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書生 ハーヴェイは学生 メイに投票を委任しています。
村長の娘 シャーロットは学生 メイに投票を委任しています。
書生 ハーヴェイ は 見習い看護婦 ニーナ に投票した
冒険家 ナサニエル は 見習い看護婦 ニーナ に投票した
学生 メイ は 見習い看護婦 ニーナ に投票した
村長の娘 シャーロット は 見習い看護婦 ニーナ に投票した
見習い看護婦 ニーナ は 学生 メイ に投票した
学生 メイ に 1人が投票した
見習い看護婦 ニーナ に 4人が投票した
見習い看護婦 ニーナ は村人の手により処刑された……
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、書生 ハーヴェイ、冒険家 ナサニエル、学生 メイ、村長の娘 シャーロットの4名。
[手荷物をテントの隅にほおりなげ、適当な場所に座り込むと思考に入った。
監視付きとはいえ、軍営内を1つのテントに3人が集められたこと。
ナサニエルのように治療後解放されたわけではないが、きちんと治療されているラッセルを見ると、今すぐ自分たちの命をどうこうするわけではないのだろうか?
――いや、どうこうするつもりだからこそかもしれない]
さて、どうしようかしら……
[…辺りを観察しながら、歩いていく…
次第に景色は変わっていき…軍営地へと入っていく]
…?
[城ではなく、軍営地に向かわされた事に少なからず不安を覚える。
…あまり、歓迎されているようには見えない。
軍の中の施設を少しは教えてくれるものの、ソレはあくまで不自由さを少なくさせるモノに留まっていた]
…酒場の方が待遇は良かったですね。
[テントの中に入れと言われると、キッパリと言ってのけた。
…違う所に対してだが…少女は不満を持っているらしく、言葉に刺が残る]
…ぁ…
[しかし、先客の姿を見ると小さく声を漏らした。
酒場にいなかった一人…ラッセルが居た]
…
[注意深くテント内を見回してみると、簡易寝台はあり…
元々、ココは医療テントだったのだろうか?
薬の匂いも少しする気がする…血の臭いも、だが]
…どうしましょう、ね…
[ウェンディの呟きの様な言葉に同調するように、ポツリと。
寝台の上に座り、鞄を置くと溜め息をついた]
[酒場のほうが待遇が良かったと愚痴るニーナに、ふと顔を上げて笑った]
確かにそうね。
[そして、ラッセルとニーナを手招きし、顔をつき合わせるようにして声を抑え]
……ねえ。
二人はこの状況、どう思う?
[…そういえば、皆の試合はどうだったのだろう。
ウェンディの試合は見ていないし、ラッセルの試合も勝敗はどうなったのかが良く分からない。
メイが踊り場の方に行ったのは分かったのだが…]
…?
[ぼんやりと考えていると、ウェンディの手招きが視界に入り…
辺りを軽く見回し、テント内にはラッセルとウェンディ、そして自分しか居ない事を確認すると、ウェンディの側に寄った]
…どう、ですか…?
[小声で応え、少し考える素振りを見せる]
少なくとも、良くは無いでしょうね…
怪我をしたので有れば、最初からここに来させれば良かった…
でも、あたしやウェンディさんに、大きな怪我はないです…
…それに…酒場に残った方に用事がある、と言ってましたし…
あたし達のするべき事を知らされていませんから。
[ニーナの言葉にうんうんと頷く]
とりあえず、あのお姫様の考えてることを掴まないとね。
まあ、十中八九、歓迎できることじゃないだろうけど。
[予想はついてるんだけどね、と呟き]
そういえば、ニーナはハーヴェイと闘ったんだよね? 勝負はどうだったの?
酒場に残ったメンバーについても気になるわ。ナサニエルはともかく……。私とシャーロットは、一応勝ったの私だったんだもの。
……お姫様は、私の言動がとてもお気に召さなかったようだけどね。
[ウェンディに小さく頷く]
…少なくとも、こんな回りくどい事をしている…って事は…
すぐに殺されたりする…って、ワケでは無いでしょうから…
[予想はついている?、ウェンディの言葉には軽く首を傾げた。
だが、勝負の話になるとすぐに首を戻し]
…あたしも、聞きたいと思ってました…
ウェンディさんの試合は見ていませんでしたし…
ラッセルさんの…は、踊り場で戦っていたようですから…良くは、知りません…
…ウェンディさんが…ですか…
言動?
[話を聞いて、また首を傾げるが、問われた問いには]
…あたしが、勝ちました…
ハーヴェイさんの、降参…で。
[こなすべき執務を全て終え、一人休憩を入れる]
これで終わり…
もはや歯車を止める事は、私にも不可能です。
やるべき事は後一つ、駒を選び出し、差し向けること…
これは私自ら試さねばならない。
うふふふふ、はははははははは
そう!私の手で、研ぎ澄まされた氷のダガーを選び出してみせる!!
あと少し、あと少しです…
[時間が経った。
ウェンディ達が宿から移動して、それなりに、だ。
酒場で酒を飲んでから、しばしの時間自室で横になっているが、心に浮かんだ疑惑は、小さくなるどころかますます大きさを増していく。
想像すればする程に、疑惑によって閉じた目蓋は幾度となく開かされる。
これがただの呆れるような、ただの妄想でしかないのであれば、後でウェンディにでも笑ってもらおう。
だが、現実だった時には――。
それ以上は結局ループ上に考えが絡まり、何かあったときのため。と、武器の整備を行うのであった]
でも、いずれは……って思うよ。
[ニーナが首を傾げるので、何からどう説明したものかと少し考え、まず、自分とシャーロットが闘った時のことを2人に説明した]
勝負だけでみると、どう考えても私の勝ちだった。でも、あのお姫様は私がシャーロットに止めを刺さなかったのが痛くご不満みたいでね。
ナサニエルとラッセルが闘ったあと、私とお姫様が口論になったの覚えてる? 実はシャーロットと対戦した後も、考え方の違いでちょっと口論になってね。
だから、私が選ばれなかったのは、単純に能力が劣ってたとかじゃなく、自分の意のままに私が動かないだろうって判断したからだと思うよ。
[ウェンは、そういって苦笑した]
私、一応これでも兵士の端くれ、官憲の1人だしね。お偉いさんの思考回路は知ってるつもり。
[...はそこで一度言葉を切って、肩をすくめた]
そこそこ腕が立ってでも無名の人間を集めて、破格の賞金が出る武闘会を開く。しかし目的も知らせない。
で、戦闘が終わってみれば、勝負に関係なく人を選別する。……こんなのどう考えたって、私たちを実際に見て、自分に都合の良い人間を選び出したかったとしか思えない。
で、選び出してどうするかっていうと、自分の手は汚したくない後ろめたいことをやらせるんでしょうよ。
で、この軍営の規模を考えると……。予想される答えはただひとつ、かな。
[ウェンは、それから踊り場であったラッセルとナサニエルの闘いをニーナに説明した]
……そうか、ニーナが勝って、ハーヴェイが負けて……
[そこで少し考え]
……今のうちに、お互いについて情報交換しておいたほうが、後々良いと思うんだけど、どうかな?
今まではさ、対戦相手ってことで、秘密にしてたことも思うんだけど。
…………どういう基準なのかのぅ…
ここに残っているのは……
[シャーロットはナサニエルとは離れた席でそう呟きエールを一口飲む]
…とどめを刺さない、ですか…
[そう言えば…確かに、ウェンディの試合の時にそういう事を言われていたとするならば、ラッセルの試合が終わった後のウェンディとの口論…そして、メイの手段を問わないような物言い。ソレには納得のいくモノがあり]
…確かに…そう考えられますね…
問題は、その、都合の良い事…
つまり、その腕が立つ…って事が必要で、手段は何でも良いから…是が非でも人を殺めなければならない、と言う事…?
[思わず顔をしかめてしまい、眉間に指を当て]
…大体、答えは嫌なモノ、って事が分かりましたけど…
ウェンディさんの、考えは…?
[小さく息をつくと、勝敗を聞いて考える]
…やはり、明確な勝利者と、明確な敗者が入り交じっているのは…
おかしい、ですね…
[瞼を閉じ…開くと頷く。
辺りをもう一度見回してから、小声で]
…そうですね…
いつ、協力して戦ったり…逃げる、時が…出てきても、おかしくはないですし…
もう、この中で戦う…って事は…無さそう、ですしね…
[ニーナの返答に頷き、そして指で床にゆっくりと字を書いた]
『クーデター』
[書いて、険しい表情で、その文字を書いた床を睨みながら]
で、私たちは、彼女が本陣を叩くための捨て駒にされるってところじゃないかな?
……突拍子もない考えと思う? たしかに憶測でしかないけどね。
でも、単純に誰かを暗殺させたいとかだけなら、ここまで手の込んだことをする必要がないし、それに、この軍営の規模。常に武装してる兵士。待機状態にしちゃ物々しすぎる。
[そしてはき捨てるように言った]
……身分の高い人間にはよくある思考だけど、あのお姫様も多分に漏れず、下の人間を『駒』としか見ていないところがあるね。
今回、どっち側に残ったとしても、私たちの命は風前の灯って感じがする。
――――……。
[階段横の壁へと静かに凭れかかったまま
ただ、じっと酒場の扉へと視線を向ける。
腕を組んだまま、微動する様子も無い。
右腿には―――数日前の同じように
ベルトへと棍が収められていて。]
[情報交換をしようとの提案に同意したニーナに微笑み、ウェンは自分の能力とユーニスのこと、そして闘ったシャーロットについて、詳しく説明した。
しかし、ナサニエルについては、彼の事情を考慮し、ラッセルも知っていることだけを説明した。]
……選ばれなかったということは、私たち3人は、選ばれた3人よりは先に”捨てられる”んでしょうねぇ。
情報を手に入れる、何かいい方法はないかな……
[ぶつぶつと呟きながら、思考をめぐらせている]
投票を委任します。
書生 ハーヴェイは、学生 メイ に投票を委任しました。
[ウェンディが文字を書き始める…
その文字を見て…少し考え込むようにしてウェンディを見た]
…あたしは、北にある…ホールレイの森…に、住んでるので…
街の情勢とか、よく分からないのですが…
…でも、言う通り…ただ、人一人殺すだけなら…
それこそ、暗殺者に頼めば良いですし…
戦争の補充要員であるなら、別に街の中でなら知られても良いはずですしね…
[上の人間。
その言葉に軽く視線を落とし…小さく息を吐いた]
…駒…かぁ…
呼び出しに応じなければ良かった…かな…
話を聞ければソレで良かったんですが…母様に、またバカにされそうです…
…魔法弓…アーティファクト、ですか…
[ウェンディの説明に耳を傾ける。
魔法を扱えるのは、外界では珍しくはないらしい…小さく思った。
説明が終わると小さく頷き]
…説明が簡単そうな所から始めましょうか…
ハーヴェイさん…の、武器は…三節棍と、隠しナイフ…です。
あたしが見たときは、二本扱ってました…
でも、戦っている最中…そして、話を聞く限り…魔法は扱わないようです…
その代わり、体術に関しては特化しているのでしょうね…
[ニーナのため息につられるように、ウェンもため息をついて]
……もし本当に私の憶測どおり、彼女がクーデターを企ててるとしても、私はちょっとは気持ちはわからないでもないよ。
[そう言って、日々の国境警備の仕事を思い出す。頻繁に変わる国境線、明らかに戦争から逃れてきたと思われる人々が国境を破ろうとする。そういう人々を、追い返す自分達。]
……私も、来なければ良かったと思った。
マイセルに居ても兄の情報はさっぱり入らないし、大きな街に行けば、ひょっとしたらと思ったんだよね。長期に休暇を取る理由とか必死で考えたのにね。
…そして、あたし…ですが…
ウェンディさんは、知っていると思いますが…
[腰のポーチを外すと、皆の目の前に置き…
開けば中には多くの小瓶が入っていた]
あたしは、魔法薬を扱っています…
薬を介して、魔力と呪文で効力を発動させる…というモノ、なのですが…
その効力というのが…傷を治したり、毒、であったり…
そして…自分の身体を、獣のように強化したり…
[瞼を閉じると、小さな声で言った]
…ハーヴェイさんと、戦ったとき…
あたしは、この三つの薬品を扱いました…
他にも、薬の種類はあるのですが…それはおいおいで良いですか…?
自然災害…三重の近くの人なのかな…ハーヴェイ…
でも、無償なら良かったね…
でも、データとかの考えると、あまりよくないなぁ…
…そう、時間はない、と言う事ですか…
[しかし…闇雲に動いたのでは…
小さく息をつくと、考え始める]
…情報が有れば…
[ウェンディの言葉に小さく呟く]
…流石に、無理矢理尋問とかは…目立ちますしね…
[ウェンは、ニーナの、ハーヴェイとニーナについての説明を真剣な表情で聞く]
そっか、ニーナは獣化も出来たんだね。それで納得したよ。
一見後方要員っぽいのに、ハーヴェイに勝ったって聞いたから、どうしてだろうって思った。
そう、アーティファクト。かなーり昔に作られたみたい。
もっとも、私はユーニスがないと、上手く魔法を扱えないし、弓だから魔法も一直線にしか飛んでいかないって欠点があるよ。
力の強弱とか、どういうものを飛ばしたいか、とかは、ある程度コントロールできるけどね。
[おいおいでという言葉には頷き]
うん。ニーナが必要だって思うときに教えてもらえれば良いよ。それでまた、皆で作戦考えればいいし。
村長の娘 シャーロットが「時間を進める」を選択しました
ぇぇ…獣化と言っても、極端に身体の形を変えたりするのは…魔力を、使いすぎるので…
あまり、外見は変わらない、でしょうね…爪は、伸びますけど…
[瞼を開くと、ポーチを閉めて腰に付ける]
…つまり、攻撃に特化したアーティファクト、と言う事ですか…
弓の形状をしている時点で…普通の魔術師は扱わないでしょうしね…
大昔に作られたなら…
[分かる気がする、と小さく頷く。
それで良い、と言われると軽く頭を下げた]
…遠距離に対して、魔法を扱えるのは…大きい、ですね…
逃げる事になったら…
全員、近接でしか戦えないとなると…出来る事が、少なくなりますから…
[ニーナ、ラッセル、そして自分の能力を分析する。ニーナの言葉に同意するように頷き]
それに偶然だろうけど、落とされたのがこの三人だったのは、不幸中の幸いかもね。パーティを組む上で、とてもバランスが取れてると思うよ。作戦も立てやすいしね。
……で、情報だけど。
[...少し上空を見上げ、思案し]
とりあえず、監視の目はあるだろうけど食堂とか購買の位置を教えてもらえれたってことは、ある程度自由に歩き回っても良いということなんだろうから……。
……いくら情報規制しても、人の口に戸は建てられないってことで、下っ端兵士が集まりそうなところで、噂話に耳を傾けるって方法しか、今のところ思いつかなかったよ。
…
[情報が欲しいのに、ちょうど良い案は思いつかない…
怪しい行動をしたら、こんな人数が多い所では…
使い魔が居れば変わったかも知れないのに。小さく後悔しつつ、ウェンディの言葉に聞き入る]
…です、ね…
目立たなく、情報を集めるなら…それしか、無いかも知れません…
狙い時は…食事時…と、購買は…まぁ、何度か足を運んでみても、良いかも知れませんけど…
そうと決まれば。
[立ち上がり、どこか不敵にくすりと笑う]
早速行ってくるわ。
せいぜい好奇心旺盛な子供の振りをして、軍営内をうろちょろしてやるわ。
……それに、私たちが居る理由を、ここに居る兵士全員が知ってるわけではないと思うし。
で、あとはまめにここに戻ってきて、お互い情報交換しあうってとこね。
[立ち上がるウェンディに小さく頷いて…]
分かりました。あたしも、少ししたら…
とりあえずは…購買と、食堂…を、まわってみます。
あたしは、回り終わったら一度、ココに戻ってきますね…
まぁ…歩くのは、ゆっくり、ですけど…
[ポーチから薬瓶を取り出すと飲み干し…]
敏感《センシティブ》
[詠唱。
瞼を閉じ、耳をすまして見せ…]
…出来るだけ、静かな所がいいんですけどね。
[薬を飲み、どうやら魔力によって感覚を鋭くさせたらしいニーナに、よろしくね、と頷いた。
それじゃ行ってきますと、明るく2人に笑って言い、テントを出ようとしてふと立ち止まると、ラッセルのところに戻ってきて]
……いい?
