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少ないとはいえ、人が一同に介してますしね。
一人殺してる間に他にやられるのがオチです。
夜まで待つなり、何なりしないと……
[自分とシャーロットの間に割って入る姿にくすりと笑みを漏らし]
別に、何もしやしないわよ。可愛いことするのね。
[と、動じることなく愉しそうに笑う。
シャーロットへ向き直れば]
――そう、犯罪者。だから集められた。
貴族の世界じゃ犯罪者に人権はないんですって。
これ以上罪を犯しても刑に代わりがないのなら、
いっそ首までぬかるみに浸かってみるのも悪くないかもよ?
……なんてね。冗談よ。
[おびえた瞳。けれど真っ直ぐに見上げてきた澄んだ瞳。]
死にたくない、殺したくない――そうねちょっと我侭かもね。
でも、嫌いじゃないわよ。そういうこと言うの。
[するりとシャーロットを解放すれば、ソファにまた腰掛けて。]
[薬箱を抱えて右足を引き摺り戻れば周囲の様子に居心地悪そうに、青の少女の傍らへと歩み寄り、おずおずと薬場をを差し出して]
「お願い、しても、良い」
[ルーサーの声に気づけば、神妙な面持ちで。
声のトーンを落として紡ぐ。]
ルーサーさんは昨日のこと、知らないんですね。
わたしも詳しくはわかりません。
ただ、ナイジェルにはもう一つの人格がある……
それが、セシリアという存在なんじゃないか、って。
……でもナイジェルは、
……セシリアは死んだ、とも前に言っていた。
[わからない。零すような呟きが残響のように。]
一人のところを狙うのが、妥当かしら?
シャーロットさんやナイジェルさん、ナサニエルさん辺りは固まって居そうだもの。
夜になってもそれが難しいなら…私の香水を使うけれど。
更に罪を重ねて、実際に与えられる刑が変わらないとしても
――でも神様は違うと思う。
そうですよね、ルーサーさん。
罪を重ねれば重ねるほど、その罰は重くなると……思うんです。
[違いますか?と話題をルーサーに振っては、再度ローズマリーに目を戻し]
って、冗談?……もぅ。
わたしはそんなぬかるみ、やです。
[ぷぅ、と無意識に頬を膨らませて。
解放されて、小さく息を吐き]
嫌いじゃない――ですか。
……なんていうか、えと……ありがとうございます。
あ……おかえり、ナイジェル。
[その様子はいつもの少女の其れで。
どこか安堵した様子で微笑み、頷いて薬箱を受け取った。
テーブルに箱を置いて、消毒薬と包帯を取り出し]
えっと、ちょっと沁みるかもしれないけど、
我慢してね。
[片手でナイジェルの手を取り、もう一方の手で消毒液を滑らせていく。痛くない?と相手の様子を窺いつつ]
包帯は薄く巻いておくね、あまり厚くすると不便だし、
通気性も悪くなっちゃうし。
[言って、くるり、くるりと彼女の手に包帯を巻いていく。
手当ての知識はあるようだ。唯、実際に巻いていく包帯は、少々不器用さを感じさせるが。]
……これで、よしっ。
[神様……神様がもし本当にいるのなら、
こんなことをし続けている自分はとうに見放されているだろう。]
人が人を裁く――これも権力と正義を纏った人殺し。
死して尚罰が下るなら、神様はどんな罰を与えるんでしょうね。
[誰にともなく、呟いて。]
ぬかるみが嫌なら、精々這い上がるといい。
[――私みたいになる前に。
そうして席を立つと、水を飲みに一旦厨房へと足を運ぶ]
[ソファに戻っている女へと向き直り]
「さっきは、ごめんなさい」
[青の少女に促され席へと落ち着き、消毒されている間も薬は沁みているのか眉一つ動かさぬ侭に、気遣う様に問われればふるふる首を振って、大人しく治療されていくのを見詰め、少々いびつに包帯の巻かれた手を握って開いて確認し、青の少女へと向き直りふわと微笑み]
「ありがとう」
……さぁ。
教会にはあんまり、行った事がなくて。
[ローズマリーの呟きに、何処か的外れな言葉を。
神。――縋ることはあったけれど、実際に信心深いわけでもなく、聖書すら流し読みした程度でイエスの教えも多くは知らない。唯、神という虚像を作り上げ、自ら歓びや戒めを見出しているだけなのかもしれない。]
ぬかるみは、一人で這い上がるのはきっと難しい。
でも嵌ってしまった人に手を伸ばしていれば
きっと自分がそうなった時にも
誰かが手を伸ばしてくれる。
[厨房へ向かう彼女の背。届かなくても良い。
自分に言い聞かせるように、紡いだものだから]
…いつごろ衝動が起きるかによるのかしら。
面倒だわ。
皆が起きてる間に起こるようなら、考えておかないといけないわね。
[ホルダーから空の小瓶を取り出し手で玩ぶ。少し力を入れるとそれた容易く割れてしまい。手の中で粉々になってしまう]
…まぁ、追々考えようかしら。
[破片をホルダーの小さなスペースに仕舞い込むと、ゆっくりと紅茶に口を*つけた*]
[厨房へと向かうところでナイジェルの視線を感じれば
謝罪の言葉が窺えて。]
……別に。あなたがしたわけでもあるまいし。
それに、不愉快でもなかったわ……案外素直ね、彼女。
私こそ、素敵なティータイムを邪魔してごめんなさい?
[やんわりと笑みを称えてそう告げると、あぁそうだ、と言ってナイジェルの耳元へ口を寄せ彼女にしか聴こえない小さな声で]
私は、シャーロットを、殺さない――
[いつか誰かが言ったように、少し真似をして、くすりと妖艶な笑みで彼女を見れば、口を離し、*厨房へと*]
[牧師の視線に気付き僅か俯いて]
「私は、セシリアじゃ、無い
セシリアは、あの日、死んだ」
[女の寄って来るのに僅か身を竦ませるも、耳元で囁かれた言の葉に瞬き、問うより先に厨房へと消える女の後姿を見詰め、訳の判らぬ侭に青の少女の隣へと落ち着き少しだけ其の横顔を見詰め、冷め始めたパンケーキを取り分けティカップに唇を寄せる]
「ふぅん?」
セシリアは、ローズマリーを、殺さない?
「愚かだけど、態々嘘を吐く様なタイプでも無いしね」
良かった
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