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[少女の顔が近付き、その温かく湿った感触が、自分の顎から口の端にかけてのスープの痕をなぞる少女の舌によるものと気付く。
...は驚き、少女の壊れそうな細い肩を掴んで押し離すかわりに、自身が後ろに下がって距離を取った]
――……っ
[生々しい感触の残る部分を隠すように指で触れて、困惑を隠せていないだろう自分のそれとは逆に、静かなままの底の知れない少女の眼を見て]
これで良い、って……
[何ひとつ己の行動に疑問など感じていないだろう様子で首を傾げるのを見れば、怒るべきなのか窘めるべきなのかわからないまま、気力が失われていき]
…はは、は。
ナイジェル、おまえって…どういう風に育ったんだろうな。
[男が身を離し紡ぐ言葉に不思議そうに見詰め]
「好きな、人には、こうしろって」
[其の意味さえ真意は定かでは無く、ただ男の様子に自身は間違えただろうかと不安が過ぎり、捉まれた肩を振りほどくでも無く紫水曜の瞳は不安気に揺れ]
「違うの」
[男が肩に置いた手を振り上げるかも知れないとでも思ったのか、身を竦ませる]
[少女が身を竦ませていることに気付くと、急ぎ肩から手を離しそれを自分の胸の前で握る]
――すきな、好きな…人?
[自分へ好意を口に出してくれた人は二人だけ。
弟と、孤児院の経営者として弟と自分を拾ってくれた牧師。
一人は死に、一人は裏切った]
それ、どういう意味で…
おまえ、ちゃんと意味…
[それは人から与えてもらう事を、いつも望んでいた言葉だった。
それなのに今真意は定かでなくとも、そう言ってくれた少女を前にナサニエルは小さく震えている]
違う、よ。
簡単に向ける言葉じゃないし…、おまえがしようとしたのがキスなら、それも簡単にすることでもない。
…それは、愛情の証だ!
[解かれ]
[下りる]
[温かい]
[手は....]
[男の様子を、紡がれる言葉を、見詰める瞳は見開かれ、激しく首を振り]
「壊したく、無い」
[男の蒼い双眸を見詰める瞳は真摯だったけれど、其の剣幕にか若しくはまた別のものにか、すぃと視線を逸らせば男の手を見詰めてか俯き]
「私は、ナサニエルを、傷つけ無い」
[唇だけがいつかと同じ意味の言葉を紡ぐ]
壊したくないなら…、最初からなきゃいい。
傷つけない?
…どうだか。
今そう言ったおまえも、変わるかもしれない。
この瞬間が永遠にでもならない限り、約束なんて無意味だ!
[双眸を通してその奥までも覗いているような少女の真摯な瞳は、本物の思いやりを、心からの優しさを感じさせる。
もっと肯定的な言葉を――ありがとうとか、オレもお前を壊したくないし傷つける事もないと言いたいとも思っているのに口にできない。
人との温かな繋がりが欲しくてたまらない一方、得たと思ったそれをまた失うのが怖いだけなのかもしれない。
だが今ナサニエルに、そんな自分の胸のうちを冷静に考える余裕もなかった。
恐ろしさにも似た衝動がつき動かすまま、紫水晶の瞳を不安げに揺らす少女を顧みることなく背を向けて、二階へ*駆け上がる*]
「ナサニエルは、ナイジェルを、壊すの」
[駆け去る後姿に問い掛ける言の葉は届く筈も無く]
「怖く、無いよ」
[男の居なくなった空間に唇だけが紡ぎ]
………
[ゆるり瞬き青い髪の少女が待つ筈の*部屋へと戻る*]
――ッ、は。
[部屋のベッドで、其の眸を見開き身体を起こす。
眠りの淵、不意に訪れた、悪夢。
上体を起こしたまま、汗の滲む額にそっと手を当てた。]
白い部屋。四人の部屋。
一人は独り言が大好きな優しいお姉さん。
一人は死んだ魚の目をした頭がおかしな人。
一人は寝たきりの御婆さん。
そしてわたし。
お姉さんは暴れて保護房に入れられた。
魚の人はタオルで首を吊って死んでた。
御婆さんは死んだように眠ってた。
わたしはずっとそれを、見ていた。
[訥々と紡ぐは過去の虚景。
ゆらり、瞳が揺れて。ひゅ、と息を吸い込んだ]
――、ぁ
[視界にナイジェルの姿を留めれば
現実的。或いは幻想的。
どちらにしてもその先に安堵。]
いつもソファーだね……
今夜は交代しよう……わたしがソファーで寝るよ……
[眠っているのであろう彼女に向けるというよりは
独り言のように紡いだ。
ベッドから降り、ゆるゆると頭を振って。
ゆらゆら。脳がぐらついているような感覚に緩く瞑目し
ベッドサイドに置いていた錠剤に手を伸ばす。]
[声にか気配にか睫毛が震え覚醒しきらぬ侭に身を起こし、視界の先で少女がベットサイドへと手を伸ばすのに寝惚け眼を瞬かせ、自身の足元へちらと視線を向けるも、目覚め始めた意識に漸く少女を認識し、落ちかけた毛布をそっと掴んでふわと微笑み]
「おはよう」
[唇が挨拶を紡ぎ]
「具合、悪い」
[伸ばした手の先にあるのが薬だとは認識している様子で、心配そうに少女を見詰め]
[視界の隅に動く菫の色。
目を覚ました様子の彼女に弱く笑んで]
おはよう……。起こしちゃった、かな。
[だったらごめんね。と付け加えながら、
掌に、薬を一つ、二つ、三つ――七つ。
洗面所の水道へ、水を求めて歩みながら]
いつものことだから。
薬を飲んじゃえば治るよ。だいじょうぶ。
[何処が悪いとは言わずに、そう言い残して洗面所へと。
錠剤を口内へ放り込み、蛇口を捻って両手をカップ代わりに水を飲む。乾いた喉に、どろりと溶ける感覚が吐き気を誘うが、口元を押さえて堪えた。]
……ナイジェル。傷はどう?
