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…………………ッ!
[ホーンブックが鋭く降りる音に身を硬直させ――おそろしいものに「おそろしい」と意思表示する暇も与えられぬまま、臀部に痛みを与えられる。その痛みに歯を食いしばるが、鼻と歯列の間から、大きく素早い息が漏れ出る。]
[右手の怪我に言及されたからか、頭を左右に振り、「父」から見えぬよう、シーツの中に右手を隠そうとする。]
[再び、新たな赤い跡がその肌に刻印される。私は震える指でその跡を撫でた。]
……私は……
自分自身の全身全霊をかけて、君を守護すると誓う。その義務を果たすよう努力する。
だから君は――
――君も、できたらその責任に答えて欲しい
[“彼女”に言い聞かせながら、いつしか私の両頬を雫が伝っていた。
彼女を傷つけたのは、彼女の好奇心だっただろうか。
だが、私は彼女を守ることができなかったのだ。
それは、私の罪でもあった。]
[ホーンブックを臀部に打ち付けられた「娘」は、おそろしさのあまり「父」の膝の上から逃げだそうともがく。]
[自身のからだを傷つけてしまったこと、自身のからだを「父」のために大切にできなかったこと――そんなことが頭を過ぎり、「娘」は羞恥のあまりその頬を真っ赤に染めた。]
[臀部に走る、鈍く鋭い痛み――その場所が赤く染まっていることを、「娘」は見ずともその上に響く熱で、感じていた。]
二つめに、君は、私の忍耐力を過大に評価しすぎてはいけない。
私がなにに耐えられ、なにに耐えられないかを知らなければならない。
[今や、その声は震えていた。
嗚咽で喉が詰まる]
君は、自分自身の怪我の痛みに耐えられると思うかもしれない。
だが、私が君の怪我に耐えられるわけがないのだという事実を忘れないで欲しい。
[そこまでやっと言葉を紡ぐと、もう耐えられなかった]
……ああ、ロティ……
耐えられるわけがないだろう!
君が怪我をすることに――
君を喪うことに……
……あぁああああぁ……
[私は今は“シャーロット”であるナサニエルの背中を抱きしめ、泣き伏していた]
[臀部に広がる赤を撫でられ、「娘」はハッとして顔を上げた。]
[身を捩らせて「父」の顔を見上げる。
――「父」は、泣いて居た。]
………………。
[父の言葉に、ゆっくりと頷く。]
すまない、すまない――
……ぅう、あああ……
[私は何度も詫びながら、泪を零し続けた。
それは、誰に向けられた謝罪だっただろうか。
喪った娘と、この場で娘になってくれたナサニエルへと――
あるいは、無力にも救うことのできなかった数多くの愛する人への
しばらくの間、怺えることのできない慟哭に身を委ねていた]
[ふたつ頷いた時、「娘」の視界に、嗚咽する「父」の顔が真っ赤になっているのが入った。「娘」は、目を細めて父を仰ぎ見る。]
……………………!?
[次の瞬間――「父」の腕が、「娘」の身体を抱き締めた。「父」の体温が、シーツごしに「娘」のからだに伝わってくる。]
[ナイフをシースより抜き放ち、]
[短い、「ヒュッ」と言う呼吸音と共に、]
[身体を丸めて目指す部屋に向かって飛び込み、体当たりで扉をぶち開けた。]
[ネリーはギルバートの無言の目配せを察し、ギルバートから少し離れた。
やや後退し、今まで彼が座っていた――包みがまだ置かれている安楽椅子の所まで下がり、自分なりに感覚を研ぎ澄ませる。]
[「娘」は――慟哭する「父」に抱き締められたまま、黙って天井を見つめて居る。
――天井には、小さな茶色い染みがひとつ。]
『ギルバート!!?』
[扉が破られた刹那、転がるように椅子から落ちると、背もたれを楯にするように椅子を構え身を低める]
[何かがあった時のために、出口までの経路を見渡す。
何か、神聖さを感じざるを得ず、包みはぎりぎりまで動かしたくない。]
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