[気泡が立つ湯船に鼻の下までどっぷりと浸かりこみ、口からぶくぶくと息を吐き出す。滑り込まないように、入り口の手すりに片腕を絡ませて、全身脱力状態で湯の流れに漂う]
[この場所で、カミーラを引きずり込んで抱きしめた。それが、あまりに遠い日の出来事になったようで、ふるりと身震いをする]
[ちりちりとした焦りが、腹の底をくすぐってやまない。どうすれば良かったんだろう?そんなことばかり考えて]
……あ……?
[ふと、ローズの顔が泡に浮かんで弾けとんだ。
そして思いつく。
……自分は彼女に、何と言ったか?]
[ジャグジーを飛び出ると、濡れたままバスタオル一枚だけ腰に巻きつけ、広間へとって返し。カミーラに向かい]
一緒、風呂入ろうぜ。