[保健室にはいない。家庭科室にもいない。準備室にもいない。うろうろ。
そういえばナサニエルも見ていない。
教官を見ないのは問題無い。多分すれ違ってるだけ。
ナサは?いつのまにか、挨拶も無くいなくなる事。
…いや、大丈夫。ナサが居なくなる前には自分が居なくなってるよ。そう思ったのは初めてではないのだけれど。
それが裏切られた事も何度もあったわけだけれど。]
…くぅん。
[ビニール袋に包まれたクッキーがかさかさと音をたてて
それが悲しくて泣く犬みたいな声が出た。
ごしごしと目をこすって、目の前にあるのは図書室。
からからと控えめな音をたてて中に入ってみた。]