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[修道女の言葉に頷いて]
「ありがとう、助かる」
[服どころか何一つ荷物も無い状態で連れて来られたけれど、これから先の着替えも考えなければいけないかと、血に湿り始めた黒いタートルネックの胸元を軽く撫ぜゆっくりと瞬き、少女が自身の貰い受けた名を紡ぐのにふわと微笑み返し]
「傷は、無い?」
[見えぬ部分にも痛みが無いかと少女を見詰め、修道女が少女に名乗るのに口の中で修道女の名を繰り返せば、続く呟きにまた一つ頷いて]
「名前、ナサニエルに、貰った」
[移した視線の先の男は先程から聖職者に対して幾らか視線が冷たい気がして見詰めるも直ぐすぃと逸らす]
ありがとうございます。今までこのような事がいくばくかあったので…
ここは開放感のある所なのですね。
[ネリーは座ったままの姿勢で皆へ向けて深くお辞儀をした。]
ナサニエルさんも初めまして。
>>220
おまえこそ、傷がひどかったりしないのか…ナイジェル。
[冷たい視線を気にしたように目を逸らされたことも知らず、撫ぜるのは痛みのためかとタートルネックの胸元を見やりながら]
>>221
あんたもなァ、開放感があるったって…
[初めましてと礼儀正しく深くお辞儀をするネリーが、ポンチョのような布きれの下に身に着けていたものに目を瞬かせて]
…もうちょい、どうにかしたらどうだ、服。
ここにゃ何でも不自由しないだけのものがあるようだから、クローゼットを漁るくらいしてみりゃいい。
[このような事がいくばくかあったと聞けば、抱えるように頭に手をやって]
最もその格好がネリー、あんたの趣味だってんなら強くは勧めねぇけど。
>>222
ありがとうございます。
ええ、手のほうは大丈夫です。気になったらお願いにあがります。
[ネリーは周囲にいる人々を見回した。
誰かがリーダーシップをとっているようにも思えない。皆、何かしらの共通点があるのだろうか。]
あの…皆様がここへ来た理由などは、おありなのでしょうか。
[ネリーは自分を心配してくれる人々が少し嬉しかった。 手は少しだけ痛かったが、それよりも気になることがあった。
ここに来てまだ立ち上がってない。立ち上がれるようにはなったのだが、立ち上がりたくない、というのが本音か。 そう考えていたら顔に出たのかナサニエルに声をかけられた。]
やっぱり…服は少なくとも…
[ネリーはかぼそく呟いた。]
[女に名が無かったのかと言われ頷けば続く言葉で詮索される様子も無く、微笑みと共にかけられる褒め言葉に嬉しそうに口許を緩め微笑み]
「ありがとう」
[自身の傷の具合を気にされるなんて思いも依らず男をきょとんと見上げ]
「慣れてるから」
[これでは大丈夫とは思われないだろうかと言葉を探し]
「其の内、治ると、思う」
[痛みを感じない訳では無いのだろうけれど、慢性的な傷に痛覚は鈍っているのかも知れず、男の少女にかける言葉に後でクロゼットを探してみようかなんて思案していれば、少女の言葉に一つ安堵の溜息を漏らし]
「良かった。
此処には、アーヴァインに、連れて、来られた」
[目を閉じて、エントランスの声を聞くともなしにある程度聞いたところですぅっと目を開けて立ち上がるものの、途端に片手をテーブルにつき、荒い息を一つ吐いて嫌な汗がしたたるのに不快感を感じ眉を顰める。]
――そろそろだとは、思ったけど。
[何とか立ち上がって、たくさんあった個室のうちの一室を借りようとゆっくり2階へと向かい、選んだ部屋の中へ入る。
現在の症状を手帳らしきものに簡素に書き写せば、汗を流そうとシャワールームへ。コックをひねって出てきた冷水を浴びながら上を向き、身体に染みわたらせるように瞼を閉じる。]
[『そのうち治ると思う』の言葉が右耳から左耳へ抜けていった。 彼女も自分自身と同じような事があったのだろうか。]
私も…慣れてる、のかしら。
私はアーヴァインと言う人に連れられました。理由は…わかりません。では皆様同じ理由でここに集められたのでしょうか?
[周囲の喧騒も我関せずに優雅にティタイムを楽しんでいた女が、客室の方へと戻っていく様子は何処か何時もと違う印象で、一拍だけ其方を気にして見詰めるも、男と牧師の会話に其方へと僅か不安気な視線を移し、男の問うような呟きに黙って瞬き、唇を噛むのを見詰め瞳は揺れ]
「ごめんなさい」
[俯いた男に唇の動きは読めたか判らないけれど]
[ナサニエルの声は聞こえていたが、肩を竦めるばかりで。
扉に手をかけて押し開けると、そこは廊下のようだった。
手近な扉に手を掛けてさらに中へ入る。]
……ここは……使用人の控え室、か?
[質素ないくつかのベッドと、クローゼット。
中を開ければ使用人用のものだろうか、服が数枚入っているが――]
……何だか趣味を疑われそうだな……
[誰にともなく呟いて。
どうしようかと考え込む。]
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