もう見えない…。…あれほどはっきりとは、見えない。[それは目を閉じればいつでも瞼の裏に浮かべる事はできるけれども、目覚めた時に見た幻ほどに、はっきりとはもう見えない]澄んだ秋空の星…すすきの揺れる野。それから――[夜の色に月と日の色の刺繍が混じった長衣を羽織ったまま、窓際の椅子から空を見上げた。――満月には、少し足りない]