――夜・保健室前――
[けれど、私は結局その判断を後悔した。
あるいは、感傷だというのは間違いだったんだな、と気づいた。
この選択は只の失敗だ。でなければ、只の不運]
……何をやってるのかしら。
[否応もなく、溜息が唇からこぼれていく。
私が目にしたのは、教官であるソフィーを抱えて保健室に入っていくナサニエルとその後ろに従うコーネリアスの姿。
そして伝わってきたのは――]
……まったく。厭なんだけどな。
[何か悲鳴のような声と、変に緊張したような奇妙な空気。
たぶん、私の表情はその瞬間、渋い木の実に当たった子供のように歪んだことだろうと思う]
……ふぅ。これも訓練の一環って訳なのかしら。