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『えーと、キャロルも俺ほどじゃないにしても結構身のこなし悪くないから、一緒に直接ヒューバートに立ち向かえばますますヒューバートもキッツイことになると思うしさ、の続きな。
それだけじゃなく、キャロルにゃその人質作戦の人質確保とヒューバートおびき寄せにも役立って貰えそうだと思ったんだよな。
人質とってヒューバートと交渉して部屋におびき寄せるとき、コーネと違っておどおどしないだろうし。
キャロルなら俺と違って、ヒューバートにはまだ警戒されない方だと思うし』
In other words, hold my hand
In other words, baby kiss me
[歌いながら、萎れた花はそのまま、花壇に生えた雑草などを抜いている]
……まさか厨房の扉を開けたらカレーが上から降ってくる、
とかはないですよね。
ない、よなあ。
[まだ厨房に入る勇気がないらしい。]
『長くなって悪いな。
だからまずこの協力要請をコーネが受けてくれるか、受けてくれるならどこの部屋がいいかだとか作戦の助言なんかがあったらそれも、簡単にでも返事くれるかー』
[ようやくコーネリアスへのメールを送り終わったナサニエルは携帯端末を閉じ、所内ぶらぶら歩きを続ける]
…もしOKしてくれたら、キャロルに頼むメールはコーネに送ってもらお。
俺だと要請してんだか喧嘩売ってんだか、わかんねぇことになりそうだし。
コーネの方が、キャロルにも心証良いよな…
[一応の自覚はあるらしかった]
[食堂の戸をくぐれば、課題の対象である人物がそこに。
とっさに戦闘体勢を取る気になれないのは、授業での彼の実力を知っているからだろうか。
キャロルはあまり興味がなかったが、彼女に初歩的な戦闘技術を教えたのは彼だ。
正攻法で戦おうとは思わない]
おはよ。
……なにやってんの?
[厨房の扉を見上げるヒューバートを不信の目で見た]
…………お?
[声を掛けられ、振り返る。]
キャロルさんこそ、何しに来ました?
腹ごしらえでしょうか。
[まさかトラップを警戒して入れなかったとは口が裂けてもいえない。]
[ぶつぶつと呟きながら歩くナサニエルは、ふいに足の裏に違和感を感じて止まる。
ゆっくり足を上げて見ると]
…コインだ。
[会議室付近の廊下で踏んづけてしまったのは、生命の樹だと誰かが言っていた図柄が描かれたコイン]
えーと…
カドゥケウスの杖、だっけ。
ラッセルのやつ…落としたのか?
知恵の象徴だか何だかで…これ、あいつがいつも大事に持ってるやつだったよな。
[ラッセルが落ちた事を示すメールを見てがっくりと肩を落としてから、なんとなくまだ眠いと感じたりして、箱を弄っていた。一度眠ってしまったからか作業ははかどらず、駄目だなぁとベッドに飛び乗った時に端末からメロディ。
ふと開いてみれば、膨大な要領のメール。
瞬き。]
[そ、と頷いて、何やら回答を濁したヒューバートを興味無さそうに見る。
厨房に入ると、昨日の残りのカレーが入った鍋を覗き込み、火にかけた]
あたし達の作ったカレーで良ければ残ってるわよ。
朝ご飯には重いけど、食べる?
[ラッセル、ナサニエル組のカレーは人数分にちょうど良い量だったので残っていない。
去っていった少年は、そんな所まできちんとしていた]
[キャロルからのメールの中身を確認したナサニエルは、にんまり笑う]
へぇ…あいつも中々、話の分かるやつじゃん。
この分だと案外すんなり、共闘の約束取り付けられっかもな。
[ほっとした様子で打つ、キャロルへの返信]
『一番楽な方法と来たか。
ナマケモノとか言ってやりてぇとこだが、結構俺も同感だな。
コーネがブツリテキな罠張った部屋に、お前が人の心を利用した罠をかけておびき出したヒューバートを、すかさずこの俺様がボッコボコっつう感じの、完璧な作戦たてたんだけどさ』
『コーネ交えて相談すんなら、その時にでも話そうぜ。
とりあえず俺腹減ったんで戦前に腹ごしらえしたい。
食堂行くから、お前も来いよ。
あ、コーネにはお前から待ち合わせメール送っといて』
[既に役者が二人程食堂に居るものとはつゆ知らず。
そんな割と一方的なメールをキャロルに送り終わると、窓から降りて]
飯、飯飯〜♪
[鼻歌交じりで食堂へと向かっている]
[手早くカレーを温め、二人分盛り付ける。
トレイに載せて、ヒューバートの前に運ぶとにっこり笑った]
何が入っているかはわからないけど、それでも良かったらどうぞ?
[皿の隣には水を添えて]
あら?
[撫でていたうでのエリザベスを解放してやりながら、ふと柵から庭をのぞくと、廊下をうきうきと食堂方面へ向かうナサニエルが見えた]
流石に食べ物へ何か仕込むとは思ってませんから。
[ナサニエル君じゃあるまいし、と言いそうになるがこらえて。
聞かれたら逆上される。]
では、いただきます。
[席に着き、手を合わせてから食べ始める。]
[なにやら、時折自分の事を気遣ったかのような…どちらかといえば本心ダダ漏れとも言えるような…文章が混じっているのにくすくすと笑いながら、メールを読み終えた。]
…うん。
[簡単でも良い、という言葉に甘えて、短めに。
『
ありがと。
私1人じゃヒューバート先生を倒すのは
絶対無理そうだし、協力したいよ。
キャロルも一緒にやってくれるかな、
やってくれるといいね。
今どこに居る?会って話した方が簡単そう。
』
送信。]
あら、試験の禁止事項に薬物使用とは書いてなかったけど?
[笑ったまま、肩を竦め、自分も席についた。
手を合わせ、食事を始める。
辛口のカレーを口に運びながら、目の前の男をまじまじと見た]
ねえ、昨日、何故あたしを追って来たの?
[聞きたかったのは、コーネリアスの絵の一件。
ソフィーならともかく、彼がキャロルの精神状態を心配するとは思えなかった]
[そういえば、最近ちゃんと食べてないなぁ、と思った。
まともに食べたのは昨夜のカレーくらいではないだろうか]
おなかすかないんだよね……。
[スキップスキップランランラン。
もしもこちらを見ていたソフィーに気が付いていたなら、さすがにそんな歩き方はしなかったろうが。
誰もいないと思ってやけに跳躍部分の長いスキップでもって、ナサニエルは食堂へと辿り着いた。
メールを受信する携帯端末]
お、コーネからだ。
『協力してくれる気あるか。サンキュー!
今食堂に着いたところだ。
キャロルも抜かりなく呼び出してやったぜ。
奴から来たメールを見る限りじゃ、結構乗り気になってくれんじゃないかと思うな。
お前も来いよ、飯食いながら作戦会議だ』
送信…っと。ヨシ。
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