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…………俺を?
[その言葉を聞けば、ほんの一瞬、きょとんとして]
[視線は外套にそっと触れる少女の手へと落とされ]
…何処へも…行かない、よ…?
[僅かばかり首を傾げて、再び碧い瞳を見詰める]
[ん、と小さく呟いてこくりと頷き外套を遠慮がちに摘んで
碧い瞳を細めたのは視界の端で青い髪が揺れたからなのか]
………そうかな?
そうなら良いな…
[碧い瞳は揺れ白い結晶の如き儚い笑みを浮かべる
視線はゆっくりと僅かに濡れた首筋までおろされて]
でも、折角お風呂に入ったのに、湯冷めしちゃうよ。
[言葉を紡ぐ少女に微かに頷きを返し]
…うん。
[細められる碧い瞳にも儚い笑みにも表情は変わらず]
[けれど力を籠められれば、青の瞳はゆらり揺らめき]
そう、だね。
[視線に気付いたのか、服の袖で首筋を拭って]
[揺れる青を静かに覗いたまま]
そう、だよ。
遠くても、風邪は引いちゃうよ。
[首筋を拭うのにゆるりと瞬き]
ん…戻ろう…
[ふんわり微笑んで歩き出そうと]
……………
[雫は消えたけれど、まだ少し、赤い手]
[少し躊躇うように、宙を、彷徨って]
[外套を握る少女の白い手に、そっと触れる]
[雪に冷やされた筈の其の手はそれでも温かくて
踏み出す筈の足は止まり変わりに手が微か跳ね
見上げたまま小首を傾げ碧い瞳は青の瞳を覗く]
[開きかけた桃色の唇はけれど何も紡がない侭]
[向けられる碧い瞳から、逃れるように俯けば]
[額に掛かる前髪が、彼の顔に濃い影を落とし]
…ごめん。
[ほんの僅か口唇を震わせ、紡いだのは謝罪の言葉]
[少しだけ、と付け足された声は殊更に小さくて]
[蒼白い月明かりの落とす青い髪の影]
如何して…
[謝るの?と問い僅か手に力をこめる]
ナサニエルが謝る事は…
一つも、無いよ。
温かくて嬉しい。
凍っちゃうから哀しい。
でも、ナサニエルのせいじゃないよ。
…どうして、だろう。
[包み込む大気も、踏み締める雪も、触れた少女の手も]
[隔てた世界は遠いけれども、本当は冷たいのだろう]
凍る…凍って、いる…のかな…
[少女の言う意味と、彼の言う意味とは、異なるけれど]
[小さく小さく、その言葉を、何度か口の中で繰り返して]
…………凍るのは、哀しい?
[さくり、歩みを進めれば音が耳に届く]
…この手は…雪より冷たいよ。
[ぽつり、小さく呟いて俯き
繋がれた手の赤いのを見て]
この手は最初から凍ってる…
[問われ顔をあげて青を見る]
凍るのは優しくて哀しいよ…
[キュ、足音は少し遅れて一つ]
[少女の言葉を、黙って聞いて]
優しくて、哀しい。
[唇は言葉を繰り返して]
[青は碧を見詰め返して]
[近い筈の集会場は、何処か遠くて]
凍って、る…
[問い掛けに彼は天の月を仰ぐ]
…この村に、来る前…
…義父に、拾われる前…
…俺が、俺になる前…
[ぽつりぽつり零れ落ちる呟き]
…ずっと…、前から。
[硝子玉の如き青が光を受ける]
全部遠くて、優しい。
遠い分だけ、哀しい。
[青の視線を追いかけて
仰ぐ月も矢張り遠くて
そっか、と小さく返して
如何してとも問わずに]
この手は…冷たいけど…
この世界は…温かいよ…
ナサニエルは帰れるよ…
其処は、哀しいから――
[月光の落とす影]
[零れる白い吐息]
[伏せられる青の瞳]
帰りたくても…
…連れて…行ってくれる、人は…もう、いないから…
でも…、だから…捜してる…
[僅かばかり歪められた表情]
[それでも碧い瞳を見詰めれば]
…メイは…きっと、…あたたかい…よ…
[そう言葉を紡ぐも]
[触れた手をそっと離そうと]
やっぱり…迷子なんだね…
連れて帰れれば良いのに。
[歪む表情に瞳の青を見詰め返す碧い瞳は揺れて
続く言葉に写されたように歪む表情は泣き笑い]
本当にこの手が温かなら…
ナサニエルを温かい所に連れて帰れたのにな…
[ごめんね、と桃色の唇は小さく小さく呟いて
引き抜かれていく手を止める事は出来ないから
せめてそっと白い指先が赤い掌をなぞっていく]
…迷子…なの、かな…
[解らないというように、言葉をか細く紡ぎ]
[少女の謝罪には、ゆるゆると首を振って]
メイは…悪く、ないよ…
メイは…あたたかいと、…思う…
メイは…君は… …俺は…
[掌をなぞられれば、ぴくり、僅かに手が動いて]
[自分から離そうとしたのに何処か名残惜しげに]
[それでも、少女の手と、彼の手とは、離れ]
[声も、続きが発される事は、なくて]
[そうだよ、と囁く声は優しいのか哀しいのか
途切れ途切れに紡がれる言葉にただ青を覗き
ありがとう、と震える桃色の唇が音も無く紡ぐ]
でも、この手は、冷たいよ。
………ナサニエルの手は、温かいよ。
[離された手を一度握り己が胸元にそっと乗せ]
この心は、今は、温かいよ。
ナサニエルの心は、今は、凍ってるね。
似てるのに、反対。
同じ迷子なのにね?
[青を見上げた碧は揺れて揺れて揺らいで――]
[少女に触れた手に、其れは伝わるか]
[ゆるり、青の瞳を揺らがせ、瞬かせて]
…似てる…
[揺れる碧が近付くのを避ける事もなく]
[唯、じっと、身動き一つせずに]
あたたかい、手…
…あげられたら…、いいのに…
[けれど、呟かれたのはそんな言葉で]
[呟かれた言葉にか揺れる碧い瞳は見開かれ
泣き出しそうな顔の侭にふんわり微笑んで]
…じゃあ…今だけ貸して?
[こつ、とナサニエルの胸に額を押し当てて]
[矢張り其の表情に変化は見られないけれど]
[頭を寄せて来る少女の言葉に、小さく頷いて]
…うん。
[片方の手を、ゆるりと持ち上げれば]
[そっと、少女の頭を撫ぜ碧の髪を梳く]
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