壊シタモノノ記憶(メモリ)ガアル?
[魔窟に戻る度に自動で保存されるバックアップ]
[修復を終えた黒に何があったかを伝える三つ首の番犬はいない]
[抜け落ちるはずの記録/記憶している矛盾]
―― Astral ――
[酷く静かである。
都市機能の完全に停止したメガロポリスもまた静寂に支配されていたが、それとは趣を異にする静寂が満ちていた。
ひとつでも音を立てれば何処までも響いていき決して音波の消えることなど無いように思われた。
白い靄が低く漂っている。
足元は見えない。
ただ、確かに地面はあるようだ。]
[遠くにあるように揺らいでいるのは、メガロポリスの街並みである。
遠くにあるようでいて、街並みは確かに辺りを取り囲んでいる。まるで陽炎のような距離感だった。
メガロポリスの街並みと寸分たがわぬ様子だが、街並みは白けている。
いつか発された音の名残が、殷々と響いている。どれほどの遠くから届いたものか、既に元のかたちを失った音は耳慣れぬ騒音であり、また静寂と同質のものだった。]
[抑揚のない呟き]
[それはClosedの図書館に眠る言葉(データ)]
[死を永遠の眠りとするならば、夢見る今 *想うものは*]
[メガロポリスとの最大の差異は、誰一人として存在するものが見受けられないことだろう。メガロポリスにおいては、昏睡状態にあるとはいえ、人々の存在があった。]
―― 星幽界<Astral>
カテドラル・オメガ ――
――― memento mori
それは、いにしえの概念。
地上の栄華を空しきものとし、来世を思う人の言葉。
[ステラは、かつてそうであったように壁際へ、佇んでいる。ともすれば壁面と見紛うように白い。]
─ 現世<Mundane> / 中央部 ─
[レベッカの声に、精査の手を止め"塔"を見る]
──。
[遠目にも、"塔"の外郭が破壊され内核が露になっていることが確認できる]
あれは、お爺様を狙って?
[しばし茫然と、塔を見詰め][次の瞬間]
<────ドサリ>
[何かが、崩れ落ちる/倒れる・音]
[振り返る][整備されたアスファルトに広がる金髪]
……え。
レベッカさん?────、
[声をかける][動かない]
[視界のインジケータが電脳層の異常を捉える]
[触れる][動かない]
[ボディのバイタルはすべて停止を示している]
だれが。
[電脳層の異常、高負荷のPGM][探る][逆探査]
[そして、]
あるいは、本義よりは極めて現在に近い時代に猛威を振るったとされるPGMの名称。
最古、「死」とは夢を見ない眠りであり、カーリーの世界であるとされていました。
[淡々と情報を読み上げる声。*]
みつけた。
[特定][周囲にパネルを展開する]
[瞼を伏せ、視覚情報を全面カット]
[ポッドまで行く時間を惜しみ、義眼による潜行]
→ 理想郷<Utopia> / Under ─
[高負荷PGMの軌跡を辿り、下層領域からインフラ層を介し、攻撃者へと語りかけた]
[反響する音は出所を惑わせる]
[黒目が彷徨う]
[建造物に紛れるように佇む、白い影]
―――ステラ。
ナラバ、人(人間)デナイ我々ハ、何ヲ想ウ…?
[漆黒の睫毛が降りる]
[答えに耳を傾けるように/*眠るように*]
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