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[――否定しながらも、脳裏には否定しきれない材料が浮かぶ。
手の込んだ悪戯をするだけなら、何故罪人ばかりを集めた?
何故このような場所に閉じ込める必要がある?
何故――]
――……少し、頭を冷やしてきます。
[そういうと、立ち上がり。
バーカウンターのあった部屋へと、足を向けて。]
[唇を引き結び姿勢を正し周囲をぐるりと見回す]
………
[紫水晶の瞳に初めて怒りにも似た負の感情が宿り、浮かぶはジェラートより甘く冷たい微笑み]
私は、愚かな人間の、玩具じゃ、無い。
[空気を震わせ紡がれる鈴の音を想わせる声は凛と広間に響く]
自分の手で人も殺せない様な人間に、ナイジェルは渡さない。
やっぱり、あの時、殺しておけば――
[笑みが歪み弱々しく頭を抱え込んでしゃがみ込む]
「違う、違う、違う
私は、セシリアじゃ、無い」
[唇は戦慄き華奢な肩が震える]
この文章は本物で――
それが解っている上で、ローズマリーさんは、
ゲームだなんて、言うん、ですか?
人の命をかけての遊戯なんて、そんな――
そ、んな……
[反論は弱くなる。
一節目――「犯罪者諸君」――
ともすれば極刑によって命を落としていた人々の、
その命を――遊戯に使う、と。]
[ナサニエルが荒げる声に、甘い息を一つ吐き、]
私はこれを、やってきたもの。
悪運が強いみたいだから、
なぜか今まで生きてこれちゃってるけど――。
[――運が悪ければ、何度死んだかわからない。]
――アーヴァインさんの知人でもなんでもないから
100%とは言わないけれど――きっとね。
[その顔は、100%だと言っているのと同義のそれ。]
私達が──。
この会話が、手紙に書かれた超能力、と言うことなのかしら。
それから、人を襲う衝動に駆られるって…。
[そう言えば。今更になって思い出す。ワインを眺めていて血を見たくなったこと。あの時既に兆候が出ていたのか]
[ネリーは注射を打たれたことは覚えている。 しかしいろいろな事情が重なり、かなり暴れて取り押さえられた時についでのようにされた事が最も記憶に残っている。
ネリーはナイジェルに問いかけた。]
ねえ…あなたは…こういったものに心当たりは…ある?
[一人立ち去るルーサーに視線を向け。急に聞こえた聞きなれない声に視線をそちらに移す。色々ありすぎて頭が混乱し、ぽすりとソファーに座り込んだ]
「どうせ犯罪者だから」
「自分達は罪人ではない綺麗な身だから」
「生まれが高貴な神に選ばれた存在だから」
[それは理由なのだろうか、3つの言葉を声に出し。]
倫理の壁は時に容易に穴が開くものよ――。
[一拍の間を置いて。
ナイジェルから目を離すことなく淡々と話す。]
――もっとも、私がやってきたのは全て「同意の下」のゲーム。
意思のないものを巻き込むのは、褒められたことじゃないわ。
[されど表情は崩さずに。]
[慰み者と変わらぬ扱いを受け続けてきたからか、女の言葉等無くても其れが冗談等では無いと、本能的に察知している様子で頭を抱えて震え続け]
「厭、駄目、誰も、傷つけたく、無い」
[焦点を結ばぬ瞳がゆらゆら揺れ唇はうわ言みたいに厭と繰り返し、青の少女の声も、遠く、遠く、遠く、顔をあげれば泣き出しそうな表情で]
「違う、違う、の
私は、シャーロットを、傷つけたり、しない」
[緑の少女の声にのろのろと顔を向け]
「権力者は、何時だって、気紛れに、人間を、玩具に、代える」
[震える唇が告げる]
[ナイジェルが発した名前にネリーは少し驚いた。 そこから聞こえた言葉は、この屋敷に来てから始めて見知った名前ではなかったからだ。
ネリーは一度、床に置かれてあった少女を拘束していた諸々の器具を見たことがあった。 そのひとつの輪にある名前が刻まれていたことを覚えていた。]
ナイジェル…?
[出て行きざま、聞き覚えのない声が聞こえたような気がしたが。
沸騰しかけた頭では、それに疑問を抱く余地もなく。
ただ誰もいない室内でグラスに強い酒を注ぐと一気に飲み干して]
……殺すといい――殺せ、だと……
――……天よ、貴方はまだ私に人を殺せと言うのか……っ!
[カウンターへとたたきつけるように置いたグラスは衝撃で割れて。
夢なら醒めてくれとばかりに、突き刺さるのも構わず。
手の中に残った破片を強く握り締めると、ボトルから直接*酒を呷った。*]
>>42
よくあること…貴族の、お遊び…
[――まさか、他人に買われてから、これを強制されるとはね……
ローズマリーの呟きが、俄かに現実味を伴って耳から入り込んでくる。
大金でもって貴族に買われていき、気狂いじみた仕打ちに耐えられず死を選んだ身寄りのないナイジェル]
ばか、な…
[呟いた声は掠れていたのかもしれない。
自分の耳すらうまく届かなかったから]
[その耳が、今まで聞くことのなかった鈴の音のような声を捉える。
主を探して恐る恐る、目を彷徨わせれば――]
ナイ、ジェル?今のはおまえが…?
[だが少女は頭を抱えてしゃがみ込み、華奢な肩を震わせているだけ]
……人を襲いたくなる衝動には、まだ駆られてませんが……
符合としては十分じゃないですか?
こうして会話できることや、囚人ばかり集められていること。
[苛立たしげに破片を握りつぶし。]
[緑の少女に名を呼ばれるも其れはまるで自身を確認されている様で脅え紫水晶は揺れ]
「私は、セシリアじゃ、無い
誰も、傷つけたり、しない」
[男の声に泣き出しそうな顔のまま振り返り首を振り]
「違う、私じゃ、無い
私は、セシリアじゃ、無い
誰も、傷つけたり、しない」
[繰り返して蹲り]
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