目立たないように気をつけるのよ??
[念を押した。とりあえず、その様子から、ラッセルに人質に取られたことをどう思ってるかは、ラッセルには分からないだろうが、今のところあの一件を責める気はないらしい。
たぶん、今は事態を好転させることのほうが優先と考えているのだろう。
そして、今度こそテントを後にする。テントの外に居たらしい兵士に何事か問われ、『お散歩にいくのー』と彼女が答えるのが、中の2人にも*聴こえただろう*]
[ウェンディに気を付けて。と小さな声で呟くと、戻ってきたウェンディの言葉に小さく笑った]
…意外に…外見に、騙される方、多いんですね…
[難なくウェンディは外に歩いていった様で…]
…では、あたしも…少し、行ってきますね。
[少ししてから、ラッセルにそう言うと、テントを出た]
えっと、購買に行ってみようかな、と…暇、ですし…
[出てきた少女に目を向ける見張りも…暇、と言う言葉には気が抜けたように、さっさと行け、と言わんばかりに少女から視線を逸らした。
どうも、と軽く頭を下げると、ゆっくりと購買へと*歩き出した*]
[軍営にやって来た…いや。
正しくは強制的に連れて来られたようなものなのだが、ともかくテントに入ってきた二人を見て、ラッセルは思ったものだった]
ウェンディさん、ニーナさん!
…二人まで「ばかになるよ」って言われて来たの?
……ぼぼぼぼ暴力反対暴力反対。
[今にもどこからともなくハリセンを持ち出して来て、せっかく治ってきている頭の傷を広げてくれそうな目を二人がしている気がしたので、ラッセルは慌てて許しを請うた。
…それともそれは、夢だったろうか?
白昼夢くらい大して珍しくも無いラッセル的には、まあそれが実際にあったことであれ無かったことであれ…、2人と再会できた事が嬉しかった]
[――もちろん、謝罪するべき人が向こうから来てくれたということもある。
この機会を生かさずして、どこに反省の意味があるというだろう。
グッと拳を握り、できうる限りの真面目な顔で真剣にウェンディに謝る]
……人質にとったりなんかして、ごめんね。
[ウェンディはそれどころじゃないんだからみたいな顔で暗に許してくれたような気がするし、ニーナはそれを、優しく見守ってくれていた気がする。
…気がするったら気がするのだ。夢で無ければ]
[さて流石のラッセルにも、気になる事があった。
どういう訳だか、わざわざ連れて来られるような怪我をしているようには見えない二人が、今ここに居ると言うこと。
それに話を聞く限りでは、自分以外は闘いに勝ったらしい二人が、次なる選ばれるための闘いにも参加せずに、こんな場所である意味軟禁されてしまっていることもだ]
……メイフォリア様は、ウェンディさんの言動がとてもお気に召さなかった……?
[だから連れて来られて、閉じ込められているとでも言うのだろうか。
だとしたら――]
メイフォリア様ったら、意外と苛めっ子なんだねー
[能天気爆発。
次元も場合も違う。
しかしウェンディの説明を聞くうち、ラッセルもだんだん不安そうな表情になってきた。
なるほど良くは分からなくとも、何だか今置かれ巻き込まれている状況は確かに不味いのでは無いかと言う説得力があったのだ]
そうだったね…。
力が見たいって仰ってた事を考えても、これが武闘会のはずだってことを考えても。
命を奪い合えとまで言うみたいな、ウェンディさんとの口論してた時のメイフォリア様の発言は、ぼくにとっても何だか不思議だったなあ。
んー、強いだけじゃなくて、意のままに動いてくれる人が欲しいってこと?
[ウェンディの話は続く]
んんん…確かにそんな気もしてきた。
それで勝負に関係なく強くて、自分に都合の良い人間を選んでどうするの…?
選んで―――……えぇ?
[ウェンディは答える代わりに、床に指で文字を書いた]
ータデーく……むぐ。
[逆さまだった。
そして言葉にして出しきってしまう前に、そう容易く口にするべきでない事を指していると知った]
(…クーデター!)
身分の高い人間にはよくある思考…、
メイフォリア様も下の人間を『駒』としか見ていないところがある…?
[ラッセルの表情も、だんだんと暗いものになっていく]
今回どっち側に残ったとしても、ぼくたちの命は風前の灯って感じ……?
[事情が考慮されたナサニエルはともかく、ウェンディやニーナの神秘の力を含めた能力や、ニーナの住んでいたというまだ見ぬ住処の説明されると、ちょっぴり復活して表情が明るくなった]
獣みたいな力が使えるだなんて。
……カッコイー!
[しかしそれも束の間のこと]
はぁ……”捨てられる”?
[――“捨てられる”?
よく分からない。
人間はゴミ箱には中々入らないと思う。
そして例え今更森に捨てられたとして、今の自分なら割ともつんじゃないかなとも思った。
…勿論彼女の言い方からして、そんな意味で無いのだろうなとラッセルにしてはすぐ気付けたが]
クーデターを企ててる気持ち…か。
[ちらりと共感の思いを零すウェンディ。
しかし咎める目は向けられない。
クーデターというものが起こり、そして成功して富む者と貧しい者の差が無くなる世界が始まるのなら、そこには恐ろしくなるほどの魅力が溢れている。
それはラッセルにとっても理想郷だ。
――だが、もちろん。
人が死ぬことだけは……、どうにも耐え難い]
[ともかく情報を集める事が必要だとウェンディは言い、狙い時は食事時で購買に何度か足を運んでみるのも良いだろうとニーナは言った]
[ウェンディの姿を利用して軍営内をうろついてやるとの言葉にニッと笑い、ニーナの薬瓶も使ったとは言え詠唱し行使したらしい神秘の力には思わず見入った]
いいなぁ魔法…っ
あは、ウェンディちゃん…お散歩行ってらっしゃい!
[――そしてこれは苛めではなく、子供のフリのウェンディに調子を合わせたのだ]
うんわかったよニーナさん、何か美味しそうなものあったら買ってきてねーっ
[――そしてこれもまた食い意地が張っているわけでは決してなく、油断させる呟きをしたニーナに調子を合わせたのだ。…合わせたんです]
[真相はともかく、残るラッセルはと言うと]
ねぇねぇ兵士さんー
ずっと見張りとかしてて、暇じゃない?
お話しませんかあ。
ぼくもずっとこのテントの中に、黙って居るのはヒマだしさー
[見張り兵士から情報を引き出す作戦のようだ]
えぇヒドイちょっとおー、無視ですかー?
けーち。けーち。けーちけちけちけちけちけちけ
ちけちけちけちけちけちお前の母ちゃんデベソ!
……あ、嘘ですごめんなさい。
でへ。
ま、ま、いいじゃありませんか?
減るものでなしー。
…こう見えて、ぼくも兵士なんですよ。
登用試験内容どんなだったか教えっこしない?
ぼくん所はねぇ……
[まずは仲良くなってという計画なのだろう。
目的を忘れないうちに達成できるかは*神のみぞ知る*]
[古ぼけた弓に見えるユーニスはともかく、子供が刃物を持っているのは不自然なので短剣はテントに残しておいた。さらに上着をきっちり着込み、ボタンを留め、胸当ての紋章も見えないようにした。
そしてウェンは”元気いっぱい”、まるで見張りの兵士と追いかけっこをするかのように――時にはかくれんぼをするかのように――軍営内を歩き回った]
[やがてテントに戻ってきて、ニーナが買ってきたパンを齧りながら、見ることのできた範囲での軍営内の地図を、各自の持っている小物を借りて床に描いていく]
えっとね、まずテント出てからね、
[床中央にニーナの薬の入っていた空き瓶を借り、コトリと置いた]
食堂にいったの。
[続いて、小瓶から少し離れたところに、自分の髪留めを置き]
それからねー………
[口調はあくまで、散歩で見た軍営内の様子を、年上のおにーさんおねーさんに大興奮で報告している子供のようだが、眼は真剣そのもの『一度で覚えてね』と伝えている]
――自室内――。
[頭の中にこびり付いてしまった想像が払拭できない。何度寝返りを打っても忘れられないそれに、ナサニエルは大きく溜息をついた。
そして、半分は仕方なく、残り半分は追われるようにしてチェイン=ファングを手にする。
目蓋を閉じて出来た闇の向こうに、的をイメージする。
そこに向けて、チェイン=ファングを抜く。
所謂クイックドロウだ。
自分を中心に三百六十度の至るとこに出現する的に、神経の一本一本を集中していく事一時間。
たかがイメージトレーニングにも関わらず、ナサニエルの呼気は激しく乱れていた]
[ゆっくり。そして、購買での品物を選んでいる…迷っている素振りを見せながら、耳は周りの兵士の小言や噂を聞いていた。
…限界だろうか。
店員や兵士がこちらの方を時々、ちら、と見るのを感じ、パンとメモ帳、ペンを買った。
…その後、食堂の近くを通り、メニューを確認…
メモにメニューを書き写している素振りを見せながらも、耳は周りの話し声を拾っていく…
こうして、戻ったのは大分、時間が経ってからだった]
…ぁ、ウェンディ…ちゃんも、今、戻ってきたの?
[ふと、目の前からやってきたウェンディに声をかける。
…どう見ても(見た目が)年下にさん付けで呼ぶのはおかしい…
また、ウェンディもそう言う風な素振りをしている。
近くに見張りが居たので、敢えて、小さい子に対して接するように微笑んだ]
ん、お話したいこと、いっぱいあるの…
分かった。パン、買ってきたし、ラッセルお兄さんと一緒にお話ししましょうか。
[見張りがこっちを見ている…が、警戒した様子ではない。
テントの中に入ると、買ってきたパンとメモ…ペンを三人の真ん中に置き…
ウェンディに目で促した]
[…メモで残す事は危ういだろう。
何かチェックが入ったときに、悟られたくはない…
あくまで、メモは人が入ってきたときのカモフラージュ。
メモには食堂のメニュー、そして購買で売っている物がメモされていた]
ぁ、ウェンディちゃんも食堂、行ってきたんだね…
人、多かった?
あたしが、行ったときは…あまり、居なかったんだけど…
[あくまで談笑しているような会話。
しかし、ウェンディの視線には小さく頷いて、その配置…地形を頭に入れていく]
[配下をよび、アーヴァインへの伝達を伝える]
隔離した三名の最終的な使い道を決めました。
私が選び出す”駒”、それの最終テストに利用します。
腕や技と言ったもので無く、その”覚悟”を見るためのテストに…
そう伝えてください。
彼はそれだけで、しかるべき準備を出来ます。
[使いのものを下がらせ、ぼんやりと考え込む]
うん、つよそーなおにーさんがいっぱいいたよぅー
[…いたるところに。そう眼で付け加えながら、小物を床に展開していく。やがて、ある一角だけ小物が置かれない地帯が出てくる。
ウェンは、だからここがメイの居るところと言わんばかりに、ペーパーナイフを床に刺した]
んじゃ、こんどはニーナおねーさんのお話するばんー
ん、じゃ、次はあたしの番、ね。
[ペーパーナイフが刺さった場所を見て…小さく頷いた。
しかし、取りだしたのは薬瓶…
中に入っていた粉を、手のひらに乗せると、ふぅ、と入り口に向かって吹く]
安眠《スリーピィ》。
[…見張りが異変に気付いたとき…思考が出来ないくらいに眠気に襲われており、何か術をかけられたなどとは思わないだろう…]
…ふぅ、これで…さっきまでのウェンディさんの印象が強くて、普通の喋り方をしても…話しにくい内容を話しても大丈夫でしょう。
[お疲れ様でした…
そう、ウェンディに言うと、二人の方に向き直り]
…とは言え、効力はソコまで続かないでしょうし…
誰かが来たら、あの人は起こされるでしょうし…
[誰かが来たら、あたしの耳が感じ取りますから。
そう、断りを入れると、話を始める事にしたようだ]
まず…購買までの道…ですね。
いわゆる、あたしとウェンディさんが来た道…
[床に置かれている小物達の地図に指を差し]
そこの辺りで聞いた話では…
まだ、その”一人”を決めていないらしいのですが、もう少し…
一日か、二日…で、決めてしまうそうです…
それで、”試験”をして、合格をすると。
作戦を開始する、だそうです…
その、作戦や、試験、と言うのは…口には出していなかったので分かりませんが…
次に、購買、ですが…
[指を動かし…自分が辿った道筋を指で示していく]
…貴族への不満、姫将軍への忠誠…
ソレが、主な内容、でしょうか…
[…もちろん、自分に対しても色々と言われていたのだが、ソレは省いておく。
この隊には男が多いからか、女性は珍しいのか…そういう小声で話している声が聞こえたのだった]
最後に、食堂…ですが…
ココが、一番…雑談が多かったですね…
特に…有益な、話は…
[少し考え込み、思い出すように呟く]
…いえ…
あの、メイの側近…アーヴァイン、という名の方らしいのですが…
かなりの、やり手…らしい、ですね…
その方にも、注意、した方が良さそうです…
[テント入り口傍に立っている見張りが、ニーナの魔法によってうつらうつらしだしたのを確認。はぁ、と大きく息を吐いた]
どうもありがとう、ニーナ。
[そして、真剣な表情で、ニーナの話を聞いた]
……一人……試験……何の一人かしら。
作戦……。
その”一人”が、酒場に残った誰かのこととは限らないかもだけど、時期的にはかなり符合するね。
[うんうん、それでそれで?と先を促し]
[貴族への不満と姫将軍への忠誠心という話を聞き]
まあ、それがないと、企てないだろうし……予想どおりかな。
……アーヴァイン?
ああ、あの気配のなかった男の人……
[いつか、メイがアーヴァインを伴ってお忍びで酒場に来たときのことを思い出した]
わかった。
[コレで全部…です。
そういうと、パンを千切って口に放り込み]
…もし、その”一人”…というのが、酒場に残った内の誰か、なら…
もうすぐ、作戦が開始される、って事ですね…
でも、逃げ出すのは…
流石に、見張りが多いですし…見たところ、抜け道…みたいな所も、有りませんでしたし…
[弱りましたね…小さく息を吐く]
[ウェンもニーナの感想に頷いた]
うん。
私も出入り口のに歩いていこうとすると、さすがに制止されたよ。
多分、私が見回ったよりもっと広いんだと思う。
なんか、街を模したようなところもあったし……
時間は残されていないのに、逃げられもしない……
[眉間にしわをよせて、ペーパーナイフを睨む]
もしその”一人”が残留組の誰かなら……
やがてはここに連れてこられるんだよね。
そのとき接触できないかなぁ、無理か……。
選ばれなかった2人はどうなるのかな……。
[長い長い沈黙を破り、立ち上がる]
では、赴くとしましょう。
彼らを見極めるため、私の必要とする刃を手にいれるために。
[内務用の軍服を脱ぎ、戦場での衣装を纏う。薄く必要最小限の強度と大きさしかない革の胸甲、刃をそらすための強度しかない薄い手甲、ところどころを鋼で強化した重く無骨なブーツ。作りは良い、だが一軍の将が纏うとは思えない簡素な装束]
しばらく任せますよ。
[部屋の外に控えていた配下にそう告げると、軍営を後にする]
その力、私の手で見極めましょう。
期待はずれならば、その場で死んでもらってもかまいませんしね…
ふふふふふ、壊れても一向に構いませんよ…
まあもう少しは、もってほしいですけどね…使い道があるかもしれませんし…
…もっと、広い…
街を模したような…?
…演習場所も兼ねているのでしょうか…
[逃げられない…しかし、そのまま待っていて良いモノなのだろうか…?
少なくとも、自分たちが選ばれなかったという事は、良い扱いを受けるはずもない…]
…恐らく…
ココに連れてこられる、でしょうね…
試験…又は…作戦、に…組み込まなければ、いけませんから…
[床に刺さったペーパーナイフをぼんやりと見つつ]
…有る意味、選ばれなかった二人は…
全力で、逃げれば…なんとか、なるんじゃ…無いですかね…?
