[気配の近づいて来るのに緩やかに視線は移り]居た。[殆ど口唇だけが呟きセシリアへと歩み寄り]セシリア。[呼び掛けと云うよりは寧ろ挨拶に近い声音で声をかけ、漸く彼女の問い掛けに対する回答を探すべく思案気に首を傾げ、先程まで見ていた透明な板の向こう側へと視線を戻し]色を――…[探してた、と何時かラッセルにも告げた言の葉を小さく囁き]将棋、知ってる?[身体ごと向き直り唐突に問い掛けた]