― 電脳世界<Utopia>/Public:Street ―
[車を走らせるわずかな間、俺はネットワークの様子を探る。
降り立ったパブリックのストリートの向こうに、ノイズや空間の断絶が見えた。
そういえば、この異常事態を前にマーケットの変動がどうなっているかが気にかかる。
俺は、頼りにしている例のファンド・マネージャーに連絡を取ってみることにした。]
《ハックマンさん、今、市況はどうなってます?》
[プロジェクトの資産の大部分をハックマン・ファンドに託していたからだ。
市況への対応と、これが非常時ならその対策について依頼する内容のメールを彼女に宛てて*送信した*。]