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[伸ばされる“死の乙女”の指。
銃爪に掛かった男の指は動かない]
いや。
俺は"Alchemist"じゃない。
ただの"mortal"だ。
だが――不可侵領域への鍵は。
[一拍を置き、拳銃を下ろす]
[IR無線で呼び出し(コール)。金色の長い髪をした少女の姿が、タクシーの隣に現れる]
――彼女("Celia")の中にある。
[会話を理解していないような、きょとんとした表情。ただ無言のまま、少女は対峙する二人を見やった]
……『ただしき死』、か。
昔、俺にその概念を話した女が居た。
"back-up"によって歪められない、輪廻と変転を繰り返す生死のサイクルだ、と。
それを君がもたらすというのなら、聞いておきたい事がある。
── 現実世界<Mundane>/電波塔の外 ──
…私のMasterは、Alchemistの偉業を追う者。
嗚呼、貴方は、Alchemistでは無いのですね。
[何故かセシリアは安堵したように、瞳を閉じて息を吐く。
そして、狂気ではない淡い微笑を口元に浮かべた。
不可侵領域の鍵──その言葉に、再び瞳を開き──真紅をCeliaに向ける。]
[幾度も繰り返した自問。
【Inc.】に入りそして去る動機となった問いを、眼前の娘に向ける]
《――君にとって、死とは何だ?》
[肉声と信号で投げ掛ける。崩れ落ちた電波塔から、瓦礫の転がる音が*聞こえた*]
[真紅の眼差しを"Celia"は薄青の瞳で受け止める。穏やかな曲線を口元が描いた]
『――…………』
[ホロ映像の少女は無言のまま。微笑みを浮かべて、一度、*目ばたいた*]
── 現実世界<Mundane>/電波塔の外 ──
[瓦礫の崩れる音がした方向に目を向け、セシリアはふとメイがビルの上方からこちらを見ている事に気付く。返答はケネスに向けた信号に切り替えられた。]
《私にとっての、死》
[躊躇ののち、拳銃を握ったケネスの手に、セシリアのしろい手が重ねられた。そして、銃口を自らの胸に付ける。──“死”と言う概念を改めて確かめるように。]
《私は、それ自体目的が矛盾する2つのPGMと、もう1つ。
ゴーストになるために教育された、とある死者の再生プログラムを同時に成すもの。私自身は、その死者自身でもすでになく、かといって生者でも無い──》
《わかりません──》
《私自身は、理(ことわり)の外に存在するもの》
《ただ、》
[重ねた手をほどいて、離れる。
セシリアはゴーストのように白い姿で、ケネスを正面から見つめる。見つめながら死を想起するセシリアの瞳は、燃え盛り墜落せんとする真紅の惑星、メテオライトの色。]
《鍵を持った彼女(Celia)と共に。
貴方は不可侵領域を開き、何をなさんとするのでしょう?》
《S2の謎は、私の有り様にも関わる事だと、手紙には書かれていた。貴方は、第二のMasterでも、Alchemistでも無いようですが、
私の“わずかな意志”が及び得る範囲ならば──。
内容によっては協力出来るかもしれません。》
[セシリアは睫毛をばさりと動かし、*もう一度瞬きをした*。]
― 電脳世界<Utopia>/領域定義中 ―
[無数の0と1が驟雨となって流れてゆく中、男は漆黒の沼の只中に立ちつくしていた。データの雨に煙る彼方に、浮かんでは消えるMundaneやUtopiaの様相。
膨大なデータから意識を遠ざけると、遠い景色は闇に沈んだ。
足元の泥は地獄の川を思わせるほどに凍てつく冷たさだった。そこに佇んでいるだけで、全身の熱を奪い去られてゆく。]
<<< …ドポ……ン…… >>>
[目の前の汚泥の中からなにかが湧き上がり、波紋を広げてゆく。]
<<< …ゴボ…ッ…… …ゴボ…ゴボゴボ……… >>>
[やがて陰暗の中より、パーティグッズの鼻眼鏡が浮かび上がった。]
<<< …ゴボゴボ…… >>>
[鼻の下あたりの汚泥に窪みができ、口をかたどった。あたかも生命を持った存在のように蠢いている。]
「――おい。仏心が湧いた――とでも云うのではないだろうねェ?」
[男はただ眉間に皺を寄せる。――応えない。]
「男も女も――お前が一体どれだけ多くの人間を食いものにしてきたか――」
「――今更忘れたわけじゃないだろう?」
――わかっているさ。
[男は頷く。暗黒の海の波間に漂う眼鏡の縁に手をかける。