いくら、兵士が要るからと言って…表沙汰にしたくないので有れば、あまり、兵士を使うわけには…
[…本当はどうか分からない。
だが。そうであると良いな、という希望も含めての言葉だった]
ふー……。
[イメージトレーニングは想像以上に精神にくる。
想像力を働かせ、実物以上のものを想定するため、微細な緊迫感を常に心身に与え続けられるが、同時に長時間の練習には向かない。今回のような、室内鍛錬のような際に使えるものだろう。
ナサニエルはトレーニングで凝り固まった筋肉を解すと、念のために戦闘服になっている黒一色の副賞に身を包みこんでから、酒場へと下りていった]
[殺気も、何の気負いも無く、自然な足取りで宿に姿を現す]
ごきげんよう、皆さん。
とりあえずおそろいのようですね。
[そのまま奥に歩を進める]
――――……。
[宿へ姿を現したメイフォリアへと僅かに頭を下げつつ
一言も発することも無く、自然視線が動く。
ただ、この後王女が言わんとしている事を
黙って聞くに徹するようだ。]
多分ね。
[演習場所かというニーナの言葉に、肯定の意で頷いた。]
しっかし、大胆だよね、いくら演習場でとはいえ、王都の近くでこんな大軍営展開するなんてね。
[そういって、肩をすくめた]
……来るとしたら、誰かな。
[ナサニエルじゃなければ良い、そう思った。――いや、願った]
そんな、簡単に逃がすかなぁ、あのお姫様が。
お姫様だってこっちがうすうすたくらみを感づいてるくらいは、察してるんじゃないのかな。
[三人の顔を見回す]
さて、まずは皆さんに謝罪をしておきましょう。
私は武闘会と称して皆さんを集めました。
条件として勝敗や報酬をあげましたが、本質的には私にとってどうでも良いことだったのです。
今回の目的は、私の望みにかなう腕を持つものを選び出すこと。
故に勝敗とは関係なく、その可能性が高いあなた方のみにこちらに残っていただきました。
勝利したのにもかかわらず、私の目にかなわなかった方もいますが、そちらに関しても報酬をお渡しします。
言うまでも無く、こちらに今残っているあなた方にも。
[言葉を止め、少し間をおく]
まあ、本当のところは死んでもらうのですがね、隔離した三人は間違いなく…
とはいえ、こちらの三人には後々の利用方法があるかもしれません。
今の段階で、死んでもらうことが確定しているわけではないのですよ。
殺しちゃって問題ないんだけどね。
いや、殺しちゃうか?
……目的は、判っている。
初日からな。
[今更な事を。と小さく息を吐いて。
伏せていた瞼をす、と薄く開く。]
―――メイフォリア王女。
そろそろお聞かせ願いたい。
[薄く開いた視線を、まっすぐに其方へと向けて]
貴女の権力・地位、将軍としての力を持ってしても
……得ることの叶わない『望み』とは何だ。
[目をスッと細め、感情のない目で三人の顔を見つめる]
では本題です。
皆さんには、この後私と立ち会っていただきます。
皆さんの戦いは見せていただきましたが、私は慎重なのです。
私自らの手で、皆さんの力を最終確認します。
[無意識なのか、酷薄な笑みを浮かべる]
言うまでもありませんが、手加減は無用です。
殺すつもりで来て下さい。
もし仮に、私が死んでも罪に問われることはありませんし、報酬も皆さんに渡る手筈は整えてあります。
逆に、手を抜けばあなた達が死ぬことになるかもしれません。
憶えておいてください。
[ハーヴェイの方に向き直る]
ふふふ、そうですね。
皆さんにはお話しても良いでしょう。
私の現在の立場は、王族や一部貴族、豪商といった連中の犬です。
彼らの欲望のために、戦に赴き、勝利をもって彼らをさらに肥太らせる…
しかし、この国はもはや疲弊しきっています。
長く続けられる戦争に、もはや限界ギリギリのところまで来ています。
皆さんもご存知でしょう?過日の暴動騒ぎ、あれはそういった上辺だけの矛盾が噴出したものです。
私は、この国を救いたい。
このまま放置すれば数十万の民衆が命を失います。
私が動けば、それをわずかなりとも減らせるかもしれません。
10万と1人が死ぬ状況で、私が自ら10万を殺せば残り1人が助かるのなら、私はためらい無く10万を殺します。
私は、兵数で数倍はあろうかと思われる、他の軍を抑えねばなりません。
私の代わりとなれる、研ぎ澄まされた刃がほしい。
そういうことです。
本当はもうどうでもいいのですけどね…
ほうっておいても、私の復讐はある程度は成し遂げられる。
でも、それでは足りない…
すべてを壊すには、大きな力が必要なのです。
全てに復讐するために…
…よく、分かりませんが…
[何を考えているのか、何が流行なのか…よく分からない、と軽く首を振る]
誰でしょうね…可能性としては…試合で勝っていた…
方が、有利でしょうけど…
…気付いてます…かね…?
もし、そうだとするなら…待つしか、ない…?
[弱ったように視線を落とし…パンを口へと放り込む]
反乱―――…クーデターか。
[告げられる内容に、ふぅ、と息を吐く。
絶大な権力と力を持ってしても容易に果たせない『望み』。
……ただ事では無い、とは思っていたが。]
――― 一つ、聞こう。
…その計画に手を貸したとして。
国民はともかく―――他国との戦争は終わるのか。
[僅かに伏せられた表情からは
その問いの真意を解く事は難しいかもしれない]
随分と馬鹿げたゲームだな。
[酒場に下りず、階段に腰をおろした体勢のまま、頭をガシガシと掻きつつ、ラッセルとの戦いの最中で見せた、殺し屋としての顔を僅かに覗かせる]
クーデター?
馬鹿馬鹿しい。
……まぁ、なんにせよ……。
[ウェンもパンをちぎり、口へ放り込みながら]
仮に私たちが口封じに始末されるとして、それは大きく見ると、いろんなことの序章に過ぎない気がするね。
……っていうか、わざわざ無名の人間集めて何か企むあたり、”一人”になった人も、最終的には命の保障、なさげとか思っちゃったり……。特にお姫様の考えてることが、私の予想通りならば。
例えば、……を起こしたとして、首謀者はその人ってことにさせちゃったりとかね?
[そして、いやなこと考えたと言いたげに、頭を横に振り]
……まぁ、私で気づくくらいだからさ。
……クーデター…ですか…
[メイの声に気を飲まれれば]
……私は…元々士官を希望するもの…故に
時には、命によってはその手を汚す必要があることは
…理では割りきるつもりです。
ですが……
[...はそこで1度言葉をくぎれば]
無謀な作戦に盲目に従事する気は有りません。
そのクーデターの成功がどのくらい見込めるものなのか、
効果があるものなのかが知りたいです…
戦争が即座終わる。
それはありえません。
仮にこちらが引いたとしても、もはや引くに引けない国、メンツなどといったくだらないものに固執する国…そういった国と戦端を開いてしまっているのですから。
しかし…
[ナサニエルをちらりと見る]
そうですね、どう言い繕おうと私が権力を握りたいだけなのは違いありません。
…これから起こす事と比べれば、これぐらいはまだまだ小さい、ですか…
[はぁ、と小さく息を吐く]
…あの人が、何処まで本気で言ってるのか…
怪しい部分は、確かに有りますね…
最初から、嵌めるつもりで居るのなら…食事代ぐらい、安いモノでしょうし、ね…
[首を横に振るウェンディ。
その後、続けられた言葉には小さく息をついた]
…後手後手に回ってしまいますね…どうしても…
クーデターの重要性って、クーデターが成功するかどうかじゃなくて、成功した後どうするか、どうなるか、だよね。
他国との侵略戦争に疲弊してる国が、ここで内乱起こしたら、いいカモじゃないかと思ったり……。メイ姫たんがそこまでわからないキャラとは思わないけど。
よほど短期決戦でクーデターを終結させる見込みと、そのあとの統治も上手くできるって自信があるってことなのかな。
一つ聞くが、クーデターが成功したとしよう。
その後の他国との政治的、軍事的なやり取りについてはどう見ている?
一般市民からしたら、今の生活を維持できるなら、誰が権力を握ろうが大して差はないだろう。
俺もお前が権力を握ろうが、大して興味はない。気に入らないがな。
だが、その先に見据えた未来図が大した事がなければ、賛同自体得られないだろう。
その点は、どうなんだ?
[シャーロットに目を向ける]
貴族たるシャーロット殿に、貴族を追い落とす話を持ちかけるのは、気が引けるのですがね…
もちろん、全ての貴族を…というのではないにしても…
成功率に関しては、9割以上と見ています。
不確定要素があるので、断言は出来ませんが…
近々、離宮に王族および一部貴族が集います、私を除いたね。
その警護の担当は私の第二軍、そこを襲撃。
同時に混乱する第一、第三、大四軍を私の第二軍で殲滅します。
[淡々とプランを語る]
これは、私の復讐なのですよ…
[小さく、本当に小さく呟く]
だから、駒って言ったの、私。
権力を手に入れられるなら、手段も資金も、人の命も惜しまないってことだろうね。まぁ、ホントに……を企てるなら、それくらいはしないとだめだろうけど。
[後手後手だと言うニーナに、そうだねぇ、と苦笑し]
とりあえずもう少し情報収集して、お姫様がどう出るか、あらゆる悪い可能性とその対処法を考えておく、かな。
……ても、何も思いつかないけど……。
でも、それにしても……
[ウェンは、難しい顔をしてぶつぶつ呟く]
あの人が掌握しているのは、第2軍のみ。国には他にも軍があるから……他の軍の将軍とも手を組んでる?
確かにこの国は度重なる戦争で疲弊してるけど、そんなときに内乱なんて……ひそかに他国と密約を交わした…?
…はぁ…
最初から最後まで、迷惑のオンパレード、ですね…
[最初から、試合に勝っても選ぶつもりが無いなら、呼ばなければいいのに。
そう、つい、愚痴がこぼれ…]
…どう、でしょうね…
少なくとも、姫将軍や…アーヴァイン、の、扱う武器…は、分かると良いのですが…
下級兵士に、分かるわけ…!
[ぴく、と、身体を震わせると、口元に人差し指を立て]
しっ!
…ここからは、こういう会話は控えて下さいね…
[どうやら、足音を聞きつけたらしく…しばらくすれば、見張りを起こす兵士の声が*聞こえてくるだろう*]
[ウェンは、一応兵士の端くれとしての知識を総動員している]
今、この時期に内乱を起こすメリットは?? ……勝算は?
誰を生かして誰を捨てるんだろう……
[そしてふと、クーデターはあくまでも可能性が大きいというだけであって、確定情報ではないということを思い出す]
だめだなぁ。
私、すっかり姫が……する気になってるよ。
[そして、ニーナとラッセルに、他になにか考えられることない?という眼をむけた]
[ナサニエルの言葉に薄く笑みを浮かべる]
はっ、今のこの国の状況を見て聞いているのですか?
周りは全て敵、あるいは表面上はともかく潜在的には…
そんな状況下で、この国は限界点に差し掛かっています。
限界に達すれば、破綻し、この国は焦土となるでしょう。
いずれにせよ、これ以上悪くなることなどないのですよ。
それに、私が思いつきだけでこの謀をなそうとしていると?
そんな短慮が出来るなら、どれほど楽だったでしょうね…
賛同を得られなければ、私は死んで、この国は灰燼に帰す。
それはそれでいいのかもしれませんがね…
ふふふふふ、はははははは…
[突如笑い始めるが、それもまた唐突に収まる]
失礼しました。
[眼をむけると、そこには耳を澄ませ、静かにとジェスチャーするニーナの姿。
ウェンは無言で頷き]
……ウェン、なんだか眠くなっちゃった。
たくさん歩いて疲れちゃったのかな。
もう寝るねー。おやすみなさい!
[童女の口調でテントの外に聴こえるようにそう言って、床の上の小物を手早くしまうと、簡易ベッドの上にころんと*寝転がった*]
……成功率に関しては了解しました…
貴族云々も、現状の腐敗を考えればいた仕方ないことかと…
[...の中で、理屈は合致する。勿論合致するように余計なものを削ぎおとし、
誇張表現も入れてはいるのだろが…]
[一瞬だけ垣間見せた狂気に、ナサニエルの背筋が刹那の時間だけ凍ったのを自覚した。
再度、その部分について何か言おうとしたが、あえて口を閉ざした。
あくまで彼の目的は、家族の敵討ちであり、その情報さえ手に入れば、メイが何を企もうとも、元来興味はない]
ま、別にいいさ。
俺が興味あるのは、俺がほしい情報を軍が持っているか? そして、それを手に入れるために、何をすればいいのか? だ。
[そこで一旦言葉を区切り――]
立ち会うと言ったが、ルールは何かあるのか?
1対1?
3対1?
それとも特殊ルールでも?
私が動いても、何も変わらないのかもしれない、でも…
どうでもいいよもう…
皆しんじゃえ…
父さんと母さんを殺した、こんな国なんかイラナイ
こんな世界なんてイラナイ
――――俺は、もともと他の国の出だからな。
正直、この国の行く末に興味は無い。
[残念ながら、な。
ふいと視線をメイフォリアから逸らせば、
吐き捨てるように呟いて。]
他国との戦況が、これ以上悪化しないと断言出来るなら
この国を誰が統べろうと、構わない。
私との立会いですが、まずはハーヴェイさんとシャーロット殿、二人をまとめてお相手します。
明日、ナサニエルさんとは立ち会うとします。
場所はご自由に。
私からは指定しません。
[>>26「まずはハーヴェイさんとシャーロット殿、二人をまとめてお相手します。
」に
相変らずいやな汗は流れて、槍を構えれば]
……2VS1です…か
[メイの強さは話しには聞くが、それでもハーヴェイの強さも知っている分
躊躇する気持はあって]
[ふと、何かを思いついたような表情をする]
そうでした。
私は、一端とはいえ皆さんの腕前、拝見しています。
しかしながら、私の方は見せておりません。
これは不公平な感じがしますね。
少しだけ、忠告代わりを差し上げましょう。
[目を細め、全員の顔を見回す]
私の一足の間合いは、9間ほどあります。
よく憶えておいてください。
それともう一つ。
[おもむろにカウンターに近づくと、手首のスナップのみでカウンターを撃つ。轟音とともに粉砕されるカウンター]
「熊手打ち」と言う名前の奥許しの一つです。
不用意な接近戦は命に関わります、憶えておいてください。
[三人のほうを振り返る]
後は秘密にしておきましょう。
相手を読み取る力、そういったものも確認したいものの一つですからね…
[酷薄に微笑む]
―――…そう来たか。
[小さく息を吐けば、パチリ、と
足に止められたベルトの留め具を外す。
収められていた三節の棍が
じゃらりと音を立てて手の中へと収まって。]
………………さすが…のお手前ですね…
[メイの見せる力は、あきらかに自分の遥か上で。
その威力に息を1つのみ1度目を閉じる。
槍を両手で構え、目を開けメイを見据えると、すっとハーヴェイの前に立つ]
[破壊されたカウンターを見て、ナサニエルは思う。
技は空かしを基本とした東洋武術の一つか? だが知り合いの東洋人マンジローは剣術家だったので、具体的な武術についてはわからない。
ただ、一つだけわかることは――]
三人揃っても、メイには勝てないかもしれない、か。
[だが、計画まで打ち明けたのであれば、恐らく最終段階で、大会出場者の命までも要求する可能性を考えていなければならない。
だからこそ、ナサニエルは『見る』。
その一挙手一投足までも――]
[前へと立つシャーロットの言葉に。
メイフォリアへと向けていた視線を
僅かに其方へと移す。]
……俺自身は特に場所は選ばないが…
敢えて言うなら…『障害物の多い場所』、だろうな。
―――あの間合いに入るには、
相手の反応速度を上回る速度で間合いを詰めるか
相手の攻撃を放ち難くするしか無いだろう。
間合いを詰める時は一撃必殺で、二の太刀は考えてはいかんだろうのぅ
[ハーヴェイの発言に、クッと笑みを零せば。]
障害物の多い場所……ここの酒場の裏路地、自然物ならば森。いっそ屋内と言うのも有りかものぅ…そも場が狭いので機動力は封じられよう
……一発で仕留め損ねたら、確実に負けるな。
[くつりと、笑みを零して。
シャーロットの言葉に耳を傾けつつ
視線をメイフォリアへと戻す。]
…森よりは――屋内か裏路地の方が好ましいだろう。
高低差を使えた方が、まだ勝機が見える。
……屋内で仕掛けるか。
[ハーヴェイの言葉にコクリと頷けば]
屋内のぅ…半分スラムと化した高層住宅街。
この町を取り囲む城壁…そのあたりが入り組んで、障害物も多いと思うが…
[僅かに思考を巡らせば、
す、と僅かに目を細め]
―――高層住宅街。
あそこなら、間合いの関係からしてもうってつけだろう。
高低差に関しても問題無い。
それに半分とは言え、スラムと化しているなら
…多少壊しても、目立たないだろうしな。
[くつ、と喉の奥を鳴らせば、
メイフォリアへと向けた視線をすぅ、と細め]
……決まりだの……そこならば少しは分が有ればよいが…
[ハーヴェイの言葉には肩を竦め]
余りこわすでないぞ?
