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[「侵入者は一人だけだったんだね?」とユージーンに聞く。
ユージーンは、あの小さな天窓から誰かが安置所に侵入していたので無ければ、他には誰も居ないよと答える。安置所の天井にある天窓は換気の時間は開いたままになっているが、ちょうど彼の息子くらいの大きさの人間──小学生くらいで無いと侵入は出来そうに無かった。
ユージーンは「さっき一緒に二人の遺体を運んだ時も内部は静かだったろう? とは言っても、遺体の詳しい状態は確認しない伝統になっているのだけどもね。」と彼に告げた。彼は「静かなのなら構わないんだ。」と答えた。]
[見回りの時間を侵入者の死体の後始末で終え、彼の運んだ遺体を安置し終えたユージーンが、一旦、休憩のために監視小屋に引き上げるのを見送って、彼は墓地を後にした。
死体運びに関しては、これで終わりだ。──暫くは。老いた自分の両親を送る日までは、安置所に近付く必要がないと良いのにと彼は思った。
父親を待つうちに、泣きつかれて眠りに落ちた助手席の息子の頭を撫で、息子を起こさないようにシートベルトを掛けさせてから、静かに車を発車させた。*わが家に向けて*──。]
…残酷だわ。
[声には畏怖か驚嘆か、人目では推し量りにくい色が入っている。
立ち上がり、ギルバートのほうへ向けて歩き始める。
ナサニエルの斜め前から、横切るような形に。
私はナサニエルの鳩が豆鉄砲を受けたような顔、視線には目もくれない。
代わりに、冷徹な言葉を投げかける]
同じかもしれないわね――でも
私の血のほうがディープよ…
[私はギルバートの側へより、ハーヴェイの顔を見た。彼がそれを望んでいたのかは解らない。だが彼は、自らに沸き起こる衝動と戦っていたのだろうかと推測する。
このような結果を望むという衝動なのか。衝動の結果自らの意志でこうなることを望んだのか。
彼はその精神的変化に耐えられなかったのだろうか。もっとも私は、肉体的変化が見られず、中途半端な者が中途半端な者を見る…というやるせない気分になる。]
ふぅん……
よりディープ……ねぇ。
全くもって、面白そうなオハナシが聞けそうな予感。
[火の無い煙草を咥え、ネリーの後ろ姿をニヤニヤとした表情で*観察している。*]
―工場―
[その場所は人の気配が消えて久しかった。今や身じろぎもせず重々しい体躯を横たえたままの機械の群れは、象の墓場を思わせた。
幽かに黴臭く澱む古びた空気。静閑とした闇の中を、そこに残された気配の痕跡を一つ一つ確かめでもするかのように緩やかに歩む。
やがて、事務所の扉の前で足を止めると鍵を開け、中へと足を踏み入れた]
―工場・事務所―
[天井には雨漏りの修理の後が残されていた。事務所のエリザが使っていた机の上は、神経質な彼女の性格そのままに整然と整理が行き届いていた。
ふと、簡易キッチンに向いた視線がその場に似つかわしくないものの上に留まる。
簡素で限りなく実用的なその部屋の中で、そのティーポットとカップ&ソーサーだけが華やかなよそゆきの装いで佇んでいた。
恋人のように寄り添う二つのカップが、その場に居たであろう二人の関係をなにより雄弁に物語っていた。
ジリ……と微かに胸の奥を今はもう遠い忘れかけた古い感情が灼いた。
奥の扉を開けると、くつろげるようにソファーと簡易ベッドが置かれていた。私はソファーに腰を降ろすと、読みかけだったエリザの日記を再び読み始めた]
[読み終えると手帳を閉じ、かすかに首を振った]
ナッシュ……
[そこに書かれていた内容に、私の頭はひどく痛んだ。
ぎゅっと目を閉じ、眉根を寄せたまま深い溜息をついた]
ナサニエル・サイソン
ナサニエル・オリバー・メラーズ……
[過去と現在。断絶した二つの名を呟く。
その奥に秘められた謎は、この奇怪な一連の事件に何らかの関係があるのだろうか。それは、確かめなければならない事実だった]
[そして――]
近親…相姦……
[エリザの日記には私が忘却へと押しやった記憶の鍵が残されていた。
ラルフとニーナ。二人は近親相姦の関係にあったのだ。私はエリザから婉曲的に相談を受けたことがあるその事実の記憶を消去したのだろう。ラルフの顔と共に。
ニーナの面影がシャーロットと重なるが故に――]
[視線の主の姿は見えない。僕には目玉が無いのだから、当然だったけれど。向けられているのが視線かどうかも、実際のところは分からなかった]
……誰だよ、お前。
[ただ、彼――“彼”であることだけは何故か確信していた――の存在はいつかどこかで感じたような、強い既視感があった]
……僕は死んだ。
ウェンディに首を絞められて僕は死んだ。
僕の死体はそこに転がってる。
ほら、そこに。
[“彼”は沈黙したままだった。応えの代わりにただ、可笑しむような意識の波が触れてくる。少しむっとして、自嘲気味な感想を僕は続けた]
いや、もう死体とも呼べないか。
シャーロットに骨まで噛じられて、脳味噌のひとかけらまで舐められて。残ってるのは残骸になった欠片だけだ。
そんな僕に何の用だよ、お前。
[しばらくの間、僕は心の中の憤懣を抑えながら黙っていた。僕に歯があればギリギリと音を立て、まさに歯噛みしていただろうと思った。返事のない焦れったさにもう一度、問い詰めようと思った時――]
『……プッ、クックックック……』
[場違いなほどの笑い声が僕に投げかけられた]
『……アッ、ハッ、ハッ、
ハ、ハ、ハハハハ……!』
[失笑から苦笑、そして爆笑と変わっていく“彼”の笑いにカチンときた。思わず怒鳴り返す]
何だよお前!
何がそんなにおかしいんだ!
この…………!
[目の前で真っ赤なカーテンが下ろされたように意識が紅く染め上げられ言葉が続かなかった。その間も“彼”の弾ける笑い声は止まらない]
『アハ、ハハハ、ハッ、ハハハ……!』
[憤りを表す言葉、苛立ちをぶつける相手を見出せないでいる内に、“彼”の笑いは収まった。今まで見たこともない奇妙な生き物を発見した学者みたいな、探り探りの問いかけが届く]
『……いや、笑って悪かった。すまないな。しかし……まだ気づかないのか? 本当に?』
……何を。
……何に気づいてないっていうんだよ。
―森の中にて―
………で、どーすんの?
こんな森ン中で生首持って立ち話?
[地面に座り、火のついていない煙草の先を歯で上下させている。]
ネリーはお前に話があるみたいだし。
話す場所だけ貸してやるよ。
俺ン家にでも来れば?
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