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学生 ラッセル に 1人が投票した。
冒険家 ナサニエル に 6人が投票した。
冒険家 ナサニエル は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、学生 ラッセル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、医師 ヴィンセント、双子 リック、村長の娘 シャーロット、 ベルナルト、文学少女 セシリア の 5 名。
[ざわり――――
宇宙を荒らすのは人間のエゴである。
ひとの預かり知らぬところで、神話的恐怖の一端に触れる。
――――いあ、いあ、
――――いあ、いあ
か細きフルートの音色、今再び]
なっ、……
[いろめきたつ海の家の喧騒がベルナルトから遠ざかる。ブレスレットを押さえつけた。]
なにっ、……!
うるさい、しず、まれ……!!
[なにかのアレのように踞り、制御しようと呻く。牙をむく獣の香りが辺りに漂った]
[そのとき、
青年の意識に電撃走る……っ!]
っ――――、
[“続きはWEBで”
青い髪の冒険者――――
否、“探索者”の告げたアレ。
意識せずとも成された
深遠なる符合。
ぱちん、と弾ける泡と狂気。
次元を超え、
角度を食い破り、
貪欲な獣が現れる。]
それは、おいといて。
むむぅ。
コミットコンボでは、まだこの事態を収束させるに至るパワーが足りないということか。
ここは、あの、禁断のコンボを発動させるしかないか…。
─ 海の家 ─
はあ、はあ。
難航致しましたが、何とか死闘の末に……、
焼きうどん水着紅生姜乗せを手に入れましたわ。
死闘と言ってもボブとの一騎討ちが無ければ、もっと軽い負傷で済んだのでしょうが。
ともあれ、海の家で鋭気を養ったのち、この水着を餌に水着泥だと言うエイリアンを討ちましょう。
[――もう、誰にも声が届かなくなってしまった]
…………。
[(のワの)は寂しさを覚えた]
…………。
[否、ずっとずっと昔から。
海の底を搖蕩い、水面の向こうの世界へ、還りたいと助けて欲しいと願っていた。
それは、少女たちの魂が幾重に集おうとも、寂しかったからだ]
[どうすれば陸に上がれるのだろう。
童話のように、尾鰭を捨て、二本の脚を手に入れれば?
寂しさに耐え切れず、あちらへ行けぬならこちらへと、海水浴客を引きずり込んだこともある。
海の 底へ 底へ 深く沈め]
…………!
[その時、中学二年生っぽい台詞とともにに、鋭角から噴出する飢えた獣が、舌なめずりするのを見た]
[鋭角の獣は
青き冒険者ナサニエルを成敗する!
狂気を飲み込み、
引き裂き、
どこまでも追い続け
――――頃合いを見て黒子さん登場である。]
はあっ、はぁ、……
……?
[野戦病院に運ばれていくナサニエルを見送ったあと気づいた。
ラッセルがいないのだ。
気をとられている間に?
何が起きた?]
……っ、ラセ!
[また、また消えるのか。
誰もいなくなってしまうなんて――――]
[嗚呼、何と悪の最後に相応しい姿。
セシリアと呼ばれていた彼女たちは、その虚ろにして無垢な容器に吹き込まれた言を頑に信じている]
…………!
[ヤツ等が次々と同胞を倒していった。
その結果、ワタシたちは孤独の檻へと引き戻された。
海の家の地下――悪の秘密結社に集うヤツ等が]
――――!!
[彼女たちは、棄てたはずの"声"を解放する。
轟く咆哮は、海鳴りのそれに似て。
寂しい、寂しい、寂しいと、嘆きさんざめく彼女たちの啜り泣き]
――――なんだ!?
[ティンダロスの猟犬と、
ハスター(犬)が禍々しく吠えたける。
腕輪を押さえていた手を横に薙ぐ。
煌めく赤い光とともに“銀の鍵”が現れる。くるり、鮮やかに回り掌に収まる。ベルナルトの瞳が赤く染まり――――]
["声"を使えば、最早二本の脚も、人の姿も保てない。
焼きそば水着(レプリカ)を纏った少女の姿を、蛹のように脱ぎ捨てて、]
――何故 どうしてどうしてどうして
助けてくれなかったの
ワタシたちは見捨てられたの
手が届かないなら
こちらへ 深く 深く 深く
沈めて ねえ
海の底で 遊びましょう
[今こそ羽化する、Rusalka]
[水魔が正体を表出した瞬間に、海の家を、砂浜を、辺り一帯を豪雨が洗う。
嘗ては漁師を惑わせ船を誘き寄せた大嵐。
それは集う少女たちの魂を守るように、周囲に暴風を叩きつけた]
あなたたちの 悪行を 傲慢を
奪われた同胞を
ワタシたちは 見過ごさない……!
