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[転がる玉を目で追いながら、浮かぶは一体何の笑みか。]
こういう音は、嫌いじゃないわ。
[何故囚人なのか――くすくす笑いながら台にもたれて]
――救ってあげたの。
人生に絶望した小さな女の子が、安らぎを求めて私の所へ来た。
死にたいの?って聞いたら、死にたいって言ったから。
[顔色一つ変えず、その少女を殺害。
クライアントの"所有物"だったということは知らずに。]
人の命を奪ったことはあったけど
罪に問われたのがその出来事だったというのも――。
[善悪の境など誰が決めるのだろう、とぼんやりと考え。]
<中>
なんだか一番最初に向こうへ行きそうな予感がするのですけれど(笑)
最近ランダム神は私を苛めてばかりですもの。
それに今のコンセプトで動くと皆と対立しかねなi(ry
/中/
一応言っておきますが、
シャーロットのナイジェルに対する「好き」は
まだ友達の域ですよ!誤解のないよう!
ここで言っても意味無いか!そうか!
[肩を掴まれるのに不思議そうに瞬くも、振り上げられる手に紫水晶は脅えに揺れ、小刻みに震えるも抵抗する事も出来ず泣き出しそうな顔で少女を見詰め、弱々しく首を振り、あげられた手が下ろされ投げられる問いに思案気に視線は彷徨い]
「好き、だから、傷、つけるって
自分の、痕を、残すって」
[視線は少女へと戻り]
「おかしく、無い
傷つけたく、無い」
[抱きつかれるのにも何の抵抗もせず大人しくなされるが侭に、瞬き問われれば近付いた少女の双眸を覗き、つられてか前髪の奥の紫水晶も瞬く]
「若し、嘘でも、シャーロットは、優しい
私は、今だけ、しか、判らない、から」
[キューを取り上げて。
転がっていった白い球で色球を一つ一つ落としていく。]
……成る程。
それで罪に問われたわけですか。
救ってあげたというのに何ともはや、皮肉なものですね。
[かこん、と軽快な音を立てて最後の球を穴に落とすと]
法の瑕疵とでも言うべきなんでしょうかね。
理由はどうあれ、人を殺せば罪に問われる。
――国に勧められたことですら。
……そっか。
[痕を残す――以前、彼女を愛した人の行為なのか、と。
だとすれば歪んだ愛情。けれど彼女が、それが歪んでいるのだと意識しているとは思えない。
けれど、おかしくない、と肯定を返されれば微笑み]
愛情表現には色んなものがある、とか、そんなお話なのかな。それが相手を傷つけることもある。――わたしは傷を作ってまでの愛情表現なんて、やっぱり悲しいな。
[抱き寄せていた手を緩めると、そっと彼女の手を取って、まだ痕の残る古傷を撫で、包むように両手で握る。]
ああ、そっか。
駄目じゃないよ。そう言ってもらえて嬉しいよ。
ナイジェルはわたしの、大切な友達だから。
わたしはナイジェルのこと大切にしたい。
ナイジェルにもわたしのことを信じて欲しい。
[自分でもその言葉が真実になればいいと思う。
唯、絶対と言い切れない。起こり得る発作。
心の底から大切な人を殺めた、あの衝動も真実だった。]
[次々にポケットに入っていく球に、その音に耳を澄ませ――]
……お上手ね。素敵な音をありがとう。
[皮肉も含みもない声で、小さく礼を言う。]
死を与えるよりも生を助けることが救いなどと。
誰が決めたんでしょうね。――ふふっ。
[楽しそうに哂う姿には、少女の件や他の件においても自分が悪いことをしたなどとは微塵も思っていないそれが窺えて。]
理由が必要ないのなら、裁判なんて何のためにあるのかしら。法律も所詮人が作ったもの……神にでもなったと勘違いしてるのよ。
[ルーサーの最後の一言にチラリと目線をあげ、]
それは貴方のことかしら?
貴方の神様は貴方を救ってくれなかったのかしら?
