情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
煙草の銘柄は全然わかりません…orz
そうだ、私なんだかんだ言いつつ旦那様と遊んでなかったのでした。
[ネリーはボブにジャンピングハッグで頬にキス]
ハッハッハッハッハッハッハ!ネリーネリー!!
[にこやかに、ネリーの手を握ってぶんぶん振りまわす。
ジャイアントスイングの要領で。]
お酒は飲める。
ショットバーに行って、ショートカクテルを手当たり次第飲むのとか好き。
でもお酒よりその場の雰囲気の方に酔いしれるのが好き。
会話とか。
一回バーで行ったイベントで、爆音とアルコールに揉まれながら女の子とキスし捲くったのは楽しかったなあ。
飲んでも表情変わらないので笊と思われるのがちょっと…。orz
――――――――――――
「……ええ、彼の作品の多くは安全な場所に保管できています。そのことは安心してください」
男は受話器を耳にあてながら、解れたブラウンの髪をそっと撫でつけた。男の目元には連日の疲労が蓄積されていたが、その声には倦怠の気配は混じってはいない。
電話の向こうからは、グラスハープの音色を思わせる涼しげで玲瓏とした声が聞こえてくる。年に似合わぬ気丈さで澱みのない応対をする彼女だったが、その澄んだ声はやはり愁いを帯びているように男には感じられた。
無理もない。あの陰惨な事件は未だに記憶に新しかった。それが風化するには、長い年月の積み重ねが必要だろう。
電話の先に居るその少女を励ますように、張りのある声が響く。
「大丈夫。なに一つ心配しないで。
私は、彼の代理人でした。生前、なにかあった時は必ず力になると約束しています。これからは、父親同然だと思って頼りにしてください」
ガソリンスタンドに、運転手がトレーラーを誘導している。男は、視線と指の動きで簡単に指示を与えた。
「ははは」 突然、男は少女の言葉に笑い声を漏らした。
「あいつから聞いてたんですか? やだなあ。
そうなんです。私もスポーツカーが好きだったんですけどね――」
男は愛車を振り返る。そこには正面中央に菱形のエンブレムの入った荘厳とした雰囲気と曲線の持つ軽やかさが一体となった品のいいサルーンが横たわっていた。ボルグヴァルドのイザベラ。
「今は、屋根のある4ドアの……ええ、“普通”の車に乗ってますよ。かみさんがうるさくってねえ……」
二年程前、子供が生まれたのを機会に手放したカルマンギアのカブリオレが一瞬男の脳裏を過ぎった。つい愚痴になっていることに気づき、いや、つまらないことを――と詫びる。
いつまでも子供じゃない。男は、新しい車も充分気に入っていた。不意討ちに過去を懐かしむ気持ちになったのは、あの男との瑞々しい学生時代の記憶を思い出したからだった。
今は――と男は思う。彼とは違うあり方で彼や彼の遺した娘に報いることができればと感じていた。
「では、会えるのを楽しみに。――シャーロット」
そう言って、男は電話を切った。
「ワイズマンの旦那、給油が終わりましたぜ」
その男――ホレス・ワイズマンはトレーラーの運転手に頷きかけ、ボルグヴァルドの運転席に乗り込んだ。
バンクロフト家に電話が繋がらなくなったことを知った時、ホレスの行動は早かった。奇妙な胸騒ぎがしたからだ。
身辺調査をされているのか、自宅のゴミを持ち去られたことがあった。ヘイヴンでは、救援作業員に混じって、どこか作業員には似つかわしくない眼光が鋭く周囲の様子を注意深く観察している様子の男も見受けられた。
それらはその時には見過ごしていたことだったが、いざ再びの災害となるとなにか重苦しい出来事の予兆として感じられるようになったのだった。
ホレスは郡の警察や消防、レスキューに連絡をし、自身もただちに知り合いの医者と共に現地を訪れた。立ちふさがる土砂を前に、現地で夜を明かした。
夜を徹した突貫作業によって往来が可能となるや否やヘイヴンに踏み込んだ彼らが見たのは、凄絶な光景だった。
陰惨な私刑に放火。略奪に暴行。木立の大木からは屍体がぶら下がり、空を黒雲のように被う鴉がついばんでいた。
混沌としたその様を、ホレスは一々克明には覚えてはいない。ただ、地獄のような混乱の中を一心にバンクロフト家を目指したのだった。そこも暴徒の襲撃を受けていたが、猟銃を構えた使用人のだが決然とした意志によって彼らは辛うじて駆逐された。
それでも、ホレスたちが駆けつけるのが幾分遅かったなら、更なる混乱がどのような被害をもたらしていたか定かではない。
ホレスはその時結局、ヒューバート・バンクロフトの娘、シャーロットと会うことはできなかった。その使用人、マーティンから彼女が無事であること、しかしヒューバートは帰らぬ人となったことを告げられた。
遺体を連れ帰ったという彼女の体調や精神状態は酷く、安静を要するというのが面会を謝絶された理由だった。
ホレスはヒューバート・バンクロフトの倉庫に保管されてあった作品と、硝子の温室の中に安置された数々の大理石の彫像の無事を確認した。
ヒューバートの死は胸塞ぐ事実だったが、なによりその遺したものを守る義務がある。それはホレスの職業的な使命であると同時に、ヒューバート個人との誓いでもあったからだ。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新