>>91
[思考停止し固まっていたが、
ふいに聞こえたダニエルの声にはっとして。
そうだ、追わないと。蛙にしても…違った、
帰るにしてもちゃんと周りにそう伝えて、
いやそう言う問題ではない?しかし、
追いかける事に思い当たればすでに考える時間が惜しい。]
…ん。
[投げ渡された帽子を掴むと、事務所を飛び出した。
もう少女の姿は見えないが、狐憑きの野性の勘。
それだけを頼りに道を進む。時々左足でケンケンしつつ。]
…。
[しかし、その勘が一軒の建物のまえで途絶えた。
見上げる。そしてきっとここが彼女の家なのだと思った。
そして、その中に入ってまで呼び戻す事もないだろうと。]