[災難ね――そう告げる瞳には光もなく。]
[恐らくは少女の想い描く様に其の愛が歪んでいると言う認識も無く、向けられた其れが愛情のカタチだと認識していただけに、少女の紡ぐ言葉を聴けば首を傾げ静かに見詰めて]
「シャーロットの、好きは、殺す事では、ないの」
[包まれる手へと視線は落ち空いた手をそっと少女の手に伸ばし、指先はまるで迷子みたいに遠慮がちに美しい手の甲、指の付け根の間接を確かめる様に滑り]
「何を、信じれば、良いか、判らない
でも、シャーロットは、好き、だから、信じたい」
[悪いことをしたとも思っていないが
良いことをしたとも思ってるわけでもなく。]
目の前の人間が、死にたいと言ったから好きにすれば?と言った。
殺してほしいと言うから、殺した。
ただそれだけのこと。
[根本的に考え方が違うのであろう二人。
けれど彼女の言葉に耳を傾け、
少しずつでも理解していけることが嬉しい。
菫の少女が紡ぐ、言葉。
僅かに目を見開いて。]
――殺す、こ、と
……わたしはそんな心算じゃなかった……
どうして殺しちゃったのか、今でもわからない……
[肯定とも否定とも取れぬ言葉を返し、ゆるゆると首を振る。彼女の指先が、自らの手を伝う感触が心地良かった。嗚呼、何故自分は目の前の少女をこんなにも盲目的に信じているのだろう。彼女が被害者のようだから?――彼女が此処に、居るのは何故?]
ナイジェルは――何か、罪を、犯したの?
――どういたしまして。
[キューを置くとカウンターに戻り。
スツールに腰を預けながら]
人権というものが生まれてからでしょうね。
前近代にはそんな思想は無かったと思いますよ。
[楽しそうに笑う女に、別段訝しむ様子もなく]
……裁判なんてものは、人に罪の名前と刑期を与えるためにあるんですよ。
罪人の言訳を聞く場ではない。
――さぁ、どうでしょうね。
不信心な教徒を救うほど、主は暇じゃないかもしれませんね。
[――わからない…]
「そっか」
[其れ以上は問う事も無く、けれど脅えた様子も無く、少女の美しい手を見詰めた侭、迷子の指先は少女の爪のカタチを一つ一つ確かめる様に、指から指へとそっと伝い歩き、問い掛けに薬指の爪をなぞっていた迷子の指は止まり、顔をあげれば浮かぶ甘く艶やかで冷たい笑み]
「セシリアは、壊れて、壊して、殺されて、殺した」
[彼女の指先。迷子の遊戯のよう。
神経の集中する指先に触れられていると、
ほんの少し、ぞくりとする。
彼女は顔を上げて。
美しい紫水晶。
怖い程に綺麗な、冷笑]
……、
[刹那言葉を失って。
あのプレートを思い出す。ceciliaと彫られたプレート。]
壊して、コロシテ、殺されて、コワレテ――
――ねぇ。
“セシリア”って、誰。
[カウンターに戻る姿に、そういえば自分はバーカウンターに来るために来たんだとを思い出し、くすりと笑う。]
人権――ね。
死にたがる人を死なせないことは人権侵害ではないのかしら。
生きたい人は生きればいい。死にたい人は死ねばいい。
誰かを救いたいなんて気持ちはさらさらないけれど――
目の前で懇願する人がいたら、或いは。
[笑みはどこまでも深く、どこまでも妖艶で。
カウンターで勝手に酒を漁り、水割りを作るとスツールに腰掛け]
――そうね。
信心深い他の誰かを必死で救っているのかも。
[グラスに煙草をちらりと見て。
信じれば救われる、などと微塵も思っていないけれど。]
他人の手で終わらせる権利は無いという解釈なんでしょう。
まぁ都合のいいときだけ出てくる人権の尊重なんざ知ったことじゃないですけど。
[敵と見なされた瞬間から、人権などというものは消失する。
そんな世界など、ごまんとあるのだと。]
――一寸だけ、楽しそうですね。
例えば私が今ここで救いを求めたら――
貴方はその笑顔のままで私を殺すんでしょうかね。
[視線には気付いたものの。
今更言訳などできるはずもなく。
開き直るようにシガレットケースを取り出し]
………
[問いかけに前髪の奥で微か眼を細め、一旦は開きかけた口を舌が湿らせふるふる首を振って瞬けば何時もの様相で]
「セシリアは、悪い子
怖いから、壊れた」
[問われる意味合いと答える意味合いは噛み合ってはいないのだろう]
「セシリアは、酷い子
痛いから、壊した」
[淡々と唇は言の葉を乗せ少女の手を迷っていた指先を自身の胸元へ引き寄せ]
「殺されて――」
[胸元から手を離し少女に見えるよう広げ掌には生々しい刃物でも握った様な傷]
「――殺した」
[一つ一つの言葉。
少女の唇を見つめて。
彼女の胸元。掌の傷。
全てを目で追いかけて、こくん、息を呑む]
怖かったんだ。
痛かったんだ。
[彼女が広げた掌。
片手を手の甲に添え、
もう片手で、そっと傷を、なぞる]
――殺したセシリアは
[なぞる指が、示すように、とん、と
軽く傷痕に触れ]
此処に居る?
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