暮しが厳しい人達の大切な住居なのだぞ?
[と、苦笑すれば、メイの方を向き…]
場所決定致しました。
[と、告げる]
―――さぁ。
……これでも五分五分になれば
良い方なんじゃないか?
[シャーロットの言葉に
肩を竦めながら、くつりと笑う。]
…善処しよう。
破壊魔な訳でも無し、無駄に踏み壊すのは
俺の好まない所だからな。
[ぽつりと呟けば、踵を返し
宿の戸を軋ませて]
[メイの言葉に頷けば、二人を案内するように先だって歩く]
[幾つかの大路地と、さらに多くの細い路地を入っていけば、
そこは、清潔とは言い難い臭いにつつまれた空間。
屋内に続く入り口は、暗く途中奇妙に曲がり先が見とおせない]
―酒場→スラム化した高層住宅街―
[スラム街の奥へと歩を進める]
ここが、お二人が選んだ場所ですね。
いいでしょう。
問題はありません。
[足場を確かめるように、足を踏みしめる]
―高層住宅街 1F―
[暗く曲りくねった道を抜け、
高層住宅の屋内へと入っていく。]
……よく、こんな所が…。
[有ったものだな、と口の中で転がして。
シャーロットが床を叩けば、そちらへと視線を向け]
[柄でついたあたりで止まれば…そこは、建造物と、建造物の境目で
極細い隙間が…途中突き出す窓の数々に空間を削られはしているが…
空へ向ってのびている。]
形式は1VS2…開始、及び行動は三者同時…ですか?
[そう言って、くるりと槍を構えつつ振り向けば。]
[二人の様子を見つめる]
準備は良いようですね。
二人そろってきてかまいません。
では、はじめましょう。
[両手を胸の高さに挙げ、手首をだらりとたらす、独特の構え]
[合図と共に、右手に握っていた棍の節を
ガキリ、と回して一つの棍棒へと変形させる。
ジリ、と。距離を計りつつ僅かに間合いを詰めて。
―――す、と。左内袖へと手を伸ばせば、
微かにパチリと留め具の外れる音]
……一気に、攻めさせてもらうぞ。
[ヒュ、と空気を裂く音と共に、
振り下ろした左腕からナイフがメイへと向かう。]
[ハーヴェイが動くのと同時に...は1度槍を大きく振えば。
狭い空間に突き出た2階の窓枠にあたり
窓枠は音を立てて崩壊し、その破片がシャーロットの姿を隠す]
[二人の動きを視界に入れる。ハーヴェイの投げたナイフをかがみこむようにして回避]
疾!
[その体勢で作った溜めを利用し、シャーロットの居たであろう位置にむけて大きく踏み込む]
[シャーロットの方へと詰め寄った為に、
メイフォリアとの間合いは必然的に近くなる]
―――…、!
[タ、と勢い良く地を蹴り。
敢えて自らも窓枠の瓦礫へと右サイドから詰め寄れば
踏み込んできたメイフォリアへと突きの一閃]
[一気に間合いを詰めるメイ。
そして後方にいたハーヴェイが自分の右手側から
メイにアタックをかけるのに...は気づけば、降り注ぐ破片の中
ハーヴェイからメイを基軸に140度。身体を低くしながら左へまわり
下段、足狙いで右から左へと弧を描くように槍を凪ぐ]
[棍を突きこむハーヴェイを視認]
(乗ってきましたね)
[先端を左の掌打で下に叩き落す。同時に左手を軸にするように踏み込みながら半回転、ハーヴェイに向けて靠による打撃を放とうとする]
くっ
[がシャーロットの横薙ぎの一撃。やむなくブーツの鋼部分で槍を蹴り返す]
[二人の武器が床に当たる、切り返しの刹那をつき二人を正面に捕らえる位置に移動]
ふふふ、やはり長柄は厄介ですね。
[どこかうれしそうに微笑む]
おーえー。×2行動制約っすか。
リーチあり、パワーあり、スピードあり。
無茶だ、どの攻撃も間違いなく交わされる。(吐血)
[掌打で下に叩き落されれば、
即座にカキン、と硬い音を立てて節を回す。
分離された右の棍を構えて打撃に備えるも
シャーロットの横薙ぎに寄って阻止されれば、
掌を回転させるように右節を正手に持ち替えつつ
後ろへと僅かに跳躍して、相手から距離を取る]
[槍を勢いよく蹴りつけられ、
”グン”と反動で持ち手側が跳ねあがる感覚にあることを思いつき。
勢いを殺さず、穂先を地面に打ち付けながら跳ねる...の口からは短い詠唱]
Hora fugit.
[...の足元から一陣の風。]
[自分の脚力だけでは足りない飛力を補って、
先ほど怖した窓枠の向いにある窓枠へ飛び移る。]
[着地の衝撃で軋む窓枠に、即刻崩壊することも察知しながら。]
[飛び上がったシャーロットを目で追う。ハーヴェイとの距離は十分]
疾!
[シャーロットの下の壁面に纏絲勁をのせた強烈な掌打。蹴る間をあたえず、窓枠を粉砕する]
全然技名が判らない拳法無知バトルPL。
靠が、調べるまで読めなければ意味も判らなかった件。
……そして纏絲勁ってどんな技だ?
[シャーロットへ視線が移るのを見やれば
素早く右内袖の中に隠された留め金を外す。
刹那壁面へと攻撃が向けられるが
―――…元より、庇うつもりは無い。
ぱし、と右掌へナイフを滑らせれば
メイフォリアの真上に位置する天井へ目掛けて
素早く振り上げる。
天井へと廻り渡る、太く古い水道管を破り
汚濁した多量の水が、破った穴を広げ]
[シャーロットの体勢が崩れているのを確認。刹那、ハーヴェイの放ったナイフで降り注ぐ大量の汚水。
ズダン!!
破砕音を伴う震脚とともに、横っ飛びにハーヴェイとの間合いを詰める。その勢いのまま、再度震脚。もぐりこむようにハーヴェイに肘を打ち込む]
[足元が瓦解すると気づくと、槍を壁に打ち込み
落下加速からの逆上がりで足が上がりきった所で身体を捻れば、
トン…と2階屋内へ。
メイがハーヴェイへ向うのを見やれば、その隙に両手は槍を引っこ抜く]
[ナイフを振り上げた勢いと共に型を構えれば、
破裂音と共にメイフォリアが近づくのを視界に入れ
即座に踏み込まれる前に棍を交差させガードを試みる。
棍によって、直接打ち込まれる事は避けたものの、
勢いを殺しきれずに、後ろの瓦礫直前まで滑り込んで]
―――…っ、の…!
[勢いが止まれば、僅かに右へと踏み込みつつ
腹部側面を狙って左足を蹴り上げる]
[階下ではじまったハーヴェイとメイ近接戦に
...は、メイの足元を見やりながら呪文の詠唱をはじめる]
Fortes fortuna juvat.....
[踏み込んだハーヴェイの右足に、自らの左ひざをあわせ、半歩分踏み込みを殺す]
疾!
[わずかに勢いを殺された蹴りに右の掌をあわせると、重心を数センチ落とす。わずかな運動で生み出した勁で、蹴り足をはじく]
[メイの軸足がそこかしこに出来た水溜まりのうち1つに
そこへ向けて呪文を開放する。]
範囲:水溜り 氷結
[それは、メイの足も巻き込んで凍る
とは言ってもメイの足が凍るわけではなく凍るのはあくまで水だけが凍るだけ
きっとそれは一瞬の足かせにしかならないだろう。
けれど、一瞬の出来事かもしれないが、まったく支障がでないわけにもいかないだろう
[ガードした棍から手が離れれば、
弾かれた勢いを利用して、
距離を置く為に後ろへと飛びずさる。
シャーロットの作った一瞬の隙を突いて
すぐ後ろへ位置する瓦礫の壁へと寄れば
そこから突き出たパイプへと飛び掴み
くるりと回転して、壁の上へと。]
[凍りついた床から足を引き抜く]
逃げていては、勝負がつきませんよ。
さあ、私を殺しに来なさい。
[無邪気な笑みを浮かべ、二人に語りかける]
書生 ハーヴェイが「時間を進める」を選択しました
殺しにいくつもりが殺されるわけにもいきませんのでね
『…言葉に煽られてはいけない…あきらかに相手が上手なのだから』
[メイの言葉に今一度槍をきっと構えなおす
…現状の距離では、1F着地地点を狙われ攻撃されかねない
そうなればろくにガードも出来な体制になってしまうだろう]
―――全くだ。
これでもまだ、死ぬつもりは更々無いんでね。
[ジャラ、と短い鎖を鳴らしながら、
瓦礫の壁の上で、僅かに息を吐く。
カチ、と再び棍を組み立てれば
ちらりとシャーロットへと視線を向け―――]
[ダン、と低い音と共に踏み出す。
壁のすぐ下に位置するメイフォリアの頭上を
半宙前転で飛び越えれば、
着地の勢いのまま一歩踏み出し間合いを詰め]
低姿勢の下から、横薙ぎの一閃]
ふふ、とは言え立地的には私が不利ですね。
降りてきてもらいましょうか。
[懐から数枚の硬貨をつかみ出し、それを指で弾く-指弾- 硬貨はシャーロットをかすめ、そばの壁に食い込む]
[ハーヴェイの視線に気づけば、こちらもコクリと頷き]
[掠める硬貨は...の髪を切り裂きいくらか宙にまわせ。
けれど、動揺することなく。]
Hora fugit.
[ハーヴェイの飛翔起動で姿が隠れる位置を見定め、
先ほど同様脚力に呪文による風力をプラスし槍をかまえ飛翔する]
投票を委任します。
村長の娘 シャーロットは、学生 メイ に投票を委任しました。
考えてみたら、半宙前転は地方呼びだったかもしれない。
うわ、ゴメン。
えーと…前宙に180度の捻りを加えて、着地する業。
あれ、正式名称何ていうんだろ。
[二人が同時に動くのを感じ取る]
それでいい。
良い思い切りです。
[ハーヴェイの横薙ぎの棍に対し、裂帛の気合とともに繰り出される掌打]
疾!!!
[掌打とぶつかり砕ける棍。同時に、上からつきこまれるシャーロットの槍の軌道を纏絲を使ってそらす]
フンハッ!!
[同時に震脚。槍をそらした腕でそのまま虚空にあるシャーロットにカウンターの肘]
…………!!
[槍の穂先を空中で上へ逸らされれば、
重心がずれバランスが傾ぐ…
ところへ、メイの肘が胴にまともにヒットする。]
[ヒットした衝撃で、床にたまる汚水へと
受身もろくに取ることが出来ないまま投げ出される。]
〜〜〜……っ!!…くっ…
[胴に入った衝撃は内蔵にまで達し、
喉の奥を酸性部室が駆け上がり...は嘔吐する。]
――――ッ…
[己の武器を再起不能までに破壊されれば
これ以上、闘えないだろう事は明らかだった。
微かに舌打ちすれば、す…と距離を相手から離しつつ
手元に残る半分の棍をカチン、と分離させて]
……確かに、戦闘能力は見事に奪われたんですが…。
…武器壊されたら、俺以降のバトル出来、な…。
……。
…。
…どうしよう。
(流石に、簡単に手に入る武器でも無いのでおろり。)
[武器を失い距離をとるハーヴェイ、汚水につかり悶絶するシャーロットをじっと見つめる]
ここまでにしておきましょう。
お疲れ様でした。
シャーロット殿、勁の乗った肘がカウンターで入っています。
大事は無いと思いますが、あとで医務官を向かわせます。
治療を受けてください。
ハーヴェイさん、三節棍の修理は宿につけていただいてかまいません。
見極めについては、明日ナサニエルさんを試してから結論を出します。
[呼吸も乱さず、淡々と告げる]
自力で宿まで戻れますね?
では私は先に失礼します。
[呼吸も乱さず、淡々と告げると足早に立ち去っていった]
うーん…数日で直るもんでもないしなぁ…。
しかも組立式三節棍って…普通の連結三節棍と違って
仕組み的に、真鋳に金属使われてるんだよ、ね…。
………砕…。(今だ呆然)
[スラムを1人で歩きながら、考えに没頭する]
手合わせしてみると良くわかりますね…
確かにシャーロット殿は、技量においてやや劣る。
しかしながら、当日あの場所にいるであろう護衛程度なら十分なだけの技量ではある…
ハーヴェイさんは、やはり殺傷能力において不利は否めませんね。
もっとも、素人に毛が生えた程度の連中を殺すには充分過ぎる殺傷能力ではあると思いますが…
[1人呟きながら、いずこともなく*姿を消した*]
―――…そう簡単に…
直るものでもないんだがな。
[削られて剥き出しになった真鋳を眺めつつ
どうするか、と深く感嘆の息を吐いて。
一先ず足のベルトへと収めれば
水に浸った2本のナイフを拾いに、
汚濁した水溜りへと、一歩を*踏み出した*]
二人とも、条件としては必要十分と…
ふふふ、一瞬殺したかと思ってしまいましたよ、シャーロット殿…
まあ死んでしまうようであれば、その程度の役立たず、そう思って頂肘を当てたのですけどね…
腕がたつのは良い。
でもたち過ぎれば、後の処分で困りかねないですし、このぐらいがちょうどいいのかもしれませんね…
くくくくく、ははははははは…
……もっそい、テンション激減しちったよ…。
確かに、勝負決めろとは言ったけど…。
確定ロールで武器破壊はかなり凹んだ…orz
[ウェンは眼を覚まし、見慣れない天井に一瞬ここがどこかわからなかったが、数瞬間後に、メイフォリアの軍営内テントであることを思いだした。
すでに起きていたらしいニーナと目が合い、微笑む。ラッセルはまだぐっすり寝ているようだ。頭に巻かれた包帯が痛々しいが、本人の体力はかなり回復しているようだったので、ひとまず安心というところか。]
(……人質にとったこと、ケリがついたら思いっきり仕返ししてやるんだから)
……おなかすいたから、食堂いってくるよ。
うだうだしてても埒が明かないし、お姫様とアーヴァインについて、なにかわからないか……
[そういいながら身支度を整えると、テントを出た。見張りの兵士に、無邪気な子供の笑顔を見せ『おにーさん、おはよう』と挨拶した。
どこに行くのか訊かれ、食堂に行くと答えると、行き先とウェンの見た目にすっかり油断したのか、今日はどうやらついては*来ないようだ*]
[戦闘が終わり、去っていくメイを見つめながら、ナサニエルは溜息をついた。
初日にメイの強力な気に当てられて、おおよその力量を予測していたとはいえ、ここまで圧倒的な差を見せ付けるとは思っていなかった。
もちろん、そこに自分が加われば、勝算はぐんと跳ね上がるのだろうが、少なくとも現状で一対一では勝ち目はないだろう。
だが、情報のためには勝たなければならない。
いや、今の戦闘を見る限りそうとは言い切れないが、それでも無理は必死だろう]
あまり、慣れてないんだがな。やるしかなさそうだ。
[グリップに隔されて収納されていた鎖を伸ばしながら呟き、ナサニエルはシャーロットやハーヴェイの応急手当のために、見学のために登っていた*木から飛び降りた*]
……ハッ!?
[上半身だけ起こして、そこがテントの中だと知る]
夢……?
