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[やたらと長い廊下に、それなりに広い間隔を保って並ぶ、しかし幾つあるのか分からない扉。
いきなりススっと壁の一部がスライドして、中から召使の一人がリネン類の山を持って現れた。そのまま召使はてくてくと廊下を歩いて、近くの扉へと入っていく。
しばらく後。
召使が出てきたのと同じ隠し扉がまた開き、今度は長身の人影がすべり出てきた。
人影は軽く周囲を見回した後に、内ポケットから紙片を出してそれと見比べている。
言わずと知れたクインジーその人である。
長めの髪を紐で束ね、黒装束でこそ無いものの、動き易い服装に着替えている。]
これは思った以上だな・・・。
[少々、うんざりしている、かも知れない。]
[昨日のコーネリアスの提案、そして鋭く突っ込んできたナサニエル>>323のことを思い出す。]
早々のんびりもして居られんしな。そろそろアーヴァインの奴も動く頃合だろうし・・・。
[『それまでに逃走経路を確保しておきたいしな』とこれは声に出さずに。]
そう言えば。
あいつらはアーヴァインには娘は居ないって知らんようだったな。
[ラッセルの意気込みを回想し、思い出し笑い。]
[更に、事の真相を知って驚愕する様を想像して、思わず爆笑しそうになり、口と腹を押さえて耐える。
廊下の壁に額をつけ肩を震わせていると、取り替えたシーツやタオルを持った、怪訝な顔の召使がその後ろを通り過ぎていく。
・・・・・・我に返って笑いを止めた。
その頃既に屋敷の一室で、件のラッセルが世にも恐ろしいその「真相」に直面していたとは*露知らず。*]
[結局まともに眠れないままで朝を迎える。
今更に零れる欠伸と共に浴室へ]
[手早く済ませ、髪をタオルで拭きながら寝台の横まで戻り。
少しだけ其処に眠る人物を見詰め、溜息]
…酒、貰ってこねぇとな。
[空にしたスキットルを手に、頭にはタオルを被ったまま。
がちゃり、扉を開けば]
[目の前には肖像画の男]
[いや、肖像画は余程苦心して描かれたのだろう。
肖像画の其れよりもかなりアレな人間が其処に居た]
[完全に言葉を失っている...の様子など気にした風もなく至極楽しげなこの屋敷の当主が...の頬を撫ぜようとして。
咄嗟に一歩後退することで其れを避ける。
避けたのは本能的に危険を感じたからだろうか]
[其れでもアーヴァインが楽しげなのは、...の後ろにある寝台が見えたからなのかもしれない。
機嫌を損ねた風もなく悪夢のような真実を告げ。
時間が迫っているのか早々に部屋を去っていった]
[昨日の今日で聞いてしまった所為だろうか]
……冗談じゃねぇ…
[呪ったのは自分の体質]
[その場で崩れ落ちそうになるのを何とか留め。
兎に角スキットルの中身を補充にと*厨房に向かった*]
[広間の隠し通路から自室へ転がり落ちること数時間。何処からか聞こえて来た断末魔によって、...は目を覚ます]
じっ…じっちゃん事件です!…って夢…?
[もそもそと起き上がり、床に手を着けばまたあの隠し通路]
…え?また?
[肖像画の彼が部屋を訪れる直前に、...の体はからくりへと引き込まれていった。]
[辿り着いた所は、...がずっと捜し求めていた書庫で。
鼻をくすぐる独特の古書の匂いに、転がり落ちた時にぶつけた手足の痛みなどすっかり忘れ]
やった!念願の書庫に辿り着いたー!!
