119 帰ってきた地球防衛村 IN 温泉
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お嬢様 ヘンリエッタ
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―あず海―
［砂を踏む足音が聞こえて、振り返る］
……おとうさん…
…ううん、ミハイルさん、だっけ?
［呼ぶ名前を言い直して、視線を自分の手のひらに戻した］
お嬢様 ヘンリエッタ
さくら貝をね、拾ってたの。
［てのひらの上に置かれていた小さな桜色の貝を、ミハイルに見せる］
…欠けてないのがなかなか無くて。
さくら貝はね、お願いごとをかなえてくれるんだって。
だから、ずっと探してた。
村長 アーノルド
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現 在 エ ピ ロ ー グ 中
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ミハイル
[名前を呼ばれると、少し呆気にとられてから、口元を綻ばせた]
…だよな。
思い出したが、やっぱり俺の記憶に娘がいた記憶がない。
で、――。
[エッタの言葉に頭を掻いた]
エッタが一緒にいたいなら、俺がだめだって言うわけないだろ。
すっかり親父気分になっちまってるし。
でも、本当の親はどうしたんだ？
お嬢様 ヘンリエッタ
わかんない。
［ミハイルの問いには、短くそう答える］
最初から、いなかったから。
だから、おとうさんとか、おかあさんとか、どういうものなのかもよくわからない。けど…
こうだったらいいなって、ミハイルさんみたいな人がおとうさんだったらいいなって、そう思った。
……もう一度、おとうさんって
呼んで、いいかな…?
ミハイル
つまり、一人だったってことか。
俺と同じだな。
…ああ、呼んでいいっつーか。
名前で呼ばれんのは慣れねぇな。
今までいなかったんなら、俺が親父で構わないだろ。
ほら、帰ろう。
[にっと笑って手を差し出した]
お嬢様 ヘンリエッタ
[差し出された手に、一瞬戸惑って。
見上げると、そこにはミハイルの笑顔。]
……うん、おとうさん。
[さくら貝をそっと足元に置いて。
差し出された手を、ぎゅっと握った]
あったかい、ね。
ミハイル
ああ、人の手ってのはあったかいもんだ。
[エッタの手を引いて宿へと向かう]
でも、「お父さん」だけでいいのか？
普通女の子ってのは「お母さん」がいたほうが何かと心強いだろ。
かといって心当たりがあるわけじゃないが。
村長 アーノルド
−さて一方そのころ食堂では−
ふんがっくっく！！
［じたばた］
くそ、メイの奴め！！
手錠なんぞしおってからに！！！
こうなったら、下着を使った手錠抜け術をお見舞いしてくれる！！
村長 アーノルド
［
１、まず右手の手首に下着の左足付け根の部分をするっと入れます。
２、そして、左の手首には右足付け根の部分をするっと入れます。
３、その付け根の部分同士を結びます。
４、下着のセンターの部分をぐっと引きます。
５、手錠が外れます。
］
よし、解けた！！
村長 アーノルド
［長官は思った。仮にもクリーンなイメージでお馴染みの某制作団体の運営をしている中の人がこの２週間下着という単語しか書いてないという絶望的状況はとても人に見せられないのではないだろうか。
現実に戻ったら負けである］
村長 アーノルド
メイの奴め、今度会ったらけっちょんけっちょんにしちゃるき。
［近くの椅子に腰をおろし］
しかし、これでエイリアン騒動一見落着だな。
長官やっと休暇に戻れるってもんだ。
［あれ、下着泥棒事件じゃなかったでしたっけ？］
村長 アーノルド
−１Fロビー−
しかし、静かになったものだなこの宿も。
宿泊当時のあの騒動が嘘のようだ。
これはこれで物悲しいものだな。
［どこぞの自室で小説を書きなぐっているひきこもりを無意味に成敗するかどうか悩みつつ］
のんだくれ ケネス
−１Ｆロビー−
[ケネスは、チューリップハットをかぶり、トランクを持ってロビーまでやってきた。]
随分と長居してしまった。
そろそろ帰って仕事の続きをしなけりゃな。
[少し変わった人たちを見かけたが、平穏な宿泊生活だった気がする。
創作に行き詰って、半ば現実逃避のためにここに来たわけだが、新たな話も思いついたし、実入りの多い旅行だと思えた。]
のんだくれ ケネス
[何だか随分と宿泊客も減った気がする。
行楽シーズンが終わったのだろうか。
ロビーには、何かをぶつぶつ言っている、青髪の中年の姿があるばかりだった。]
あれ、あの人、風呂でエイリアンが何とか言ってた人じゃなかったっけ。
あまり、関わりたくねぇな。
[男の後ろをそっと通り過ぎると、チェックアウトを済ませて、宿の外にでる。
そのまま、近くのバス停まで歩く事にした。]
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