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[途切れ途切れに通路に現れては消える揺らめく姿は、生前より一層に浮世離れした不確かな歩みかも知れず、最早創られた重力に囚われる事も無く壁に遮られる事も無く、カプセルに鎮座する眼球の元へ辿り着く]
――…
――…おかえり…
[背を向けていた扉が開き部屋の主の戻る気配と声に、姿は揺らぎ主たる男へと向ける貌は、仄かな微笑を浮かべ]
――…君が居る。
[誰にとも無く呟かれた投げ遣りにすら響く問い掛けに聴こえる筈の無い答えを囁く頃には姿は揺らぎ、交互に伽羅と紫苑の煌きを放つ双眸は眼球の入ったカプセルを見詰め]
君も、居る?
[聴こえる筈も無い問い掛けに応える声がある筈も無く、静寂を妨げるのは部屋の主たる男の微かな息遣いと活動音のみで、明滅する光と闇の渦を内包する姿は言葉を紡がなければ身じろぐ気配一つ無く]
〔冷たい通路に横たわる亡骸、屈み込んで嘆く男の声。
いつしか遠巻きに佇む白衣姿の此方は、ギルバートと
コーネリアスを暫く眺め遣った後に―億劫そうにインカムのスイッチを入れる〕
…D-7通路に遺体袋とストレッチャーを頼む。
Nicholas Gilbertが死んだ。
〔喉の渇きを憶えながら、伝える声を発し〕
〔声は皆へ向けての文字メッセージに変換される。
続けてまだ泣きじゃくっていたコーネリアスへと声を
かけようとして、インカムからのエラー音に気づき〕
――…、? …
〔システムは、メッセージを受け取るべき者の一人が端末を通信の届かぬ船外へ持出していることを告げる。〕
Cecilia …Vaughanか? 船外…
〔軽い混乱――〕
―回想―
[嘆く男の傍らに膝をつき目覚めぬ男の寝顔を見詰めているうちに、新たな気配が近づいて来るのに姿は揺らめき、伽羅と紫苑の煌きを零す漆黒の双眸は、借り物の眼球を生前の亡骸に施した白衣の男を捉える。
亡骸の男の始末の為に通信をする男の続き紡がれる言葉に姿は揺らめき、次に現れた姿は傍らの白衣の男の抱く軽い混乱と同様の想いを抱いて不思議そうに首を傾げた]
―現在―
[生者には見える事の無い揺らめく姿は其処に何も存在しないかの様に、眼球の入ったカプセルの傍らに静かに佇み目蓋をおろす]
――…
[生前と同じく口唇だけが何事かを小さく囁く代わりに姿は揺らめき声は発せられる事無く、其れを読み取れる数少ない部屋の主たる男にも揺らめく姿すら見えはしない儘に]
―自室―
[眠る気にもなれず、ただ壁にもたれて座り込んで居ると通信が入り眼を通す]
―ギルバートが?
[何故と思うと同時に彼ならありえそうだとも思い―衝撃も混乱も何処か遠いままに返信する]
了解―誰がやった?
学生 ラッセルが「時間を進める」を選択しました。
[窓辺に立ち、縫い止められたように視線は闇へ。]
……――。
[ハーヴェイから通信が入る。
けれど返事もせず、その場からも動かず、
視線だけは闇から逸らじ彼゙を見つめ。]
[白衣の男の傍らで彼が通信機に向かい紡ぐ言葉を聴いて居た筈なのに、透明な板の向こうに広がる闇を見詰める男の傍らで、其の通信を受け取る気配に姿は揺らぎ、伏せられていた目蓋は持ち上がる]
――…君か。
[半ば予想はついていた口振りで小さく呟き、男の視線が注がれる眼球の仕舞われたカプセルの傍らに立ち、還る筈であった星の色を宿した眼差しを見詰めるも、伽羅と紫苑の煌きを零す視線と交わる事は無く]
〔何れ誰かが運んでくるストレッチャーが通りやすいように、部屋の扉を開け放つ。ふわりと硝煙の香りが其処から逃げ〕
…Cornellius Northanlights.
〔ラッセルの通信に応えるのと、その名を持つ人物への呼びかけは同時に。半ば自殺幇助であろうことは、勘の良いラッセル故に態々告げはせず〕
――解体作業は、僕が適任だろう。
〔医療キットからレーザーメスのコードを引出す
―ピィ、と軽い音。〕
―そう。
[少し意外だったが―良くは知らないが他の者達とは違って彼にそんな度胸があるとは思えなかった―ハーヴェイが嘘を吐く理由も無いと判断する]
…ああ。Russel Saul,あれは…
〔伝えかけて、ふと胸元へ視線を遣る。胸ポケットからボイスレコーダーを取出して、慣れた様子で片手で操作し――インカムのマイクへ近づけてギルバートの声を再生する。
中核部でトラブルがあったら、ラッセルを頼ると好い―〕
お前を高く評価していたようだ。
[交わる事の無い視線に姿は揺らぎながら刹那仄かな微笑を浮かべ、生前カプセルと共に返した煙草へと伽羅と紫苑に煌く眼差しを注ぐ]
其れは――…君の色。
[静かに囁く言の葉は淡々とし過ぎて逆に何処か奥底から溢れる感情を想わせ、揺らぐ姿は顔をあげ部屋の主たる男の奥の透明な板の向こう側に広がる闇と点在する無数の光を見詰める]
ずっと、見えなかった。
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