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[少女は自分のみあるいはごく少数の者だけが拘束されているのか、との念にかられた。
両足は勿論、肌に当たる手首を考えれば、両手も頑丈に施錠されているのは間違いない。
アーヴァインの嗜好なのだろうか。]
[部屋を片付け終え、一息つくと部屋を出る。やや賑わうエントランスを階段の上からしばし眺め、階段を下りて行った]
…また、増えてますのねぇ。
[見慣れぬ青髪の男。拘束された緑髪の女。柔和な笑みを湛えて「初めまして」と挨拶し、皆のところへ歩み寄る]
ああ…ありがとうございます。
[手錠ぐらいはされるかと思ってはいたものの、ここまで厳重なものを施されるとは思ってもみなかった。自らの内に思い当たる節は…と考えるべきよりも、他者と比べて自らへの仕打ちは少し考えるものがあった。]
[知識をたくわえてそうな男性、少し儚げさをたたえた少女、緑髪の青年、清楚な女性と少女のもとへ集まってくる。
皆同じ理由でここへ来た人達なのだろうか。]
今回の設定。
ステラ=ドゥースト 26歳
罪状:殺人罪他
手段:聖水と称した毒薬。様々な毒を扱う。呪術的な毒も使用。
背景
呪術を扱う家系に生まれる。依頼があれば呪いや暗殺も請け負う殺人一家。
ステラもそのしきたりに則り技術を得ていく。
教会を隠れ蓑に活動し暗殺を請け負ってきたが、ちょっとしたヘマをして捕まってしまう。
毒の調合とその実験が趣味であり、過去に色々やったようだ。
人を殺すことに悦びを感じること多々あり。
[牧師が拘束を解き始めるのに手にされた針金に身を竦めるも、少女を気遣う様に視線は逸らされる事は無く、男の声に顔をあげれば其の面に乗せられた微笑みと、初めて見る優しげな瞳の色に瞬き、嬉しそうに頷いて、背後からの声も聴き覚えがあれば幾らか警戒や怯えもマシなもので]
「こんばんは、服、血が、着いちゃった、ごめんなさい」
[修道女へと頭を下げけれど少女の状態が気になるのか視線はまた其方へ]
足だけじゃなく、手もか…
[うつぶせ姿で、手も使わずなんとか身体を起こす少女を目にし、アーヴァインの嗜好を思ってか不快そうに眉を寄せる]
暴れようにも、こんな力もろくになさそうなお嬢ちゃんにね。
[そのように眺めていると、解けるという言葉通りにルーサーは曲げた針金を、少女の足枷の鍵穴らしい部分に差し込む]
……っはは。
あんたの仕事の何に、そういった技術が必要なんだか。
神を十字架から解いてやるためにか?
[盗賊の技術と言い表す方がよほどに合うその姿に皮肉ぶって口の端を吊り上げていると、降りてきた女ときたら――修道女姿]
…何なんだか。
ここは恵まれない子ども達を集めた、聖職者による慈善パーティー会場か?
[降りてきたステラに目礼して。
暫し金属同士の触れ合う音をさせていたが、やがてかちゃりと音がして。]
……はい、完了。
手も拘束されてますよね。
……ええと、ポンチョは脱がせても大丈夫ですか?
[少女が服を着ているのかどうか、ちらりと見ただけでは分からなかった]
[少女の背後で自分よりも格段に大柄な青年がカラカラと笑う。 またどこかへ連れて行かれる、運ばれるかもしれないと感じ、一瞬前進を強ばらせた。]
私は…
[私は、と言ってからごく僅かの時間があったのは気のせいだろうか。]
私はネリー、ネリー・カルーと言います。
[足の拘束が解かれるのに小さく安堵の溜息を漏らし]
「ありがとう」
[顔を上げ言葉をかけた牧師が男へと冷たい視線を送っているのに、紫水晶の瞳は怯えの色を浮かべるも、少女が名を名乗るのに瞬き自身の胸元に手を置いて]
「ナ・イ・ジェ・ル」
[読み取れるだろうかと少女の顔を見詰めたままゆっくりと唇が名を紡ぐ]
お見事!
[それでも少女が鉄球から解き放されれば、泥棒が金庫を破った仲間の手腕を称えるような揶揄の仕方で、口笛を吹いてやるが]
………。
[冷たいものを湛えた視線でルーサーに軽口を返されると、返す言葉も見つけられずにぐっと言葉に詰まって睨み返すだけ]
…飾りはともかく、赤ワインにパンくらいなら厨房で見たぜ。
おまえも腹減ってんじゃねぇの?
[自分の笑い声のせいなのか、全身を強張らせたようにも見えるネリーと名乗った少女に目を向けると、ともかく顔つきは普段の愛想はないが険もない表情に戻り]
ああ、ネリーってのか。オレはナサニエル。
[ネリーは背後にいる聡明そうな男性に声をかけられ、返事をする。]
は…はい。お願いします。
[足の戒めが解かれたことから、少しだけ開放感を覚える。]
[ポンチョのような布きれの下は、身につけているものはあったが周囲の身に纏っているものに
比べれば、文字通り比べようもないものだった。両手につけている金属のほうが何倍も手の込んだ、金銭的価値のものがあると思えるほどだ。]
ナイジェル…
[ネリーは微笑みをたたえた少女の視線と口の動きを感じ、無意識的に言葉を発した。]
[緑髪の少女が名を名乗り、周りが名を名乗り返すのを聞いてから]
ネリーさんですのね。
私はステラ=ドゥーストと申します。
[相変わらず微笑みながら返し。菫髪の少女がプレートに書かれた名ではなく別の名を名乗るのを見て]
あの名は貴女の名では無かったのですねぇ。
[誰に言うでもなく呟いた]
[ナサニエルの視線を涼しい顔でやり過ごし。
ネリーの言葉に一つ頷くと]
……では失礼しますね。
男の手ですみませんけど。
[ポンチョを脱がせると、後ろ手に拘束されているそれを見て。
先程と同じように針金を鍵穴に差し入れると探るように動かす。
程なくしてかちゃりと錠の外れる音がして。]
はい、はずれましたよ。
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