[赤い眼光の店員だった彼が、眼鏡の男とじゃれているのを、冷ややかに見下ろしている。
(のワの)の洗い流されたRusalkaの貌には、幾多の少女の表情が浮かんでは消えて]
[ヴィンセントの分身を巻き込みながら呪いの歌の主を睨む。
ワインレッドの魔法陣がベルナルトを包み込み、そして弾けた。]
「主!」
[ハスター(犬)の声が頭に届く。
そう、ベルナルトは再び力を解放(変身)したのだ。
腕に浮かび上がる紋様が淡く光る。]
だから ねえ
イカ焼きタコ焼きヤキソヴァ飴玉コーラもビールもいっぱい
食べものをくれた 優しいニンゲンたち
一緒に こっちでも あっちでも
遊ぼうよ もっともっともっと
[稲光を幾筋も降らす暗雲を背に、Rusalkaはさも愛おしそうに、世界を抱擁せんと腕を伸ばす]
[じゃれてねーよ!
ととても謂いたいのだが]
イライラにリコピン効くとかきいたこてねーよトマトの回し者か!
[変身後の姿でそんなこと謂っちゃう]
――っくしゅん
[不意にくしゃみをした瞬間に、海面が大きく波打った]
あ。
[41mくらいの大津波が、リックの乗ったボートを直撃**]
「主!やつらが!」
[ハスターの声にはっと顔を向ける。
顔無き顔が並ぶ、悪夢のような光景――――]
……もっさり子、
それがお前の姿かよ。
[のワのが見当たらねーな、と思いつつ、自分の背丈ほどもある銀の鍵を斜めに構えた。]
――――はン、
いいぜ…… ぜぇんぶフッ飛ばしてやらぁ!!!
[声とともに、ヴン――――と唸るような音。
足元に広がる冒涜的な角度と歌。
全世界の正気が危ない]
―ボートの上―
かーちゃんが、倒れて入院しているんだったら、何でもっと早く言ってくれなかったんだよ!
[リックは、そう怒鳴った。
話によると今は容態を持ち直しているが、一時期かなり危なかったらしい。
「いや、聞かれなかったし……」と言葉を濁す父。]
「聞くな」って言ったのはとーちゃんじゃないか!
てっきり俺は、逃げられたもんだと思って、気を使って来たのに……!
[さらに憤るリックを見て「あ、それそれ」と父はこちらを指差す。
「おまえ、何か勘違いしてたみたいだからさー、かーちゃんが死にそうだと心配してるより、そっちの方が良いと思ってな」
父は、そう言って笑った。
……そんなわけあるか!この、バカとーちゃん!!
[振るった足が、父のすねへと直撃する。
ああ、ついに親を蹴ってしまった……天国のじーちゃんは、やっぱり怒るのだろうか。
数日悩んだことに免じて許してくれると良いのだけれど。
そう、リックは思った。]
[直後、突然の大波がリックと父の乗るボートにぶつかってくる。
とっさに動いた父の腕に抱えられながら、これはじーちゃんの怒りなのだろうかと、ずれた事をリックは考えていた。**]
[――― 一方]
[リックの叫びこだまする中、
荒れた海から触手が船に触れ、ずるりと父へと絡み付く。
声なき声は潮騒に。
ぎぎぎ、ぎぐるるる、と
蛸に似た落とし仔がテレパシーを繋ぐ]
[父を引きずり込みながら
こんな声が届く]
“御前が落としたのは”
“――――だらしのない父か”
“――――それとも”
“この”
“――――きれいな父か”
[煌めく黄金の斧の
おとぎばなしっぽい*何か*]
[大きな波を見て、父に抱えられたところまで覚えている。
続く衝撃音と共に目の前は暗転し、暗闇の中をゆっくりと沈んでいく感覚。
声が聞こえる。何かの選択を迫る声だ。]
きれいな父?
とーちゃんをきれいだと思ったことは無い。
きれいと言うのは、きっと「海の家」にいた姉ちゃんたちみたいな人の事で、とーちゃんには当てはまらない。
立派かどうかと言う事ならば、たまには立派なこともする。
だらしない父?
確かに、ここ数日のとーちゃんはだらしなかった。
でも、今は、かーちゃんが危なくて張り詰めていた気持ちが、緩んだせいもあるのだろうと思える。
立派だし、立派じゃない。
だらしないし、だらしくない、それが俺のとーちゃんだ。
[―――ざあああああ!]
[ひときわ大きく波がうねる。
大きく笑うような、小さく叫ぶような、悲鳴をあげるような。]
“くくく、ははははは”
[猛る、猛る、猛る。
腕を触手を振るう落とし仔を覆うような波の向こうに手を伸ばす少年は、触れる――――]
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