[自分で自分の肩を抱いて、ラッセルは震えた。
よくは思い出せない]
[ただそれが恐ろしい夢だったことと、それに出てきた悪魔のことは覚えている。
悪魔は金色の髪をした、小さな女の子の姿をしていた。
見た目はとっても愛らしいのに…
夢の中で自分は、その子に何か色々されてた。
悪魔は額から角を生やしたミノタウルスのような形相で、不思議な呪文を唱えつつラッセルを苛むのだ]
[――正夢の予感はともかく。
...は、昨日のことを思い出す]
そう確か昨日は…、
…ニーナさんがぼくを、「ラッセルお兄さん」って言ってくれた。
[何かちょっと嬉しかった]
あと…、パンくれた。
[美味しかった]
粉を吹き飛ばしたかと思ったら。
[それが入り口まで飛んでいって、いきなり見張りの兵士が眠ったのだ]
…ニーナさんてばスゴイ。
スゴイ肺活量!
……やややや。
[いや、駄目だ。
もっと有意義なことを思い出さねば]
でもあんなこと…、思い出したくない。
[...は少し悲しげな顔になる。
ウェンディやニーナは各々、得た情報を提供してくれた。
床に描かれた軍営内の地図。
ウェンディの眼も真剣そのもので――]
ああ…!
[...は頭痛を抱えて頭を押さえて嘆いた。
彼女の眼は言っていた。
『一度で覚えてね』]
思い出したくない…!
[と言うか思い出せない]
と、とにかく思い出せることから…。
えーと…。
[ニーナの声が蘇る。
『まだ、その”一人”を決めていないらしいのですが、もう少し…
一日か、二日…で、決めてしまうそうです…
それで、”試験”をして、合格をすると。
作戦を開始する、だそうです…』]
[うまく思い出せた。
ついでに他になにか考えられることないと問われた時、自分が兵士との雑談の中で仕入れた情報、
――かつてうすのろと呼ばれ、肉団子のミッキーの通り名を得て、最終的にごくつぶしと呼ばれた男がいた。
毎日ひたすら食堂で肉団子を頼み続けて自らの体をも肉団子とし、上官に向かって倒れ掛かるだけで訓練における試合に勝利したが、そのまま起き上がる際にも人の手を借りる必要がある事が判明。
ついでに身に合う鎧もとうとう無くなって、放っぽり出されたとかいう、兵士への自己管理を促す訓戒の意味を込めた笑い話――
それを話そうとしていたことも、思い出した。
…いや、そんなのどうでもいいか]
ううん……?
[ただ、ニーナが聞いたとか言う話を思い出す事ができても、それが意味することまではまだよくはわ分からない]
一日か二日で”試験”をして…、合格者を一人決めてしまう。
そしたら、作戦を開始する……。
[少なくともあまり、良い予感はしない。
何しろ武闘会での勝者であるはずのウェンディやニーナへの扱いが、たくさんの兵士たちに囲まれた中でのこの軟禁なのだ]
今頃何してるだろうメイフォリア様…は。
[つい癖で、敬称を付けて呼んでしまう]
ハーヴェイさん、ナサニエルさんに、シャーロットさん達のことを、どうするつもりなのか…。
それに、ぼく達も。
[残念ながら闘うところは目に出来なかったが、ここに来てからの技の数々を見る限りでは、かなりの使い手のニーナ。
そして弓と神秘の力で以て不利な体つきをものともせず、美しき槍の使い手に勝ったウェンディ。
あの二人をこうも警戒させる、この軍営という場所]
これからどうなるんだろ…。
――ン?
[不意にテントの入り口が開き、中へ兵士が入って来た。
昨日のうちにめげずに話し掛けまくっているうちに少しくらいは仲良くなれ(と、少なくともラッセルの方は思っている)、最終的に肉団子ミッキーの話を引き出せた――、それは良い。
とにかく、ほんのちょっとくらいは気安く話せるようになった男だ]
どうしたの?
そ、そうなんだ……。
[事情を聞いたラッセルは、そっと目を逸らす。
どうやら昨日ニーナによって眠らされた見張りは、彼であったらしい。
上官の説教から逃げ回っているとのことだった]
……いいんだよ。
好きなだけここに居てね。
ぼくは誰にも、告げ口したりしないし…。
[罪悪感がラッセルにそう言わさしめた]
[だが兵士はそれを、純粋なるラッセルの完全なる優しさと思ってくれたようだ。
感じ入ったらしい見張りの兵士としての表情の奥から、一人の人間としての男の顔が覗く。
そして思わず小さく零してしまったらしい呟きを、ラッセルは聞き逃さなかった。
『…かわいそうにな。
こいつらなんてただの、子供と女の子と馬鹿にしか見えないってのに。
皆殺しにするとかいう噂がもし本当なら、そこまでする必要が本当にあるのかどうか…』]
……え?
[白い顔でラッセルが男を見つめる視線に気付いて、己の独り言のまずさに慌てたらしい。
いそいそとテントから出て行った兵士は、それ以上は何も言ってはくれなかった]
みなごろし……ぼく達を?
[――本当に?
あまりの衝撃に言葉を失う。
兵士の口から漏れ聞こえたと思ったその言葉だが、自分の耳が正しく機能してのことなのか、そもそも兵士のその認識が正しいのかどうかも分からない]
あんまりシッカリした兵士さんじゃ無さそうだし、
何かの勘違いとか…。
…突飛なウワサ話が一人歩きしたってやつだったとしても、それもありがちな話、だよね。
でなかったら…、仲間にからかわれたのを真に受けたとか。
[勘違いが日常茶飯事な自分には、それが一番分かりやすい。
面白おかしい突飛なウワサ話は、過酷な訓練や退屈な務の中での良い気晴らしになって、多いに流行るものだ]
[そしていたずら者の仲間にからかわれて妙なことを吹き込まれ、すっかり真に受けてしまう経験も自分が務める城ではそう珍しくなかった。
後々には笑い話となるものの一つに過ぎない。
だが今、ラッセルは笑っていなかった]
もし、もし本当だったら…。
[――果たしてこの、真実とも知れない剣呑なだけの不確定な情報を、二人に話すべきか。
...は大いに迷っているが、もし様子のおかしさに気付いたウェンディかニーナに問われれば、不安を笑い飛ばしてもらうためにも*話してみることだろう*]
[規律尽くめの兵士――とくに一般兵にとっては、食堂という場所はある種オアシスだろう。最大の楽しみの1つである食事を前に、気が緩み口もいくらか軽くなるものだ。
ウェンがそこにいると、周囲の兵士達は最初は警戒して口を閉ざすが、無邪気な微笑みで彼らに笑いかけ、やがて食事に集中しだすとひそひそと噂話をしだした。]
………。
[騒がしい食堂のこと、ニーナのように聴覚を一時的に高める魔法を知っているわけでもないので、彼らの会話が聞こえてくるわけではなかったが、ウェンはどちらかというと、自分をみた兵士がどんな反応をするかが見たかったのだ。だから、会話が聞こえれば重畳というだけのこと。]
[大半は、なぜ子供(しかも一人前に弓など背負っている)が、こんなところに居るのだという怪訝な表情をするが、何も知らない様子で食事を摂っているウェンを見て、複雑な表情をする者や、冷ややかな眼で見下ろす者も確かに居た。
ウェンは、複雑な表情をしたうちの一人、気が優しそうな顔つきの兵士の後をつけることにする。
そう決めれば、あとは自分の気配を殺していき―――]
[気の優しそうな兵士がテーブルを立ったので、自分も立ち上がり、彼を追跡した。気の聡い兵士が2、3人、ウェンが動いたことに気づいたようだったが、大半は食事と会話に夢中のようだし、気づいた者も単純に食事が終わったから出ていくのだと思ったようだった。
見張りが眼を離した隙に、上手く食堂を出られたようだ。追っ手は居ない。
小さな体を利用し、物陰に潜みながら兵士を追跡する]
[…簡易寝台の上、腰を下ろして自分の膝を見ていた。
自分の母は、いつ帰ってくるだろうか…
もし、自分が居ないと分かったならば、どういう顔をするだろうか…
そして…]
…ぁ…おはよう、ございます…
[ウェンディと目が合い、微笑が目に入る。
…まだ、感傷に浸るのは早い…
ウェンディの背中を見送ると、少女もテントの外に出た。
見張りの視線と声に一言だけ応えた]
購買…
[…今の時間は食堂の方が混んでいるのだろうか。
あまり人の居ない購買でパンを買う。
ちらほらと兵士も居たが、皆、視線を向ける事は向けるが、誰かと話す気配はない。
長居は無用と言わんばかりに外に出る…
適当に歩いていく。
頭の中に地図はある為、近づけば警戒される所に近づかず…
しかし、その足は森林の近くへと向かっていた]
…
[木々が目にはいると、ようやく落ち着いたのか…
近くにあった大岩に腰掛け、パンを齧り始める。
…静かにその時間は流れていく。
兵士の影は見えない…だが、森の中では…
微かに足音や剣戟の音が聞こえていた]
…ここも、無理…かな…
[ウェンの姿は、軍営内の一角に設けられた訓練場にあった。先ほど追跡した兵士と楽しそうに喋っている。
少し前、訓練場に到着した兵士は、ウェンに話しかけられ戸惑いを隠せなかったようだが、人懐こく話しかけてくるウェンに――彼女のその姿のせいもあってか――気を許し、弓術初心者を装うウェンに弓の手ほどきなどしてやっている。
ウェンの目的は勿論、メイフォリアとその周辺、特にアーヴァインの戦闘能力についての情報入手だ]
へぇ、メイフォリア様って、格闘術の達人なんだ! かっこいいね!
えー、そんなに遠くから一瞬で間合いを詰められるんだ! すごーい!
[作戦に関係ないことなら喋っても構わないと判断したのか、それとも、故郷に妹が居ると言った兵士は、ウェンにその姿を重ねてしまったのだろうか。兵士はウェンの質問に親切に答えてくれた。]
ねーねー、それじゃ、アーヴァイン様は?
いっつもメイフォリア様の傍に居るよね! 影から姫をお守りする騎士って感じがするよ!
[その問いには、兵士はうーんと少し考える様子を見せ、
『あの人については、良くわからないんだ。とても頭の良い方だとは伺っているが、実際に武器を手にされたところは見たことがないんだよ。だから、騎士ではなく参謀役ではないかな』
と答えた]
参謀かー!
[純粋な子供を装い、目をきらきらさせる]
[普段は殺伐としている訓練場に子供の明るい声が響くせいか、周囲にいた兵士達にも緩んだ空気が伝わっていき、ウェンを取り囲み、メイフォリアとアーヴァインについての武勇伝や噂話といった話を口々に喋った。
ウェンはそれらにいちいち、すごいね、かっこいいねと答える。
やがて、集まってきた兵士の一人が、ウェンの顔をみて小さく悲鳴をあげ、
『きょ、狂戦士……!』
そう呟いて、動揺を隠せない様子で数歩後退った。]
きょうせんし??
[それなあに?という顔で、周囲の兵士を見回したが、彼らは子供に言っていいものかとお互いに顔を見合わせている]
[それを訊いちゃいけない、と妙な胸騒ぎを覚えたので、『いや、なんでもないよ』と引きつった笑みで答えをはぐらかした兵士にも、うん、と素直に答えた。
結局それでその場は白けてしまったのと、上官らしい兵士がやってきて、何油を売ってるんだ怒鳴り、ウェンを睨みつけたので、これ以上ここに居ても無駄だと判断。
ウェンは得た情報を2人に伝えるべくテントに戻ることにした。
その様子を、遠くからアーヴァインが見ていたことも知らずに。]
[…何も、考えたくない…
街に出てきてからというモノの、緊張しっぱなしで、休まる時はなかった。
そのため、森の近くにいると、気が楽になると言うか…]
…?
[ふと、耳に入ってきた声に、耳を傾ける。
誰も居ないと思っているのだろうか…?
表の道で、何かを話していた]
『何かに似てると思ったら、あのガキじゃないか…!』
『おい、落ちつけって…何があったんだよ?』
[どうやら、片方は何やら興奮をしており…もう片方は呆れたように、また、上官が来ないかを警戒しているような、抑えめな声。
ガキ?
その言葉に軽く首を傾げながらも話を聞く]
『ガキっつったら、あのテントの中の三人の…金髪のヤツだよ!』
『ぁぁ…メイ様が連れてこい、と言ったヤツか…?』
『そうだ、あのガキ、どっかで見た事有ると思ったんだ…気付かねぇか?』
『…いきなり言われても気付くかよ』
[…ウェンディの事…?
誰かに似ている…その言葉に目を瞬かせる]
[静かに套路を繰り返す、それは既に数時間にも及んでいた]
あと1人、今日はナサニエルさんを見せてもらう…
そして選び出す…滅びの刃を…
[簡単な応急処置なら、経験がある。
元々障害物の多い場所を基本に修行を積んできたので、怪我にはなれている。
ただ、それでもシャーロットが直撃を受けた内頸だけは、素人判断では手を出せなかった。
なので、医療班が到着するやバトンタッチをして、そのまま宿へと戻ってきた。
だが建物内には入らず、ぼんやりと街並を眺めていると、目の前でタバコを取り出そうしている人を見かけた]
あ、悪い。
「んあ?」
一本タバコをもらえないか?
「ああ? 何言ってやがるんだ?」
いや、買いに行く元気なくてね。一箱分のお金だすからさ。
「……まぁ、そこまで言うなら、な。いいさ。半分も残ってないし、全部やるよ」
悪いね。見ず知らずの人間に。
[金と交換にタバコをもらうと、その人を見送ってから、一本口に咥える。
元々あまり吸わないが、全く吸わない訳じゃない。だから今も気分を落ち着かせるために深く紫煙を吸い込んだ]
『アレだよ…いつか、あいつ一人に軍を壊滅状態にまでさせられた…』
『…狂戦士…っ!?』
『そうだ、狂戦士…リックに似てるんだよ…っ!!』
『おい、でも待てよ…奴は、メイ様が殺したんだろう?それに、そもそも男だったじゃないか』
[…狂戦士…リック?]
『ぁぁ、オレもそう思ったさ…でも、奴を女にして、髪を伸ばしたらちょうどあんな感じだ…』
『…気のせいじゃねぇのか?』
『だと良いけどな…ぁーぁ、さっさと作戦が始まらねぇかなぁ…そうすりゃ、アイツの近くにいなくて良いのによ』
『ったく、こんな事話してると、また上官にどやされるぞ?』
[溜め息が聞こえてきたかと思えば、一つの足音…そして、少し遅れてもう一つの足音が遠ざかっていった]
[テントに戻ると、珍しくなにやら考えこんでいる様子のラッセルが、テント内をぐるぐると歩き回っていた。そしてウェンがテントに戻ってきたのに気づくと、すごい勢いで駆け寄ってきた]
な、なに??
[吃驚しやや気圧されながら、ラッセルがまくし立てるのを聞いた]
………。
[吸い込んだ紫煙をゆっくりと吐き出す。
よく晴れた空に、溶け込んでいく煙は、何処となくこれからの自分の運命を示しているように思えた。
だが、こういう優しい時間は何時までも続かず、そして死神は近づいてくるのだろう。
ぐっと目を閉じて、再び大きく紫煙をたなびかせた]
[…パンも食べ終わったので大岩から降りる。
さっきの話を思い返しながら…もうそろそろ、ウェンディも戻ってきているだろうか、と、テントへと向かった。
先ほどの話をするかどうか…迷いながら]
皆殺し、ね。
そんなの、いまさら聞くまでもないわよ。
[ラッセルの目は、冗談だと言ってくれと訴えていたが、ウェンは一笑し斬って捨てた]
汚いことやらせようってのが見え見えなのよ。
真実を知ってる人間や都合の悪い人間を、いつまでも生かしておくわけないわよ。
[…テントへと戻ってくると、ラッセルとウェンディが話していたようで…
しかし、ラッセルの様子がおかしく…]
えっと…ただいま、戻りました…
…どうしたんです…?
[ラッセルはこっちを見ると、少し顔色を悪くしながら…兵士が言っていた小声の言葉を少女に伝える]
…そう、ですか…
多分、噂通り…に、行ってしまうでしょうね…このままだと…
…噂にまで、流れたとなると…もうすぐ、でしょうか…?
