── 現世<Mundane> / 西部・マーシュ邸近く ──
[くぐもった嗚咽の声は、歌うようにうつくしい小さな笑い声に変化する。
そして、セシリアの身体が震えるのに合わせて、オーキッドパープルに透ける髪から、徐々に色素が抜けて行った。髪と同様、光彩の色も無くなって行き──血のルビーが透けてみえはじめる。
セシリアの外見は、1分とかからずまるで元からアルビノであったかのような色合いに変化した。]
…──
[心無しか、しろさを増した指先で、セシリアは地図の赤いドットをなぞり。
教団を最優先するPGMから成立しているはずのセシリアは、何故か、車の行き先を、東部にある教団のゲートへ向かう大きな道路から、最寄りのドットが示す場所──マーシュ邸に変えた。]