――夜・自室→廊下――[特に夕食を摂る気にもならず自室に居たものの、本棚に納められた本はどれもが楽々と暗誦できるくらい読み返したものばかりだった。音楽ディスクもまた同様で、映像ファイルは申請が必要だった。そんな時間の退屈しのぎという訳でも無かったけれど、私は何となく収容所の中を散策してみる事にした]誰か、いるかも知れないし。[私は“誰か”と遭いたい訳でもなかったのに。言葉は裏腹だった]