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3人分でいいのかしら……?
[食事は5人分は余裕を持って用意されているようだったが、ナサニエルとコーネリアスの姿はない。
とりあえず、と冷蔵庫から3人分のサラダを出し、持っていけとばかりにカウンターに置いた。
保温器からオムライスをとりだし、同じようにカウンターに並べる]
――食堂――
[扉を開けた先には先客が二名。彼らは課題に対してどうしていたのだろう、と思いつつ眉を小さく上げた]
あら、キャロル……そうね、久しぶり、ね……。
ラッセルは久しぶり、じゃないけど。
[彼女の手にした紙片に目を遣って、私はオウム返しした]
メモ? なんだか、気の抜けたサインね……
気の抜けた……んー、そうかも。
あの先生らしい可愛いサインだと思うけどね。
[コーンスープをよそい終え、テーブルに着く。
そう言えば、人と食事を取るのは久しぶりだ。
先日のベリータルトを食事に含めるのなら別だけれど]
来た時に、自分でやらせれば好いんじゃないか。
[キャロルに返しながら、序だと言うように二人の分も運ぶ。
カチャン、と軽い音を立ててテーブルの上に乗せられる食器。
三人どころか五人でも大分広い室内。其の音もやや大きく聞えた]
まあ、読めるからいいだろう。
[女教官の筆跡に関する評価は敢えてしない]
ありがと、キャロル。一緒に並べるね?
[それぞれ皿をカウンターから取り、テーブルに並べる。]
コーネリアスか……あの人、没頭し出すとキリがないものね。倒れてなければ良いんだけど。
ああ。
あの子どんくさいものね。
あとで部屋に持って行ってやったら?
[コーネリアスに対するネリーの評に、よく知ってるなと意外に思いつつ答え、頂けます、と手を合わせた。
こんな時でもなければ、一緒に食事を取ることなんてあったかしらと、テーブルを囲む二人を見て思う]
[噂をすればなんとやらか、
ひょっと食堂の扉から顔をだした。]
誰か居…わー、いるいる!
ネリー、キャロにラス、こんばんは〜。
[ひょっと食堂に入ってくれば、中に居る三人に手を振って。食べている物を見れば、スケッチブックを持ったままで両手を合わせるような仕草をした。
どうやら好物が多かったらしい。]
じゃあ、私もよそってきますー
[自分の分を早く持ってこようと、厨房へ]
コーネリアスは兎も角、
食事の時間にあの莫迦が居ないとは珍しい。
[名を言わずとも、其れが誰を指すかは明白。
然しあくまでもマイペースか、他者を待つ気は無いらしい。
先の分たれたスプーンでオムライスを切り分け、口に運んだ。
バランス好く食べていく様子は、普段通りに淡々としている]
[どたどた、ばん。
卓上の皿をひっくり返す勢いで食堂への扉が開かれ、その場の面々に今晩はを言うよりも先に、まず一言]
ま、まさか俺が最後か……この俺が?
[睨み、それでいて怯えているような目で、食堂にいる者達を見回して]
……飯、残ってんだろうなぁ?
あ。コーネリアス。
スケッチブック――ということはやっぱり、絵で表現するのかしら。
[厨房に向かう彼の姿を見て、私は呟いた]
二人はどういった感じにするつもりか、決めた?
課題のことだけど。
あら、生きてたみたいね?
[扉から顔を出したコーネリアスを見れば、ネリーの方に視線を向けた。
ラッセルが指す莫迦については頷いて]
そうね。
こういう事に関しては絶対一番に来ると思ったのに。
[スケッチブックはカウンターにのせ、鼻歌…青葉の唄?…なんてしながら食事をよそう。とりあえず自分の分は全てよそい終わり、一度にすべてを運べないので、トレーを探しているようだ。]
[ネリーの言葉に、意識せず眉がひそめられる]
決めたって言うか……覚悟を決めたって感じね。
ネリーは?
試験の説明には来て無かったみたいだけど、ちゃんと話は聞いてるのね。
ぶぇっくし!
ん?風邪なんかひいてないのにな…
[さすがにきっちり料理とは別方向を向いて、噂菌の引き起こすくしゃみを済ませてから、足を踏み入れる。
無いわと答えるキャロルの笑顔の憎たらしさよ]
てめ。
だけどいざとなったら、全員の腹殴って吐かすからな…そうすりゃ晩御飯を「ちゃんと」食えなかったお前ら全員、脱落だぜ。ハハハ!
[笑いながら拳を握った手の指先に巻かれた絆創膏が、皴々になっていて不快だった。
べりべりと外してから席につく]
いいか、そうなりたくなかったら。
俺もちゃんと晩御飯を食ったと口裏を…
口裏を合わせるんだ。
[言った直後、食堂に入って来るナサニエル。
視線を逸らしたのはスルーの為か、昨日の事ゆえか]
課題、か。
[ネリーの問い掛けに、一瞬、止まる手]
一応は。
[ナサニエルの手に、昨日迄は無かったはずの絆創膏を見て、一瞬眉を潜める。
次に、彼の言葉を聞いて本気で嫌そうに眉間の皺が深まった]
あんた……まさか、ソフィーの冗談を本気にしてるんじゃないでしょうね?
[馬鹿にはこれ以上関わりたくないとばかりに、話し止めて食事に口を動かす]
[今まさに恐喝という犯罪が起きようとしている時、ネリーがコーネリアスに話しかける「課題」という単語が耳に入ってくる。
怖い顔をして見せていたナサニエルはにんまりした]
ふっふ…課題、課題か。
どうせお前等まだなんだろ。
俺なんかもう提出しちまったもんね。
何なら手伝ってやってもいいんだぜ。
余裕のある男とは、惜しまず手助けしてやるものよ。
…ん?
[恩着せがましく組んで尊大首を傾げていると、キャロルにトレーの位置を教えられているコーネリアスが見えた]
っつうか、…あれ?
もしかしてまだ、飯あんじゃないの?
[冷蔵庫から冷やしておいたかぼちゃのプリンを取り出し、
出来具合を確認。]
ん、問題なし。
[バット3つ分のプリンを取り出し、トレイに載せる。]
っと。
食堂へ行く前に、あの子達にもご飯をあげないと。
[戸棚から缶詰と缶切りを取り出し、
プリンの入ったトレイに金属製の蓋をして、自室へのドアを開ける。
自室へ行く時、保健室から出なくてすむのはいい。
赴任時、わざわざ保険医を担当した理由はこれだったりもする。]
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