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[歌声が鼓膜の中で膨張する。
――嗚呼、またこの響き、このヴィジョン。
きらきらと白い光の渦の中、肥った、或いは痩せた黒人の女達が手を叩きながらその配列を高らかに歌う。その真ん中には、ご満悦な表情で白いピアノの鍵盤に幾度も指を叩き付ける、サングラスを掛けた黒人の男。
鼓膜付近で膨張したその響きは一気に爆発し、ナサニエルの筒状の器官から一気に外へと飛び出してゆく。]
[極彩色の光、高らかな声―――]
──ブランダーの店(ヒューバート/ソフィーの到着前)──
[ローズマリーは店の扉に手をかけるが、ドアは開いていなかった]
あら、どうしたのかしら?
もう営業時間だと思うのに…。
[中を覗き込むと、薄暗く、じんわりと浮かんで見えるのは荒れた店内と血痕、犬の死体]
…いったい、何が…?
ルーサーさんも、アーヴァインも…。
[扉を力一杯叩き、リックとウェンディの名前を呼ぶ]
リック! ウェンディ!!
[返事はない。ローズマリーは眉をひそめるとアンゼリカに向かって走って戻って行った]
[――が。
綿菓子のようにきらきらとパステルカラーのプリズムをもって光る白い雲の上に、黒い影が忍び寄る。
"Joshua"やら"Jericho"といった類の言葉の配列が配置されて幾度めかの頃合い。黒い影は牙を向いて、白い世界に居る黒人の女に襲いかかった。]
[悲鳴と怒号。血飛沫と数々の凌辱。
黒い影は、女達をひとり残らず「赤」と「黒」の刑によって「処置」を終えると、ぐるりと首を180度回してピアノに手を叩き付けて居る男の方を見る。]
―――グルル……グル………
[影は、黒人の男に剥き出しの牙を見せ――喉を鳴らしてわらった。]
[黒い影が、白い雲の世界を覆う。
言葉を発することをせず、ただひたすらに咆哮を上げ、影は野蛮な牙を黒人の男の身体に突き立てた。]
ぐああああああ……………っ
[膨張する黒い影、赤黒く濡れる綿菓子の雲。
真っ白なピアノは鮮血に染まり、沈黙。
黒人の男の身体はズタズタに引き裂かれ、四肢を切り取られ、影の手によってあべこべに再構成される。]
[―――男に対する「凌辱」をし終えた黒い影は、パステルカラーの赤黒い世界にひとり立ち尽くす。]
[そして――……
その様子を、ただ目を見開いて見つめていたナサニエルの双の視界に、男の双の目がギラリと重なった。]
………お、お前………ッ!
[椅子から立ち上がり、じりじりと後退するナサニエルに、黒い影がじわじわと近付いて来る。]
くっ………来るな!来るなぁぁぁぁぁぁッ!!
[ナサニエルは床に置いてあった物を次々と影に投げ付けるが、影は全くと言ってもよいくらいに動じることは無い。牙を突き立て迫り来る「恐怖」に追い詰められたナサニエルの背中に、無情にも壁面の冷たい感触が宣告された。]
あ………あ………………!
[黒い影はナサニエルの両肩を掴み、ニヤリと大きくわらう。]
………………ッ!
[影の口から、何か不規則な言葉の羅列が聞こえる。
ナサニエルの瞳孔は開ききり、全身には凄まじい量の汗が流れる。]
た………たすけ………
[恐怖におののくナサニエルの様子を余所に、影は牙ではない何かをナサニエルの身体に差し込んだ。]
………あッ………ぐ………!
[ナサニエルの臀部の奥に、巨大な違和感が侵入する。]
や……やめ………やめろォォォ!!
あああああっ!!!
[ナサニエルの懇願を聞かず、男は不躾に何度もそれを出し入れしている。]
「ロティ」………
[影は、ひとつの配列を発する。]
ロティ、ロティ、ロティ、ロティロティロティロティ、
[巨大な"L"と"T"と"Y"の濁流が、ナサニエルの耳に侵入する。]
ロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティロティ
[機械的なまでに規則的な配列。男はその濁流に飲み込まれ、ただただ硬直することしかできないでいる。]
ロティロティロティロティロティロティロティ……
[――そして、幾度かめの配置が終わった後――影は獣のような咆哮を上げて、静かに果てた――]
[ローズマリーは店のドアがしまっていることを確認すると車に飛び乗った]
まだギルバートは戻っていないのね。
[あと誰か頼りになりそうな人は…。
ヒューバートのことが頭をかすめたが、彼は奥さんをなくしたばかりだったことを思い出す。
シャーロットにもついていてあげたいだろう。
いそうなのは、ナサニエルかしら…]
[ローズマリーは車にキーを差し込むとクラッチとアクセルを踏み込み車をナサニエルの家へと向けた]
[ローズマリーはナサニエルの家の前に車を止めるとあたりの様子を見回した。
特に変わった感じはしていない。
ここではなにも起こっていないようね…。
一安心するとナサニエルの家の扉をノックした]
ナサニエル、いる?
[幻覚に焼けた身体を引摺り、男は書斎を後にする。]
ルー…シー………
ルー……シーィ……
[四つん這いになりながら廊下を進み、キッチンに辿り着く。コップに1杯、生温い水を注ぐと、それを一瞬で飲み干した。]
[扉をノックする音が聞こえた。]
………誰だ?
[玄関に向かい、ガチャリとその扉を開けた。]
………ローズマリー?
珍しいな、お前が俺の所に来るなんて。
………ブランダーの店が変?
何かあったのか?
暴力だの何だのの処置に俺に声掛けるってのは、よほどの事態ってコトか。
ふぅん………
[先ほどハーヴェイから伝えられた言葉が、頭の中で引っ掛かる。]
つまり……俺が行った方がいい、ってことだよなァ?
ちょっとね、わたしだけじゃ不安なのよ。
リックもウェンディもいなかったし。
そうそう、それから、うちにいたソフィーとソフィーのお父さんがいないのも気になるの。
少し街を見回った方がいいんじゃないかと思って。
………了解。
ま、俺は居ないよりかマシってレベルでしか役に立たねえけど。それで良かったら協力するか。
[書斎と玄関に鍵を掛け、外に出る。]
で、あんたの車で出掛けるの?こういう場合って。
[ローズマリーの車を指差した。]
ギルバート!
どこにいるのかと思っていたわ。
[ナサニエルの方を振り向いて]
いつの間に家を教えるぐらいに親しくなったの?
ギルバートか。
どうした?そんなに慌てて。
トイレ貸せってか?
[ぼりぼりと髪を掻き、ローズマリーの問いに答える。]
あー……まあ、アレだ。
酔っ払って道でブッ倒れてたのを、ギルバートに運んで貰ったんだよ。
[ナサニエルに笑って]
それはそれは、ナサニエルらしい出会い方ね。
ギルバートもさぞかし大変だったでしょうね。
車はわたしのでもいいけど、あなたのでもかまわないわよ。
ギルバートも来てくれるのならあなたの車の方がいいかもしれないわね。
開けろって、早く!
[ガンガン扉をぶっ叩く。激しい殴打にドアの蝶番が悲鳴を上げている。呼鈴もあるのかも知れないが、探す気はないらしい。]
『中でくたばって……』
[と思い掛けたところで、近くに人の気配を感じ、ぎょっとしつつ振り向く。
ローズマリーと目があった。ナサニエルも居る。]
あー……
[間抜けな顔になるのは避けられなかった。]
[普段なら近付いた時点で人の気配が分かるのだが、よほど気がせいていたのだろうか。]
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