情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ニーナの柩の傍で、人狼であった女性の骨が見せるヴィジョンを見た私の身に起こった出来事は後から語る事にしようか──。或いは語られないかもしれない。
短い言葉で簡潔に話すならば、私は愛すべき従姉ではなく、生きた人間をこの手で殺しその肉を貪った。]
[ナサニエルの口許が、歪んだ。]
『我々は、等しく「獣」――
己が身を焼き尽くさんと猛る程に純粋な、「思慕」の奴隷なのだ――』
[安置所の床には、何故か粉々になったガラスの破片に塗れている。
シャーロットの姿は衣服の異変に気付かなければ、ヒューバートが安置した時とそれほどの違いはなかっただろう。彼女の目蓋は眠るように閉じられたまま。]
――ロティ
[ドレスをなぞる指先が幽かな汚れに触れる。
此処でなにがあったのか知るよしもなかったが、彼女の身は少なくとも損なわれていないことに心から安堵した。]
明朝になればニーナもここへ連れてくる。
その時に新しい服を持ってくるよ。
ソフィーに仕立てを頼んでいたドレスもできあがったんだ。
君にできたら――着て欲しい。
[自分の体を這い回る手に肌は熱を持つ。
体に経験は十分にあった。しかし背中に手が触れた時だけ抵抗したのは条件反射なのだろう。
それでもギルバートの首に回した片方の手で彼の手をとり、導くように体に触れさせる。
もっと、とねだるように。そしてそれは徐々に下へと導かれた]
……ロティ。
もし、私を拒むなら――
どうか、君の腕の中で私を喰ってくれ。
私は、君が居なくて生きてゆけるわけがない。
君の居ない世界の終わりに
取り残されるくらいなら、いっそ――
――この身を捧げ、君の血となり肉となりたい。
[シャーロットが再び動き出すための力となるなら、この身を捧げても惜しくはなかった。
彼女の閉じられた瞼にそっと口吻をした。]
[ナサニエルが詞を朗読するその頃――床に蹲るネリーの耳に、音の触手が伸びた。]
Death seed blind man's greed
(死の種 無知なる者の強欲)
Poets' starving children bleed
(詩人は飢え 子供達は血を流す)
Nothing he's got he really needs
(だが 欲しいものはなにひとつ得られない)
Twenty first century schizoid man....
(21世紀のスキッツォイド・マン)
だが私を少しでも愛してくれているのなら――
どうか――
――どうか、私の元へ……
――戻ってきてくれ
[閉じられた瞼から熱い泪が零れ、頬を伝う。
そのまま、寝台に彼女の身を横たえ、重なった]
私は生きている限り、夜毎この場所に君を迎えに来るよ。
君が目を開けてくれるその日か――
――この身を君に捧げる時まで
……ハーヴェイ。
[黄金の光で満たされた瞳が、欲情に潤んで語り掛ける。
尻の丸みを、女のそれとは違う腰骨の形を慈しむように指がなぞった。]
ギルバート………
[ブルーグリーンの瞳に、艶やかな一陣の黒が走る。]
『俺は、お前の………………』
[古めかしいトヨペットクラウンは、吸い込まれるように森の中へと――]
[手は前に至り……欲望の印を柔らかく撫で擦った後、邪魔な着衣を脱がす為に立ち働いた。]
[ハーヴェイを再び抱き寄せ、覆い被さり、湿った落ち葉の散り敷かれた大地に押し倒した。]
[自分の手の中で男の首の骨が折れるゴキッと言う大きな音を、私は冷静に聞いた。
従姉の遺体を口にする事は私に取っても心理的に望ましい事ではなかったので、私は小さな天窓からの侵入者を歓迎した。彼は暗い床に伏したままの私に気が付かなかったのだろう。
明るい場所で見たならば、きっと相手は醜悪な男だったに違いない。
天井にある小窓から侵入出来る程度の身長、触れた肌の質感から20代半ば程度では無いかと思われる。けれども天窓の灯りに透けて彼の禿げ上がった頭部には、思わぬ出来事に浮かんだ玉のような汗が光っていた。
天窓から侵入してきた彼は、台座に近寄り小さなガラスのシャーレに何かを採集するために覗き込んでいたところだった。]
[背後から首を手を回してから彼の首が折れる音を聞くまで──一瞬だった。
彼は柄が短く背の部分の一切無い異様に鋭いナイフを床に取り落とした。]
[突如触れられた所にびくりと反応し、甘い吐息が漏れた。
潤んだ目は悔しそうにギルバートを見上げる]
……ぁ……っ!
[最後に抱かれたのは数年前とはいえ体に深く刻まれた記憶は簡単には消えない。
敏感な部分はあっさりと、いつか兄と感じていた熱を思い出し、声で知らせた。
熱を与えられるばかりで、幾分悔しいのか、ギルバートの手を導いていた自分の手が、彼の同じ箇所に触れた。
そこも自分同様に熱い。]
…ギル……これ……
[耳元で囁き、先をねだる]
ウゥゥゥゥ……口惜しい、口惜しい。
[振り絞るように。]
私は、宿命的に闘争者であるのだろう。
積極的に侵す獣もいれば、それを迎え撃つ獣もいる。
この燃え上がる炎は、未だ消えず……
闘争の中で、消えることも存することも許されず。
[呻き]
ウゥゥゥゥゥ…苦しいィィィ……。
[新鮮な食事を終えた私は再び、柩に戻り泥のような眠りに落ちた。
私が再び目覚めた時──、
何故か、私は愛する父の腕の中に居た。
抱きすくめられながら、熱い涙が私の頬に触れるのを感じていた。]
[トヨペットクラウンを停め、ナサニエルは落ち葉に靴底をつけた。
頭上には、月の光――
ネリーをひとり残した自分の家の中には、今ごろ"MOONCHILD"が流れているだろうか――そんなことを考えながら、ナサニエルは歩き出す。]
Call her moonchild....
(あれは月の子)
Dancing in the shallows of a river...
(川の浅瀬で遊び)
Lonely moonchild....
(孤独な月の子)
Dreaming in the shadow of the willow....
(柳の木陰で夢を見る)
[哀しげな旋律を唇に乗せながら、かの「声」が聞こえる場所へと足を向けた。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新