[火がない所に煙は立たない。
小さく悩むように俯いた]
かもね。
[もうすぐだろうか、と呟くニーナに短く答える]
ただ、どういう理由で私達を『皆殺し』にするのか気になるね。
私達を連れてきたことを隠しもしないで、……のために殺すとなるとそれじゃ単なる口封じ、大義名分もなくなってしまうでしょ。
[そこまで言って、ふと首をかしげ]
……ニーナ?
どうしたの? 顔色悪いけど、何か他によくない話でも聞いた?
[…ラッセルは二人とも否定しなかった為か、少し暗くなっていた。
しかし、少女もそう思っていた事は事実であり…悪い方向に考えておかなければならない、と思ってもいた]
…それに、すぐに行わない事…それも気になります…
時間を空けてから、…さないといけない理由…
[ウェンディの言葉に同調するように言葉を紡ぐ。
…軽く視線を落とし、考えていたが…]
…ぇ…
ぃ、いえ…その…
[不意にウェンディに尋ねられ、ついどもってしまい…
話すべきか、悩んだ末]
…あたしの方は…そういう事は無かったのですが…
ウェンディ、さん…に、ついて…話している、兵士は…居ました…
[指の間際まで灰が迫ったことで、ようやくナサニエルははっと気付いた。
どうやら何処か遠くに思いを馳せていたらしい。
気付いた途端に思いを運んだ先は、泡のように消えてしまった。
だから詳しくはわからない。
それでも胸に残る望郷に似た気持ちは、幸せだったあの頃か。
タバコを指で弾くと、回転して落ちていく燃えカスに背を向けて、一人戦いへと赴く――]
[そのまま視線を戻さずに、しばしの沈黙の後、口を開く]
それで?
俺という駒は、どこで闘えばいい?
[半分皮肉を交えた言葉に、自ら口元をゆがめた]
ふふふ、ナサニエルさんは昨日の手合わせ、覗いていましたね。
余計な説明は要らないでしょう。
場所を決めてください。
ふふふふ、ははははは
私は、あなたの力を見たくてしょうがなかったんですよ。
[穏やかに、笑みの表情すら浮かべながら語りかける。しかし、その目には冷たい光が宿ったまま…]
[ウェンについての噂を聞いたというニーナに、怪訝な表情をして首をかしげた]
……私の? どんな??
[一介の国境警備兵――しかも新兵に近い――に過ぎない自分が、なぜこんなところで噂になるというのか]
なるほど。
あくまで駒を主役に。か……。
[シャーロットとハーヴェイの戦いを思い出して小さく息をつく。
そして――]
なら……たった今からだ!
[すでに手をかけていた銃を抜き、クイックドロウで速度に重点を置いた魔力弾を放つ――!]
…その…
[言って良い事なのだろうか…小さく思いながら]
昔…軍と戦った、狂戦士、に、似ている…と…
[触りだけ話してみる。
これで、この話をはねのけるのならその程度なのだろうし…
はねのけないので有れば、話しておいても良いのかも知れない]
……狂戦士、に?
似ている?
……私が??
[訓練場で自分を見て『狂戦士』と叫んだ兵士を思い出した。]
……教えてくれない?
私も、狂戦士のことはちらっと訊いたんだけど、誰も詳しくは教えてくれなかったの。
[そういって、訓練場であったことを説明する。努めて冷静に、表現できない不安を隠しながら。]
[迫り来る魔力の塊を、無造作に裏拳でそらす]
はははははははははは
すばらしい。
すばらしいですよ、ナサニエルさん。
[外套を脱ぎ去り、右腕を前に、左手をその肘辺りにそえるという構えを取る]
…
[ウェンディの話を聞くと、小さく頷いた]
…その…昔、軍がその狂戦士と戦ったそうなのですが…
一人で軍を壊滅状態にまでしたそうです…
しかし、その狂戦士はメイ…に、よって殺されたそうですが…
[そこまで言うと、その狂戦士の名を思い出す…
一度だけ聞いた気がする、その名前は…]
確か…その、狂戦士の名は…
リック…
[初撃が命中するなど微塵も思っていない。
自分が腰掛けていたテーブルと椅子もまとめてメイの方向に蹴り上げると、障害物の影を利用して二発、三発と連射しながら、窓に向けて疾走する]
[...に向かって飛んでくるテーブルと椅子。それに向かってそっと掌を伸ばす。]
疾!
[その掌に触れた瞬間、テーブルはばらばらに粉砕される]
どちらにいかれるのですか?
ふふふふ、あははははは
[悠然と、ナサニエルが向かう窓に歩を進める]
[リックという名を聞いて、顔を強張らせた]
な、…んですっ…て……
[良く目を凝らしてみれば、肩が小刻みに震えているのがわかるだろう]
リック……狂戦士…に…何故……
……メイフォリアが………殺した?
[何故?
ウェンにそれが理解できるはずもない]
[元々一人で勝てるなどと思っていない。
. . . . . . . . . . . . . . . . .
場所を考えず勝負を挑んだのであれば。
ただ、先程の二人のようにただ相手の制限を求めるような場所も問題外だ。
正直、メイの破壊力は、その程度のものなどものともしないだろう。
だからこそ、自らが有利に動けて、相手を封じる場所まで牽引しなければならない!
速度は落とさない。
今落としてしまえば、メイに捕まるのは目に見えている。そうなれば、先の二人のような終了宣言などなく彼女は自分を殺すと予想した]
(さっきの闘いを見ていて思ったが、あいつは戦闘を楽しむような部分を感じる! だから、ある程度の距離を保ったまま、アソコに向かう!)
[悠然と歩いてくるメイに、半分はあからさまな挑発を込めて皮肉気に笑うと――!
ガシャーン!
窓ガラスを破り外へと飛び出した]
[自分に似ていてリックという名前の他人が、そうそう居るとは思えない]
……何が、あったの……
[裏路地で出会った呪術師の言葉が思い出された]
……やっぱり、死んで……
[…確かに、リック…という名前を出していた。
もう一度頷くと、ウェンディの様子がおかしい事に気付く]
…ウェンディ…さん…?
[何かを呟きながら、少女の声が聞こえていないかのように固まるウェンディに、やはり何かおかしいと]
…ウェンディさん…ウェンディさんっ?
[近くで名前を呼びながら、肩を揺すった]
[外に飛び出したナサニエルを目で追う]
ふふふ、せっかちですね。
きちんとドアから出ればいいものを…
[軽口を叩きながら、しかし隙のない足取りでナサニエルの後を追う]
……リック、リック……!
嘘だ、そんなの嘘……!!
[ニーナに肩を揺さぶられながら、見るからに激しく動揺しているウェンは、兄の名を呼んでいる]
イツツ……。
[勢い余って地面を転がった拍子に細かい破片が肩に刺さったが、気に留める暇もなく起き上がると、街の出口に向けて走り出しながら、壁越しに魔力弾を連射していく]
[急ぐでもないしっかりした足取りで、ナサニエルを追い続ける]
魔力といえど、魔法といえど、基本は理論(ロジック)に従います。
スピードとタイミング、それさえそろえれるのなら、このようにそらすことも可能なのですよ。
私のように、魔力も気も扱えない人間でもね。
もっとも、距離が詰まればその二つをそろえるのが難しいのでそう簡単にもいきませんがね…
[自分に向かって飛来する魔力をかわし、時折そらしながら後を追い続ける]
[まともな射撃など、回避されて当然だ。
だが、だからと言って、それだけに留めておくつもりもない。
二挺ある銃の一方をメイから射線を外し、真上にある雨戸の留め金をニ連射で打ち抜くと、三撃目で彼女の頭上に打ち落とす]
[落ちてくる雨戸にそっと手を伸ばす。わずかにベクトルを変えられた雨戸は、ギリギリのところをかすめて横に落ちる]
疾!
[微妙に体勢に無理が生じ、魔力の塊が髪を数本散らす]
[殺し屋が、その隙を見逃すはずもなかった。
体勢に無理が生じた証として千切れとんだ髪を見るや、大き目の魔力弾を左右同時に打ち出す。
と、同時に、近くまで迫っていた街の出入り口を、窓から飛び出した時と同じような勢いのまま駆け抜ける]
[その男は、いつの間にかテントの中に居て、混乱するウェンを見下ろしていた。そして淡々と言った]
『そうだ。お前の兄は、狂戦士となった。――2年前のことだ』
[ウェンが虚ろな目でその男、アーヴァインを見上げると、彼は真実が知りたいか?と問うた。]
[二発のうち、一発は回避できると判断。もう一発に向け震脚。破砕音とともに、石畳が砕ける]
疾!!!
[飛来する魔力弾に渾身の突きを合わせる。破裂音と閃光]
物理的硬度、質量を持たず、しかしながら運動エネルギーを持つ以上、このように十分な破壊力があれば相殺も出来るわけです。
さすがに少ししびれますがね…
[痺れを取るように手を少し振ると、街のゲートを目指す]
真実……?
[『そうだ』と、アーヴァインは頷いた。
脱落した3人の中で厄介なのは、ニーナの魔法もだが、遠距離攻撃できるウェンの能力もだった。あとから来る”一人”のことも考え、ここで彼女を動揺させ戦闘力を削いでおくのも手かと考えたのだ。
それに、ニーナが掴んできたように、この軍営内を探るならいずれは彼女も狂戦士の噂を耳にするだろう。
どちらがより与える精神的ダメージが強いかを考えて、アーヴァインは自分で真実を教えてしまうことにしたのだ。]
リック…に、何が、あったの……?
[アーヴァイン曰く――
ネクロマンシーに傾倒した宮廷魔術師がいて、リックの死体に人体実験を行った結果、失敗し狂戦士化させてしまった。
狂ったリックは、メイ率いる第2軍を壊滅状態にしたが、それをメイが倒した。
しかしリック自身もまた人を殺めることに疲れており、死ぬことを希望していたのだ――と。]
『だから、メイフォリア様を恨むのは筋違いというものだ。』
…!
[突然現れた…いや、いつの間にかテントの中に入っていた男に目を向ける。
淡々と話す様子に、睨みつけるようにアーヴァインの様子を見て…]
…ネクロマンシー…
[魔女でも忌むべき名前に小さく呟いた]
[ウェンディ、リックとの出会い、コーネリアスとの関係を巧みにぼかしながら、淡々と2年前あったことを話すアーヴァイン。
ウェンは当然、動揺を抑えきれない]
ネクロマンシー……それなら、リックは2年前にはすでに死んでたってことじゃない……
[あんなにいつも、リックの気配を感じていたのに。だからリックは生きていると信じて疑わなかったのに]
『そう、彼は死んでいたな。ついでに言うと、その宮廷魔術師はすでに軍を壊滅状態に陥れた罪で処刑済みだ』
[ゲートを潜りぬけつつ、背後で起こった破裂音に、さすがのナサニエルも顔色を変えた。
想像はしていたが、目の前で魔力弾を破壊されると、やはりショックは大きい。
だが、目の前に広がるのは目的地。
その中に入る事ができれば、勝機は見える。
逆手に、地面に向けて広い範囲に魔力弾を連射し、土煙を巻き上げると、走る速度を上げた]
『しかし、まだもう一人、死んだお前の兄を安らかにさせてやらない者がいる』
[アーヴァインの狙い通り、ウェンは混乱しきっている。
アーヴァインは、ウェンが狂戦士化してしまわないよう与える精神的ダメージを考えながら、言葉を選んでいく]
もう、ひとり…?
[虚ろな目でアーヴァインを見返した。それは、誰?]
『知りたいなら、ついて来い。いいものを見せてやる』
[そう言って、アーヴァインは3人をちらりと見てから踵を返し、テントを出て行った。
ふらりと、ウェンは一歩歩みだす。]
…
[じっと、ウェンディとアーヴァインの様子をうかがっていたが…
内心では、静かだった水面が波打つように…荒立っていた。
死者への冒涜。
その生命を散らした者に対して、もう一度、己の利益が為に現世へと縛り付ける者…
…処刑済み、だと言うが…少女にとっては、その者を使っていた事が事実]
…
[アーヴァインがテントから出る…
ウェンディの様子を見れば、恐らく、今は…ちゃんとした対応は出来ないだろう。
ウェンディの後を追うように、少女はテントから出た]
[土煙で一瞬ナサニエルの姿を見失う。ゲートをくぐりたどり着いた先は森。ナサニエルの姿は見えない]
ここが目的地ですか?
なるほど、ナサニエルさんにとっては有利かつ、かってしったるという感じなのでしょうか?
ふふふふふ、あはははははは
さあ来なさい。
[動きを止め、脱力する。しかし、周囲の気配をうかがうことはおろそかにしない]
――アーヴァインの執務室――
[アーヴァインは、付いてきた3人に適当に座れと指で合図し、さて、どう話したものかと思案していたが、ウェンディ、ラッセル、ニーナと順番に視線を送り…
『”双子の共鳴率”について、お前は聞いた事があるか?』
と、まずウェンではなくニーナに話しかけた]
[ただそのまま森に飛び込む訳ではない。
それでは、こちらの動きを読まれやすくするだけだ。
だから、同じ飛び込むでも、その前にやるだけはやっておくのが、彼の考え方だ。
完全に土煙が消える前に、足元に落ちていた二つの石を同一弾道で蹴り放つ。
と、同時に、石と同じ大きさに作り上げた魔力弾を、同じく二連射して、同一弾道に重ねた。
そこまで手を打った上で、ナサニエルは森の奥に飛び込んだ]
[…移動。
ウェンディが話していた…ナイフを刺した付近の場所。
座れと言われたが、すぐに動けるように壁際で立ったまま話を聞く]
…
[まさか、自分に問いが来るとは思っていなかったので、微かに眉をひそめるが]
…実際に見た事も無いし、耳にしただけですが…
同時に生を受けた、二人の人間には、不思議な現象が起きる…と。
同じ感情を同時に発症したり、片方が傷ついたとき、同時に傷ついていたり…とか。
[土煙の中から飛来する四つの気配。フェイクの可能性を捨て、全てに対処する。一つ目に石を回避、二つ目を逸らす、三つ目の魔力弾を弾き、最後の一つをギリギリのところでかわす]
あははははは
おもしろい
面白いですよ、ナサニエルさん
あははははあははは
[狂ったように笑い声を上げる]
[狂ったような高笑いが、森の木々に反射する。
方向感覚を失った音は、魔力と精神力の連射で頭痛をし始めていた頭に、思ったより響いた]
ち……。本気でやばいな。ヘタな砲撃数打てば……っていうが、まさか全弾避けられるとは……。
[しかし、予測していなかった訳ではない。
そのために、この場所におびき出したのだから。
殺し屋としてのスキルの一つ、気配遮断を行いながら、チェイン=ファングの鎖をずるりと伸ばす。
元々アーノルドがどこぞの錬金術師に頼んで作らせたこの武器は、魔力吸収、精神感応による射撃指示の他に、最大二十メートルまで伸びる鎖が特徴だ。
それを使うために、ナサニエルはメイが森の中に進入する時を静かに待つ]
[アーヴァインはニーナの話に頷き、視線をウェンに戻すと、
『……6年前のことだ。その魔術師が面白い死体を手に入れたと言った。確かに死んでいるのに、死体はまるで生きているかのようだったそうだ。
そんなものがあるかと、2年前まで私は信じなかったがね。』
そしてふいに立ち上がると、戸棚の一角に近寄っていき、何か操作すると、戸棚の奥からもう1つ、隠されていた戸棚が姿を現した。
アーヴァインはその戸棚から、何かを布で包んだものを取り出し、ウェンに差し出した
『件の宮廷魔術師が、その”双子の共鳴率”について面白いことを言っていてな。――曰く、お前とお前の兄の共鳴率は尋常ではないそうだ。
……それを開けてみろ』]
[ナサニエルが何をするつもりなのかわからない。しかし、誘い込んだ以上、そして先の二人との戦いを見ている以上、何か目的があるはずだ]
ふふふ、私はここですよ
[気配を探りながら、慎重に森の奥へ歩を進める]
[開けてはいけない。
能の奥で制止する声がする。だが、意に反しウェンの手はアーヴァインの指示どおり、ゆるゆると包みを解いていき――]
―――――――!!!
[現れたのは、―――現れたものは。]
きゃぁぁああぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!
[絶叫。
何故、何故、何故!?]