治ってきた、かな。
[備え付けのタオルで口元をぬぐいつつ、洗面所から顔を出す]
[気配で目覚めた割りに問いにふるふる首を振るのは、謝罪は必要ないと言う意味合いかも知れず、少女が部屋を横切りながら紡ぐ言葉に安堵してか頷き、立ち上がり毛布をたたみソファの隅へ置いて、洗面所から顔の覗くのに漸く自身の傷を思い出したのか見下ろして、殆どあかの散らぬ――とは言え前日までの染みは残っているだろうけれど――寝間着の胸元を摘んで眺め、少女へと向き直りもう一つ頷き]
「ありがとう」
[気に留めて呉れた事にか感謝の言葉を紡ぎクロークへと歩み寄り着替えを取り出すと、口許を拭う少女の様子を一拍だけ見詰めて瞬く]
ん。
[ナイジェルの姿を見ては、その服に滲む赤も過去のものだろうと察し、彼女の感謝の言葉に笑みを返した。]
わたしも着替えよ。汗かいちゃった。
[ナイジェルの後ろから覗き込むようにクロークを見て。洋装なんて特に拘らない。今の洋服によく似たワンピースを選んで取り出す。
ふと、ナイジェルの視線に気づいて、小首を傾げ]
な、なんかついてるかな。
[思わず口元に手を当てた]
[首筋も幾らか傷は癒えているだろうと包帯は外す事にして、黒いシャツブラウスと黒い上下対のパンツスーツを取り出し、服を抱え傍らで服を選ぶ少女を見詰めていたが、口許を覆うのにふるふる首を振って、けれどまた一拍は少女を見詰め、自身の口許を指し示し]
「零れたら、舐めては、いけないの」
[首を傾げ問うのは昨夜の男の様子を思い出してか]
[着替えを抱えたままナイジェルの唇を見つめ、
言葉の音は察しても、その意味を汲むのに時間が掛かる。]
舐め、る……?
自分で舐め取るのは別に、行儀が悪い、とかは思わない、よ?
でも手とかで拭った方が、早くないかな。
[相手に対して、という部分の発想が全く無く
どういう意味かな。と不思議そうに瞬いた]
[会話は僅かずれ噛み合わずとも少女の言葉にまた頷くも、困った様子で]
「手、舐めたら、駄目って」
[遠慮がちに伸ばした手は少女の口許を拭うふりをして、自身の口許へと指を引き寄せ、昨夜の所作をなぞってみせ]
[彼女の所作に、きょとんとして。
ようやく言いたいことを理解する。]
お母さんが、子どもにする、みたいなことだね。
いけないこと、じゃないけど
仲のいい人じゃないと、厭かもしれないよ?
あ、それと男の人だったら、ドキドキしちゃって困るかもしれないね。だって恋人同士がすることみたいなんだもん。
[そういうのって憧れるなぁ。と願望を付け加えた]
「そっか、厭、だったんだ」
[謝らないと、と唇は更に小さく呟き、続く言葉にきょとんと瞬き]
「恋人、同士」
[不思議そうに少女を見詰め]
………
[思案気に瞳を覗く]
普通はしない、こと、だから。
びっくりしちゃったのかもしれない。
厭だったかどうかは、わからないよ。
[けれど、謝らないと――その言葉には、小さく頷いて。]
そう。恋人同士。逆にナイジェルだって、相手が好きな人じゃないと、そんなことしたくないでしょ?
……ナイジェルはその人のこと、好きなんだね。
[誰かのかな。と笑みを浮かべて、
着替えを手にナイジェルに背を向ける。
彼女の見えない角度。
ふっと寂しげな表情を浮かべていた。]
[――普通はしない、こと]
[紫水晶の焦点は刹那遠退いて瞬き、頷く少女にこくりと頷き返し、続く好きなのかと言う問いにも頷いたけれど其れは一度目より何処か曖昧で]
「シャーロットも、好き
でも、厭なら、舐めない」
[誰かと問われれば隠す様子も無く]
「ナサニエル」
[少女が背を向けるのに服を抱えて其の様子を見詰め]
[――かたり。
グラスに指が触れる音で浅い眠りは破られる。
体を起こせば静寂を保ったまま誰もおらぬ室内を見渡し。]
――……何も無さ過ぎるのも、な。
[アーヴァインがあれから来た様子もなく。
体を起こすと、カウンターに追いてあった灰皿を引き寄せ。
細い紙巻煙草に火をつける。]
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