[ナサニエルの、ため息と共にこぼされた言葉に少しだけ目を見開き嘆息する。
何を今更。
友達であろうとライバルに代わりは無い。幼い頃から、去って行った友人達はキャロルを責めた。
責めない者もいたけれど、それを蹴落とし、自分が残ってきたのは事実だ。
その事にずっと、後悔は無かった。それが自分がここにいる意味だと考えていたから。
けれど、それならば何故、先の試験で自分は手を抜いてしまったのだろう?
自分が手を引く理由など何も無かったと言うのに。
口に入れたタルトの甘さを噛み締める。
足りないなと思った。もっと甘さが欲しい]