持ち上げれば、それにたぐり寄せられるように泥の中より漆黒の分身が姿を現した。
沼男-Swampman-――。]
――ハックマン女史を捕らえろ。
[男は目の前に立っている漆黒の己に命ずる。]
俺は…::.:::..…へ――
[言葉にノイズに混じる。位相変換が始まっている。
ゴブッと闇の海面が波打つと同時に、その姿はかき消えた。]
― 電脳世界<Utopia>/Closed:Dealing Room ―
「――これは、どういうことかしらねえ。」
[女が首を傾げた時だった。]
<<< ……バサ…バサバサッ… >>>
[鴉の羽音がclosedのDealing Roomの中に響いた。そこは強固な防壁によって守られている。
意図しないPGMが走らされたり、ノイズが混じる余地はないはずだった。
女は眉を顰めながら意識を研ぎ澄ませる。]
「……存在しない鴉の羽音…ってね――」
[端末の影から、男が姿を現した。]
「怪しい人からの配達物は受け取っちゃいけねえのよ? 俺も人のこと言えないんだけンども。カラスの勝手でしょ――なんつて。」
[男のふざけた声にも、女は警戒を解かない。
どうやってここに――女の問いに、男は笑った。]
「俺はずっとハクション女史とねんごろになりてえなァ――なんて機会を窺ってたのよゥ。念仏唱えて。
ラブレターに女史が手を伸ばした時に一緒に俺もちょこちょこっとね。」
[やはり油断のならない人ね――女はいつかそう口にしたように呟いた。
なにをしにきたの? 男は応える。dealing――取引をね、と。]
「なんの取引――?」
[男は口の端を歪める。]
「――魂の」
[Greenmailer――!
その瞬間、女は攻撃用PGMを立ち上げる。緑色のドル紙幣が舞い、周囲は緑の閃光に包まれた――。]
― 電脳世界<Utopia>/Closed:Dealing Room ―
<<< …バチッ―― >>>
[倒れた端末。ドル札の突き刺さった机。壁や床にはいくつもの損傷ができ、クラスタ片が散っている。破れた壁面からはコードが覗き、火花が散っていた。行き交うデータが修復されきらぬまま歩留まりをつくっている。
女は荒く息をつく。
目の前の男は中心線に沿って真っ二つに裂かれ、正面の壁にもたれかかっていた。
あなたも口ほどにもないわね――女が凄絶な笑みを浮かべる。止めとばかりに再びPGMを行使しようとしたその時、裂かれた男の体の両端から不気味な笑い声が響いた。]
「フフフフフ――」
「――アハ、アハハハハ!」
[なっ!――女は目を見開く。
裂けた男の体はみるみるうちに中心で分かれ、鏡像のような二人の少女へと変じた。
罠か――女がそれを知覚したのは、現実世界で起きた異変と同時か。
口元と腰に突如かかった違和感に、意識は現実へと浮かび上がった――。]
― 現実世界<Mundane>/南部:博物館 - Museum ―
こんなところで接続するなんて、無防備のボビー・オロゴン。
[俺はニヤリと微笑んだ。
ハックマン女史を後ろから抱き上げ、口元を手で覆ったまま拘束している。彼女の背中には、拳銃がつきつけられていた。
無防備とは云ったが、実際には彼女の元に気づかれることなく近づくためには電脳側からの補佐がなければ難しかっただろう。現実世界での周辺情報を巡回収集する探査botは、双子のclosed領域への攻撃時にどさまぎに破壊されていた。]
BANKはどこまでこの件に咬んでる?
まさかお前たち、抜け駆けするつもりじゃないだろうな。
【inc.】といい、お前たちはどうにも信用できない――。
[銃をつきつけながら光学迷彩の外套を剥ぎ取り、体をまさぐる。香水や化粧品の入ったポーチを、ベンチ脇のガラスの手摺の向こう――吹き抜けとなった階下へと落とす。]
[いいわ、教えてあげる――女は喘ぐように口にする。文字通り、札をチラつかせた。この紙幣がなんだっていうんだ――俺は一瞬気をとられる。
いい? これは…BANKの――女の声は掠れて小さい。よく聞こえない。耳を欹てる。
彼女に寄った刹那、鳩尾に強烈な痛みが走った。
肘による打突の痛みに耐えかね、俺は床の上に転がりのたうち回る。その手を、女史の蹴りが鮮やかに捉えた。拳銃は横滑りにスロープの向こうへと消えた。]
くっそ、痛ェ――
[俺は鳩尾を庇いながらなんとか立ち上がる。]
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