[行き帰りの道順など解らないまま、とりあえず喜んでみたり]
わぁ…。やっぱり噂は本当だったんですね…。
[みっしりと立ち並ぶ本棚一つ一つを見上げ、うっとりと甘い溜め息を漏らす。その姿をこの屋敷の主が見たら、即駆けつけ熱いベーゼの一つでも贈ったのだろうと思うは、遠くで眺める司書だったり。]
[しかしそんなことなど露知らず、...は持参の手袋を嵌め、丁寧に本を取り出しては中身を確かめる。至福の時と言うのはまさにこのときを指すのだろう。]
はぁ…幸せだなぁ…。
これで見合いパーティーとかの騒ぎがなかったらもっと幸せなのに…。
[先程とはまた違った溜め息を一つ吐き出し、...はふと重要なことに今更ながら気づく]
あれ?アーヴァインさんって、娘さんが居た?――っていうかあの人…結婚すらまだなんじゃ…。
[知らぬが仏である。]
えっ…えっとー…取り合えず、本を見なきゃね!本…本…
[気付かなければ幸せだったのであろう事実を知ってしまった...は、平常心を保とうと本を漁りだす]
あ、何だろうこれ。えーっとぅ?…うはっ!『麗しきアーヴァイン家の歴史』だって。
[怖いもの見たさでページを捲る]
ちょーっ!!アーヴァイン家って男色の家系ですか!ってか花婿?って何…。しかも皆…男…?って子供は……?
………
……
…
。
世の中知らない方が良い場合ってのも、いっぱいあるよね。
[気が遠くなりそうになりながら、本を閉じる]
[パタリ]
…。知らなかった方が幸せって場合あるよね…。
ちょっと頭冷やしてこよう…。
[...は書庫を出ると、迷わず中庭へ。そしてベンチに座り溜め息を吐く。そこに至るまでの*本人の記憶は無い*]
書生 ハーヴェイは、ランダム を投票先に選びました。
[気がつくと、あたりは真っ暗闇の中庭で。...は自分がどうやってここまで来たのかを思い出そうとしてもなかなか思い出せないことに]
Σ これもアーヴァインさんの呪い?!
[的外れなことを考えてみる]
でももう夜だし、こんな所に居たって寒いだけだしなぁ…。取り合えず広間に行けば、見合いの事とか何か情報が入るかも…。
[ベンチから立ち上がり、屋敷の方角を目指して歩きだした]
[現時間よりも暫く前のこと。
厨房でスキットルに酒を補充してもらう。
何が良いかと問われ暫く悩んだ末、選んだのはシェリー。
其の中でも更に大量のタイプを羅列されたが途中放棄。
飲み易そうなのを適当に、と頼んだ]
[パロ・コルタド(VORSらしい)と呼ばれるシェリーを満たされたスキットルを受け取り、部屋に戻って服装を整えてから屋敷内散策へ。
適当に探る途中、ふと彫刻の台が目に入る。
回転するのはこれだったような]
…いやこれ普通気付かんだろ。
[確かに擦れた痕はある。壁と台の境目もある。
しかし知らなければ良く見たとしても見逃してしまいそうだ]
[暫く彫刻の台を色々と見て居たがやがて其処を離れ。
壁に手を触れさせながら歩いていく。
結局何もないまま、辿り着いたのは書庫]
……やっぱダメか。
[一つも仕掛けを見付けられず、溜息が漏れた]
[中に入ればいつもの司書が其処に立っている。
ひらと手を振って其の横を通り過ぎ。
ハーヴェイと擦れ違いになったことは気付かずに。
色々と疲れたのか、机の一つで顔を伏せて*眠っている*]
―ハーヴェイが中庭に来る前の話―
よし、行くか。
[男は腹をくくって、落とし穴に身を躍らせる。]
[しかし方向を色々チェックして、変な場所に出たり色々したようだった。]
……だいぶ埋まったが
[どっと疲れが出たのはなぜだろうか。]
―そして今・広間へ向かう途中―
しっかし見づらい地図だ。
[薄く文字が写っているのに気づく]
……ま、読めはしねーだろ。
然し。
アーヴァインの婿探し……
誰がターゲットにされるやら
[浮かんだ顔は流石に可哀想だと思わなくもなかった]
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