[不適に見えるくらいのんびりと歩いているように、ナサニエルには見えた。
だがそれくらいでちょうどいいかもしれない。
前にも心の中で呟いたが、まだ不慣れな部分がある技を使うのだから。
ナサニエルは、伸ばした鎖の端を右手に持つと、もう一方を木を縫うように放った。
手首にスナップをかけ、鞭のように撓らせながら、メイの真横に移動させると、『撃つ』という明確な意思を込めて、『手にしていない銃から魔力弾を放った』
それと同時に、自らも動いて隙間よりメイを狙い打つ――!]
[…話が見えない。
何故、今、双子の共鳴率の話が…?
生きているような死体…
そして、ウェンディ…と、リック、の共鳴率は高い…]
…!
[ウェンディが包みを解く…そして、悲鳴。
その声に目を向け…包みの中身を覗いてみて…]
…そういう…事…
[ようやく、話がまとまっていた]
[まるでまだ生きているかのような兄の頭部を抱きしめ、ウェンは呆然自失となった。
どくん、と脈が大きく打つのを感じた。狂ってしまいそうな、それでいてどこか醒めているような、そんな感覚に襲われる。いつかもこの感覚に襲われたが、いつだったか思い出せない。しかし彼女にとってそんなことは今は重要ではない。
『腐らない死体など、墓を荒らされていい見世物になるだけだからな、私が保管しておいた』
だから、感謝してもらいたいねという意を言外に含みつつ。
『死体が腐らないのは、つまり、お前がお前の兄の死を望んでいないからだ。死を受け入れられないお前が、兄の死体を腐らなくさせているのだ。
……だから、お前の兄の死体を魔術師に利用される原因を作ったのも、兄を安らかに眠らせてやらないもう一人の人物も、
――お前だ』
追い討ちをかけるように、アーヴァインが言い放った]
[突如、高速で動く小さな気配を察知する]
誘い?
[直後横手の小さな気配から、何かが放たれる。同時に、他方から大きな気配]
これは……
[小さなほうの気配を陽動と断定。横手からの魔力弾をバックブローで弾き、縮地とも呼ばれる歩法で、体勢を低くしながらナサニエルとの間合いを一気に詰める]
グッ…
[本命の魔力弾が肩口を掠める。が、委細かわまずそのまま一気に踏み込む]
嘘、嘘よ………。
[これは、リックの死体なんかじゃない。そう思い込もうとしたが、自分よりは少し成長した、自分に似た顔がそこにある]
信じない、こんなこと信じない……!
[メイの戦闘スタイルから、姿を見せると向かってくるのは必然だ。
接近しなければ勝てないのだから。
だから、自分に向かってくるとわかるや、マントの影に隠した手首を返し、鎖をメイの背後まで移動させると、そこでニ連射。
そして撃つと同時に鎖を戻しながら、右手の銃で上下に三発に撃ち分けて魔力弾を放つトと、再び間合いを取りながら気配を遮断していく]
…
[こんな事があり得るのだろうか…?
少なくとも、少女には分からない]
でも…
[しかし、少女にとっての善悪はソコにはない]
仮にそうだったとしても、利用をしようとした魔術師…
ネクロマンサーが悪いのであって…
ましてや…
[少し躊躇うが、口にする]
ネクロマンサーの術にかかる事。
そして、今、目を覚まさない事。
つまり、すでに死んでいる…と言う事。
本当にコレが原因で魂が縛られていると断定出来るのですか?
[急速に後方に移動する気配。反射的にサイドステップ。すぐ横を5発の魔力弾がかすめていく。
と、同時に後方の気配を視認]
なるほど、そういう仕組みですか。
接近戦で扱いにくくなりがちな武器、ならば近づかれなければ良い。
いい武器ですね。
でも、正体がわかればやりようはいくらでもあります。
[一瞬、呼吸を整え、周囲の気配を探りながら待つ]
[あえて動かず、気配を探り続ける]
しかし、このように連続してはなって大丈夫ですか?
あなたが本当の意味で魔力を扱えないことはわかっています。
いわゆる術者と比べて、消耗ははるかに大きいのでしょう?
あはははははは
大丈夫ですか?
[挑発する意図すらなく、本当に心配しているような口調で語りかける]
[さてね、とアーヴァインは肩をすくめた。
『魂がどこにあるかなど、魔術師ではないのだから私にはわからんよ。聞いたまま、見たままを話しているだけに過ぎん。だが、死体が腐らない原因も、ウェンディにあると、例の魔術師は言っていたな
……ウェンディは成長していないだろう?』]
おそらく、そろそろタネに気付いたろうな。
[元々奇襲用であり、何度も連発できるものじゃない。だが、今現在において、尤も勝率が高いのはこれだけだった]
だが、タネがわかったということは、次の手品に引っかかると言う事だ。
[ナサニエルは、先鎖を手繰り寄せると、気配を噴出させながら、
. . . . . . .
再び鎖を放った]
1人で暴れて、1人でダウン、なんてつまらない結果はイヤですよ。
まあもう少し消耗してもらいましょうか。
相性が悪いのは、素手と銃である以上避けようがないことですから…
[アーヴァインの言葉に、そうですか、と小さく呟き]
…ウェンディさん…の、意志が孕んでいたとして…
彼…リックさん…の、意志がない、とでも?
[す、視線を向ける]
彼が同調を望んでいるのなら、それはウェンディさんだけの責任ではない…
寧ろ、彼も望んでいなければ同調は出来ないはず。
…必ずしもそうとは言えないと思いますけど。
[ウェンディが小さいまま…それも同調によるモノなのだろうか…?]
[素手と銃。もとより相性が最悪なのは最初からわかっていた]
あの技は、間合いを詰めるのには極めて厄介ですね…
[故に消耗を待つ。自らが反応、対応できる距離を設定。防御を固め待ちの体勢]
!!
「と、高速の小さな気配を察知する。だがあえて動かない、自らの迎撃距離に入るまで神経を研ぎ澄ませて耐える」
(動きが止まった!)
[それがナサニエルの考えた尤も勝率のある作戦だった。
あえてネタを見せる事で、動きを止め、更に本命でなくとも、それなりに気を張らなければならない心理的罠を使える状況を作り上げ、そして最大級の一撃を、二挺同時に射出させる――!
飛んだのは鎖だけで、隠してあった腕を上げると、そこにはいつの間にか銃が握られていた]
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
[ラッセル戦で見せた巨大な魔力弾が、二挺同時に撃ちだされる!]
[リックの意思という言葉に、アーヴァインは何かを思い出したのか目を細め、薄く笑った]
『確かに一理ある。
……が、それについては、私が答えるよりも、ウェンディが記憶を取り戻したほうがいいと思うね。――12年前、何があったかを』
……何かを知っている、そう感じさせるアーヴァインの発言。]
[何か、含みを持った笑い。
何かを知っている…少なからず不快に思ったのか、息をつき]
…
[少女は無言でウェンディを*見つめる*…
この問題の主導権を持っているのは彼女なのだから。
自分がしゃしゃり出る事ではないのだろう、と。]
[ウェンは兄の頭部を抱きしめたまま我を忘れ呆然としているし、ニーナはこれ以上アーヴァインと会話することを拒否したようだ。ラッセルに至っては、表情は怒りに満ちているようにも見えるが、衝撃の余り言葉を失ったのか、自分に何か言おうとするも口をぱくぱくとさせているだけだった。
それを見たアーヴァインは、もう話すことはない、と手で追い払うような仕草をする。
いまだ呆然としているウェンディから、ニーナは一度リックの頭部を取り上げ布に再び包むとウェンに返してやった。
ふらふらと足元のおぼつかないウェンを、ニーナとラッセルで両脇から支えるようにし、テントに戻った]
[小さい気配は動いた後が続かない、これはおとり。と同時に強烈な殺気と、圧倒的な気配]
あははは、すばらしい。
これを見たかったのですよ!!
[巨大な魔力塊の距離と速度を確認、まともな手段では回避できない!!]
あははははははは
[自らの胸甲をむしりとり、目前に迫った魔力塊に投げつける。刹那、魔力が炸裂する。爆圧が胸甲を押した瞬間、胸甲を蹴り、大きく飛ばされる]
[爆風があたりをなぎ倒し、土煙が視界をふさぐ]
本当にすばらしい!
[その凄絶な破壊の現場に、...は自らの足で立っていた。頬を含め、全身に細かな切り傷。その装束も胸元と太ももが大きく切り裂かれ、出血していた]
あはははあはははは
[しかし、その足取りは思いがけずしっかりしており、確実にナサニエルへと向かう]
さすがに私も、ちょっと危なかったですね。
奥許しの「浮草」で、爆圧を利用して飛ばなければ死んでいたでしょうね。
[ずきずきと頭痛が視界を遮る。
メイが言ったとおり、通常の魔術行使に比べ、魔法銃は調整が難しいため、すぐに枯渇しやすい。
これだけの時間を連射していけるのは、ナサニエルがしっかりと練習を重ねていた証拠だが、長時間連射の後でラッセル戦の時と同じ威力を持った魔力弾二つ分の魔力を捻り出すのは、魂を削るに等しい]
つぅあ……。
[苦痛と苦悶が喉をついた瞬間、口から鮮血が零れた。ぐらついた体は支えられず、土煙が晴れる前に、意識は途切れていた]
ドサ……。
[二人に支えられテントに戻ってきたことも、そして簡易ベッドに座らされたことも覚えていない。ただ、アーヴァインとニーナの会話は漠然と覚えていた]
……私のせい?
[呟く。そして、そうかもしれない、と思った。そもそも6年前に、すべての原因となることがあったのだろう。相変わらず靄がかかったようで思い出せないのだが。]
リック、リック……
[兄の名を繰り返し呼ぶが、当然、頭部は何も答えない]
[倒れたナサニエルに歩み寄ると、頭に狙いを定めかかとを振り上げる]
ふふふふ、あははははは
[と、唐突に表情が変わる]
勢いで潰してしまうところでした。
ここでつぶすには、あまりにも惜しい。
[かかとを静かに下ろす]
そうです。
何もここでつぶすことはない。
どうせ殺すにしても、より多くの破滅が生まれる状況で殺さなければ、もったいない。
うふふふふ、あはははあはは
投票を委任します。
冒険家 ナサニエルは、学生 メイ に投票を委任しました。
冒険家 ナサニエルが「時間を進める」を選択しました
[しばし考え込む]
うふふ、どの駒もなかなかに楽しめました…
あとは私の決断しだい、そういうことですね。
まあゆっくりと、資料をつき合わせながら考えるとしましょう。
[そう呟くと、ナサニエルを残しその場を後にする。無論、配下にナサニエルの回収および宿への搬送を*命じて*]
[その夜。
ニーナとラッセルは、ウェンを心配そうに覗き込み、
『もういいよ、ウェン。
それ以上……をくれるとウェンが死んじゃうよ……』
と呟く、ウェンに良く似た少年の夢を、*見たかもしれない*]
ウェンディさん…
[...は今のウェンディの様子を見ていると泣きそうになってくる。
でもどう考えたって、誰より辛いのは彼女自身だ]
(かわいそうに…!)
違…、
[違うと言ってやりたい。
私のせいだろうかと呆然と呟くウェンディに、違うと言ってやりたかった。
アーヴァインと名乗った男は、あの悲劇がウェンディのせいでもあるかのように言ってきたのだ。
リックが生きていると多分ずっとウェンディは信じていて、話を聞いた自分だってそう思っていた]
ただでさえ…生きた人としてはもうこの世にいないって目の当たりにさせておいて、あんな…!
[わざと苦しみを誘うようなあんな言い方でその事実を告げて、そうなった理由はお前にあるなどと言った。
そんなアーヴァインを本当は、殴ってでもやりたかったのに。
――しかしウェンディにも思い出せぬものを、自分に何が言えたろうか?]
……君は誰?
[金色の髪。
傍らの少女とよく似た柔らかな頬から顎への線。
いつの間にか現れていて、聡明そうな瞳を曇らせウェンディを覗き込む少年。
彼は呼びかけには答えずに、呟く]
『もういいよ、ウェン。
それ以上……をくれるとウェンが死んじゃうよ……』
死んじゃうって……どういう意味!?
[問い質そうと伸ばした自分の手は届く事なく――
ラッセルは目が覚めた]
…寝ちゃってた、のか。
夢を見たよ。
あれってやっぱり……、リックさんなのかな。
[ウェンディによく似た少年の言葉の意味を、はっきりと知る事はできなかった]
ぼくだってもっと賢けりゃ、色々分かるかもしれないのに……。
[今はとてもウェンディの傍から、離れる気にはなれない]
でも、この二つのことはくらいは分かるよ。
リックさんは今でもウェンディさんの傍に居て…
ウェンディさんに、死んで欲しくないって思ってるってこと。
……おんなじだね、ぼくたちと。
[そうニーナに向け、聞こえるとも知れない呟きを向けた]
どうしたらいいのかな…。
[愛する兄の遺体を弄んだ宮廷魔術師とやらも、もう処刑されてしまって居ないという。
――それでは絶望の淵に立たされたかもしれないウェンディに今、何を目的に生きろと言えばいい?]
…どうしたらウェンディさんまた、笑ってくれる?
[せめてウェンディが良い夢を見ることを祈りながら、寝顔をじっと*見ていた*]
[ウェンディの様子は見ていられなかった。
何もかけてやれる言葉もなければ、気の利いた行動も思いつかない。
ただ、来たるときに備えて、体調を整える事しかできなかった]
『もういいよ、ウェン。
それ以上……をくれるとウェンが死んじゃうよ……』
[…夢を見た。
見れば、ウェンディとそっくりな…
ウェンディの手の中にあった、まるで生きているかのような死体…の顔。
彼はウェンディを心配しているかのように…
何かを、危惧していた]
…
[ゆっくりと瞼を開けば、先ほどの夢を何故見たのだろう、と天井を見つめる]
[…ゆっくりと身を起こす。
ラッセルが何かを言っていた気がして…
しかし、少女が身を起こしても、ラッセルは繰り返す様子はなく。
ただ、少しだけ聞こえてきた言葉に、ウェンディの方を見る]
…
[今は眠っているウェンディに、視線を落とし…小さく息をついた]
[……随分長い悪夢を見た気がした。
ゆっくりと目を開けて、そして己が抱きしめているものをみて、夢ではなかったことを知る]
……リック……
[しかし、心は絶えず悲鳴をあげており、突きつけられた現実を拒絶している]
イヤだ……こんなの嫌だよ。
信じたくないよ。
[そうしてまた逃げるように、精神を閉じる。
その青い瞳は宙の何処を見つめているのか――]
[執務室で。数名の部下に次々と指示を出す]
では、彼をここまで案内してきてください。
可能な限り、他の二人に気づかれない様にお願いします。
[部下が下がると、椅子に腰掛け大きく息をつく]
[薄く開いた目蓋の隙間から見える風景が、次第に焦点をあわせていく。
ゆっくりと顔を振ると、そこは宿の自室であることがわかった。
体を起こし、そして窓を外を眺めたところで、記憶の回路にばちんとスイッチが入った]
そう、か。
負けたか……。
[勝ち負けを期待していた訳ではない。
ただ、それでも仇の情報を手に入れる上で、勝ち続けることが近道であるのは間違いなかった。
だから、たかがクーデター程度の思いしか持ち合わせていないメイに負けるということは、あの瞬間より心に打ち込まれた復讐という名の楔を、力の限り否定されたようなものだ。
ベッドから足を下ろすと、途端に自分の立ち位置が実感でき、己の弱さに、唇を深く噛み締めた。
プツリ。と、薄皮が破れて血が顎を伝って木製の床に落ちた]
ちくしょう……。
[ナサニエルの部屋の扉がノックされる。続いて抑えた低く小さな声]
「ナサニエル殿、閣下が貴殿をお呼びです。
他のお二方には気づかれぬよう、とのことですので私は宿の表にてお待ちしております。
速やかな出頭をお願いします」
[それだけを伝えると、扉の向こうの気配が消える]
――街角――。
「んじゃ、これをハーヴェイってガキに渡してくれ」
「了解しました。アーノルド様」
「…………」
「なんですか?」
「いや、メイドってな、全員こんなクールビューティなのかと見惚れていたのさ」
「ああ、私は中年趣味はないので、そこのところよろしく」
「……何気にきついね?」
「では、行ってまいります」
「無視かよ!?」
[文字通り無視を決め込んで、メイドのネリーはアーノルドから渡された袋と、布に包まれた棒のようなものを抱えて、ハーヴェイの元へと向かった]
[よほど深く潜ってしまっていたのだろう。
ノックの音ではっと現実世界に引き戻された。
そしてメイが呼んでいると告げた使いの者は、何処か周囲を探っている様子が見受けられた。
更に二人には気付かれないようにという発言に、訝しげな表情を浮べた]
今更負けた人間になんの用事があるというんだ……。
皮肉でも言うつもりか?
