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[すぅ、と深く吸い込んだ息は胸のうちへ支援を運び、仄かな菫の薫りをもたらす。
焼けた灰は携帯のアッシュトレイへと押し込めて]
…さて、どうしたもんか。
[煙草をはさんでいた指が髪を一筋絡めて壁から身を起こす]
定員に達しなかったため、村の更新日時が24時間延長されました。
〔無菌の持ち場から廊下へ出ると、微かに揺蕩い残る紫煙が香る。無意識に鼻がむずついて視線を先へ遣る―コーネリアスと目が合って〕
…死に方を念頭に置いて動く、…だな。
〔彼の呟きを拾ってか、歩みを緩め低く*応じた*〕
[問い掛けにゆっくりと首を傾け――細かいルールは判らないらしい――たのも束の間、崩れた駒の山からラッセルへと視線を移し、頷きの代わりに瞬き一つを返し敗北を認め]
ラッセルの、勝ち。
[賭けて無いけど、と勝敗に拘りは無いのか変わらぬ口調で告げ崩れた駒の一つを摘み、視線の高さに持ち上げて、黒い「歩」の駒から奥の頷くラッセルへと視線を移し]
裏と――…表。
[自身に紅い「と」の見える様に駒を裏返すと、ラッセルの瞳には逆の順で駒の絵が変わるのが映るだろう]
裏返ると、変わる。
人間みたい。
[ぱちりと盤に歩を置きながら同じ言葉を*繰り返した*]
既にこの旅に飽いていた者は多いと聞く。
モニターと首っ引きになる必要のない僕には、
幸いにしてわからんことだが――
〔言葉を途切れさせて、暗黒広がる窓方を見遣る。母なる蒼は幻にさえ現れず…結果、耐熱ガラスに映るコーネリアスの横顔を僅かばかりの間観察することとなり。得られたか得られずか、向かう先へと視線を転じる〕
……
医務室を見てくる。
〔無論報告の義務はないが、そう言い添えた〕
――廊下→医務室――
そう。
[頷いて]
確かに。人間は皆複数の自分がある。親しい相手にしか見せない面―それは本当に良い面?
[俗に言う『内弁慶』の様に身内にしか見せない悪い面もある―それでも気になる相手の裏を知りたいと思えるのが不思議だった]
[灯りをつけたまま眠ってしまった。
支障はないけれど、なんとなく体が重いような気がする]
闇は癒しでもある…?
[強化硝子を何枚か隔てた向こうに見える闇と光を見つめ]
ギルにでも聞けば答えの出る可能性はある。
訊いてみるべき……。
[伸びをして、着替えを始める。途中、ドアのロックがかかっていることを確認して]
うん。
[悠々と着替えを済ませると、自室を*出た*]
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