[そう呟いた自分こそ自嘲気味であると自覚しながら、一緒に回収されていたチェイン=ファングを身に着けて、思い足取りのまま部屋を出た]
―自室―
―――……。
[夜の帳も降りきった窓の外へと視線を遣す。
そうして小さく溜息を吐けば、
ぱちん、と。腕のホルダーへと
手入れを終えたばかりのナイフを戻した。
使用していた三節棍は、今は脚のベルトに無い。
―――そう簡単に出回る武器でも無い。
ある程度の予想は付いていたものの、
修理が完了するまでに時間は掛かるらしかった]
[ネリーが宿屋の前についた時、ふと中から外に向かってくる複数の足音に気付いた。
ネリーはスカートをふわりと翻すと、そのまま直情に飛んだ。
そして二階部分に出ている看板をしっかりと握ると、足元を去っていく人影を見て、眉をぴくりと動かした]
あれは……。
はぁ。娘もいるというのにソフィリア様といっつも一緒にいるドスケベ男ですが、先見の明だけはあったようですね。
[路地向こうに人影が消えるのを待って、地面に着地すると、何事もなかったかのように宿に入った]
[人気のない酒場を通り、階段を上がりながら、ネリーはアーノルドの言葉を思い出す]
「おそらく、あのメンツなら嬢ちゃんはナサを指名するはずだ」
「指名、ですか」
「ああ。俺の見たところ、この大会は自分の闇を担当する手駒の選出といったところか。その場合ウチのバカ娘は嬢ちゃんに下りやすいし、傭兵という肩書きをおいそれと信じるには、若干時間が足りない」
「それならシャーロット様を指名するのでは?」
「いや、バカ娘は実力が足りんわ。あの槍の本当の使い方も知らないで振り回すだけじゃいけない。そうなると、実力があるのはナサってことになる」
「なるほど。でも、ナサニエル様ではメイ様の甘言に乗るとは思えませんが……」
「いや、ニーナがいる。あの北の魔女の孫か? まぁナースのコスプレ相手ってのも萌えるが……」
「…………」
「こ、コホン。とりあえず、ニーナってのはナサの仇に間接的にでも関わっている。その情報を嬢ちゃんがチラつかせれば」
「確かに、ナサニエル様が指名されそうですね」
「そういう事だ。だからこの荷物をハーヴェイに届けてほしい」
「それは?」
[そう質問したネリーの前に、左手用のグローブがあった。
グローブは、掌に当たる部分に紅い石が埋め込まれ、石の周りを銀縁でペンタゴンを描いて抑えられている]
「これはその人間の『気』に反応して、相手と紅い石の間に爆発を生むグローブだ」
「何とも自爆的な武器ですね」
「まぁ、な。ただ爆発は指向性を持つから、自分には一定以上のダメージは降りかからない」
「ふむ。後『気』というのは?」
「東洋武術にある体の内側に内蔵されている力。と言われている。だけどよ、そんなもんいきなり使えないじゃん? だからこいつは相手を倒したい! とか、止めたい! とか、そういう『気持ち』に反応するように出来ている」
「なるほど。それですと最終兵器のようなものですね。爆発の威力はどれほどに?」
「知らん」
「は?」
「いや未知数らしい。込めた『気』の分、上乗せっと」
「……それまた本格的に危ないものを……。それで、そっちの棒はなんですか?」
[続いて、アーノルドは指摘された棒の布を取った。
布の中には、槍と同じくらいの長さを持つ一本の直刀が収められていた]
「直(勅)刀・魂邑(コムラ)。自分の魂を削ることによって、獣様な俊敏な動き、遠くを見据える視力、タフな生命力を得て、狂気を払うといわれている剣だ」
「そんな宝剣レベルのものを……。どこで手に入れてきたんですか?」
「ん? ちょっと昔馴染みの家からちょろっと」
「泥棒ですか! 全くここ二日程度姿を見ないと思いましたら……」
「ま、いいじゃねぇか。ただ、こいつを使いこなせれば、メイと互角程度まではもっていけるんじゃないかな〜と」
「何とも自信の欠片もない」
「使ったことないもんに自信はないさ。とりあえず頼んだぜ? 俺は馬鹿弟子を見守らなきゃならんからな」
[そう言って渡された二つの武器。
しかも簡単なレクチャーを実体験を持って教えろとも言われた]
確かに、ソフィリア王女の近衛隊長私と戦えば、身をもって覚えてくれそうですけれど、その前に死んだらどうするんでしょうか?
[そう呟きながら、ハーヴェイの部屋のドアをノックした]
[と、不意に響き渡るノックの音に
静かに視線を向けた。
慣れない気配。
こんな時間に、訪れる客など珍しい。
…況してや、非公開である武闘会の
控え室を兼ねている宿に]
―――誰だ。
[静かに、右掌へとナイフを滑らせれば
壁を背にして、扉へと忍び寄る。
低い声で、相手へと問い。]
[返答とともに、ドア越しにもまだ未熟な殺気が伺える。
いや、戦場で培った真っ直ぐな殺気というべきか。
ネリーは少しだけ微笑むと、「失礼します」とドアをあけた」
私はとある方に仕えますネリーという者です。
ハーヴェイ=ファーニバル様でいらっしゃいますか?
[と、素人臭く一礼して、それから壁越しにいるのに気付きながらも、首を捻ってみた]
―――何の様だ。
[―――す、と。
ネリーと名乗った女性へと視線を向ければ
僅かに溜息を漏らす。
問いには、肯定も否定も返さずに]
「そんなに硬くならずに。実はとあるお方から、貴方様に必要になるだろうと、荷物を預かった次第です」
[そういってグローブと魂邑をハーヴェイに見せる]
……見知らぬ人物から、
武器を預かり戴くような交友関係を持った覚えは無い。
[見せられた2種類の武器に視線を遣し
警戒の色は隠すことなく]
[その警戒は当然のものだ。
だから、ネリーはクスリと笑った]
「今更何を警戒されます? こんな不確かな内容の武闘会に参加している時点で、警戒など無意味なものと、先程のメイフォリア様との闘いで理解されたのではないのですか?」
[2対1で負けた事を口にし、そして次の瞬間、ネリーは音もなくハーヴェイの後ろに移動していた]
生憎だが
―――尚更、今まで以上に警戒が必要だと学んだよ。
これ以上、厄介事を持ち込まれても困る。
[吐き捨てるように呟いた声は、
聊か何時もより低かったかもしれない。
と、音も無く背後へと移動したネリーに
僅かに目を見開きつつ。
後ろへと視線を向けるだけに留め
無言で先を促す]
「弱い人間が吼えるな。吼えれば見かけ以上に弱く見える。先に述べておくが、貴様に選択権はない。武器を受け取れ。そして使いこなせ。それまで、この第一王位継承者近衛師団隊長であるネリー=オーランドが、僅かながら貴様に教授しよう」
[語気を変え、ハーヴェイ背中に硬く鋭いオリハルコン製のサバイバルナイフを突きつけながら、そこまで一息に述べると、再び丁寧な口調を改める]
「……貴方が負ければ国が死ぬでしょう。貴方が勝てば、全てが終わるでしょう。ただ、もう一度言いますが、貴方には選択権はないのです」
…あれ?書の離反ルート確定?
しかも吼えて無いぞ?
別にハーヴは負けること気にして無いし
むしろ弱い人間になろうとしてる、し…。
(むにむに)
―――…吼えた記憶は一寸も無いが。
[大きく溜息を付けば、
突きつけられたナイフに臆す事無く
背後のネリーへと視線を向ける]
何が狙いか知らないが…
貸せ、使いこなせと言うなら聞いてやる。
ただし―――それ以上は保障しかねる。
俺は一国の行く末に、元から興味は無い。
[不愉快だと言わんばかりの表情は
隠そうとしない。]
「厄介事とわかっていて、こういう目にあっているんですから、吼えているようなものですよ」
[先程とは別人のような微笑を浮べて]
さて、それでは今から使い方を教授しましょう。
[そうしてハーヴェイを連れ出した]
[ナサニエルが部下に案内され、執務室に現れる]
よく来て下さいました。
楽にしてください。
コーヒーとお茶、どちらがよろしいですか?
[淡々と話しかける]
[従者に連れられてやってきた執務室で、ナサニエルは飲み物の質問に答えず、ただじっとメイが何を考えているのかわからずに、見つめていた]
そんなものはどうでもいい。
俺に何のようだ?
[壁に背を預け、腕組みをしながらそう質問する]
…厄介ごとでも、行かなきゃいけない理由があるから
行ってるだけだもん…。
ちゃんと、そこら辺決めてあって
それで動いてるんだから…
そこまで決められたくないやい…。
眠いから確定ロールも良いし、
ネリーが背後に立つのも構わないけど…
人のキャラの性格や、設定まで確定されるのは…。
何か、勝手に負けず嫌い的なキャラ付けられてる…?
もう…、かなり眠いし流したけど
こっちのキャラ設定、かなり破綻した…。
………。
…。テンション、本当下がるなぁ……。
寝る…。
そうですか?
では私はお茶をいただきますね。
[部下に命じ、自分の分だけの紅茶を持ってこさせる。その間、一言もしゃべらず黙っていた。届いたお茶を一口含み、切り出す]
さて、お呼びたてした要件ですが…私は、あなたを刃としたいと考えています。
[ナサニエルの心の奥を覗き込むように、静かに見つめる]
刃……?
[どちらかというと、先程の闘いについて何か言われるものと思っていただけに、一瞬思考が停止する。
しかしすぐにそれが『クーデター』に関してだと思い至る]
……何故、俺がお前の自己満足のために手を貸さなければならない?
そんな馬鹿げた話しかないのなら、俺は宿に戻るぞ。
[腕組みを解いて、ドアに手をかける――]
[のんびりとお茶を飲みながら、背中を向けたナサニエルに声をかける]
無論、タダとは言いません。
あなたの探している仇、その実行犯と元凶を作った者。
その情報と引き換えです。
あなたにとって損な取引ではないと思いますが?
[うっすらと笑みを浮かべる]
[探している仇、その実行犯と元凶を作った者――。
その言葉に、半分開いていたドアを閉じて、殺気に満ちた眼差しをメイに突きつける]
……何故、お前がそのことを?
いや、それよりも……。
[大股に歩き、メイに数センチのところまで近寄ると]
そいつは何処にいる?
[殺し屋としての冷たい空気を纏い始めた]
[ナサニエルが部下に案内され、執務室に現れる]
よく来て下さいました。
楽にしてください。
コーヒーとお茶、どちらがよろしいですか?
[淡々と話しかける]
[近づいてきたナサニエルをみて、うれしそうに微笑む]
ふふふ、いい顔です。
まあ、落ち着いてそこに座りなさい。
[来客用のソファーを指差す]
まずは報酬の前渡をしましょうか。
あなたの家族を虐殺した、元凶を生み出した者。
その人物の名前はグラードといいます。
聞き覚えがあるでしょう?ニーナさんの師匠に当たる方です。
現在、居場所を変えたようでニーナさんも今の所在地を知らないでしょうが、私どもはその隠れ家を特定しました。
[その居場所をナサニエルに伝える]
ここまでが前渡分です。
この情報と引き換えに、あなたの覚悟を見せてもらいます。
[あくまで主導権を握るつもりなのだろうが、今のナサニエルにそれを奪い返す事など、頭にはなかった。
ただ、二度目のお茶の無視し、それでも話が長くなりそうだとソファに乱暴に腰を落とした。
ばふっと圧縮された空気が隙間から吹き出るが、普段なら気にするそんな小さな障りも、今の彼には届かない。
そして前渡としてもたらされた情報に、ナサニエルの眼が真っ赤に見開かれた。
教えろ。
そいつは何処にいる。
そう続けようとしたとき、メイの雰囲気が変わったように感じて、怒りという本能を、殺し屋としての本能が強引にネジ倒した]
覚悟だと?
[ナサニエルの目をじっと見つめる]
私の用意した施設に移動してもらった三人。
その三人を、始末してください。
[慈愛に満ちた笑みを浮かべる]
あなたの復讐にかける覚悟が本物なら、難しいことでない筈です。
それを成し遂げられたなら、以前お話した私の仕事をやっていただきます。
すべてを為し終えた暁には、報酬の残りの支払いとして実行犯の居所をお教えしましょう。
こちらも、調べはついています。
[また一口、お茶を飲み微笑む]
学生 メイは、冒険家 ナサニエル を能力(襲う)の対象に選びました。
学生 メイは、冒険家 ナサニエル を投票先に選びました。
それとも、あなたの復讐にかける覚悟は、その程度のこともできないほど軽いものなのですか?
[挑発するわけではない、本当に疑問をぶつけるような口調で語りかける]
三人の始末だと……。
[真っ先に思い浮かんだのはウェンディの笑顔。そしてラッセルの真っ正直な馬鹿笑いに、怯えているがどこかうらやましげなニーナの視線。
もちろん、前渡された情報から、ニーナを思い浮かべるや心に殺意が芽生えたが、それでも三人の抹殺となると、やはり心が凍りついた]
く……。
[家族の顔とウェンディ達の顔が交互に浮かんでは消えていく。
復讐にかける覚悟?
本物以外に何がある?
お前がクーデターを誓ったように、俺にも譲れない最後のものなんだ!
心の慟哭は表情にありありと浮かび上がる。
迷いが悩みを生み、心を苛み始めた時、家族が彼を呼んだ気がした――]
いいだろう。
『依頼』として受けてやる。
ニーナ=ウェニー、ラッセル=ハドリー、そして……ウェンディ=レーニ。
[そこで一旦言葉を区切ると、何かを切り捨てるようにこう宣言した]
『チェイン=ファング』が消してやろう。
[その時の彼の瞳は、メイと同じだったのではないだろうか? だが、それがわかる人間は、誰もいない――]
[ナサニエルの言葉を聞き、微笑を浮かべる]
そう言って下さると信じていましたよ。
あなたにも準備が必要でしょう。
また、あなたをあちらにお連れするためにも若干の手続きが必要です。
しばらく宿のほうでお待ちください。
部下があなたを案内します。
……そうそう、あなたが首尾よく仕事をなし終え、万が一私が命を落とした場合、その場合にもあなたに報酬が渡るよう、手はずは整えてあります。
安心して仕事をしてくださいね。
[わずかに残ったお茶を飲み干し、顔を上げる]
用件は以上です。
質問はありますか?
[修羅の決断を行った人間に、これ以上何を求めえようというのか。
先程と同じく無言で踵を返すと、また無言でドアに手をかけた]
質問はないようですね。
では最後にこれを渡しておきましょう。
[机の引き出しを開け、中から錠剤が数錠入った小瓶を取り出す]
私の軍の特殊戦隊が使用しているコンバット・ドラッグに手を加えたものです。
罪悪感や恐怖心といった感情を抑え、肉体の反応レスポンスを向上させます。
効果時間はさほど長くありませんし、オーバードーズの副作用は大きいものです。
気をつけて使用してください。
[無理やり、ナサニエルに押し付ける]
これで用件はすべて終わりです。
さがりなさい。
よい働きを期待していますよ。
私とあなたと、双方のためにも。
[ナサニエルに退出を促す]
[退室前に押し付けられたドラッグを、メイに着き返そうとしたが、一度伸ばしかけた腕を戻して、ポケットにしまいこんだ。
そして、紅い涙を一滴だけ、零して、*部屋を退室した*]
[ナサニエルが退出し、誰もいなくなった部屋にたたずむ]
ふふふふふ、ははははははは
本当に期待していますよ、ナサニエルさん。
これで駒もそろった。
これで何もかもを………
お義父さん、お義母さん、もうすぐです。
もう少しで、すべてが終わります。
待っててくださいね……私が終わらせますから…
あはははははははは
[うつろな笑い声が、誰もいない部屋に*響いた*]
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは……
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