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そうしてちょっと浜辺を歩いてみるね。
泳ぐ人は減ったけれど、海辺にやってくる人はまだまだいるね。
しばらくは仕事のことも忘れてゆっくりとすごそうかな、なんて思ってみるよ。
─────……
[眩しい光に照らされ、明るくなりゆく世界。
次第に鮮明になる満ちては返す波の音。]
……
此処 は、
[力が入らないがかろうじて首を傾ける事が出来る。
やけに世界が平面的なのは──空気が少なくボディがすっかり二次元に近い薄さになっていたからだった。]
海?
[星になった後、辿り着いた場所もまた海だと言うのか。
否──、]
[ぶんぶんぶん]
[マミさんに巻かれていたのと同じ、ビニールテープを持った複数人の黒子が、両手をばってんの形にして、えあ子に首を振っている。]
…… もしかして、
わた、くし
生きて、居りますの?
[ビニール製の腕を挙げようとして、へなへなと砂に手をついてしまう。]
………………。
ボブは、どうなったんでしょう?
[勝てたと言う気はしない。
そう、昨夜の決戦にて、先に膝を付いたのはえあ子の方だったのだ。]
え、
あ。
と、どうせなら、補修ついでにそこのポンプで空気を入れていただけたら。
[シュコショコシュコ]
[空気が入るまで、暫しおまちください。]
…… このポーズが落ち着きますわね。
[空気入れ完了後、シャーロットえあ子三号は、ぺたり、えあだっちに有りがちなポーズで座り込んだ。]
そう、わたくし、
これから如何、いたしましょう。
お洋服もテープだらけ。
エイリアンは水着を盗んでいるんでしたっけ。
なら、新しい水着が必要 かもしれませんわ**。
―海の家―
[ざざ――……ん
潮騒の音は何もかもを包み込む。
戦いの傷痕も、
戦士たちの心も]
…………風が、泣いてるな……
[青年は、呟く。
けれどそれは嘆きではない。
喜びと祝福を交えた
あたたかなものか]
― 海岸 ―
シリアスにやってる感じなのに、藪医者の診断にしか見えないわ。
[エチゼンクラゲの処分を黒子に託して、浮き輪で再度海へ]
んーっ。平和だわ。
[浮き輪装備でバシャバシャと泳いでいる。のんびりと海を堪能するのは久しぶりのように感じた]
『どんな時もどっしりと構えてなさい。何事にも動じずどっしり構えてりゃ、たいていの事は何とでもなるんだから』
……まぁ少しは動じなくなってきたと思うわ、お母様。何か大事な物を失った気もするけど。
[母親の言葉を思い出して、一人呟く。昨日はそのことが良い結果を生んだと思う]
[暴風に吹き飛ばされて沖合に投げ出されるなんて、本来なら死んでいてもおかしくない事件だ。冷静にブレスレットの力を借りたおかげで、ヘンリエッタは今日もこうして無事に生きている]
あやうくエチゼンクラゲの慰み者になるところだったわ。
[いや、人間は食べませんよ、あのクラゲ]
[「叩き出した」を一瞬「叩き始めた」の意味で受け取ってしまって、「太鼓の達人 〜ヴィンセントの悲鳴祭り〜」というキーワードが脳裏に湧いて出てきた]
ここの空気に毒されてるわ……。
[記憶から振り落とすように頭をブンブンと振る]
―無人島―
[リックは、珍しく酒の入っていない父と無人島に来ていた。
浅瀬に貸しボートをつけて、2人で島の奥へと入っていく。「探検」をして楽しむと言う趣旨なのだろうか。
前を行く、父の背中を見ながら、2、3言、ぎこちない会話をした時、ふとリックは思う。]
……今までは気晴らし目的だと思ってたけれど、もし、この旅行に別の理由があるとしたら、何だろう。
[その時、父が立止まり、「リック、母ちゃんに、会いたいか?」と言った。]
…………。
[額から汗が伝うのは、暑さのためだけだろうか。
素直に「会いたい」と答えて良いものなのか、少し悩む。
背を向けているので、父の表情もわからなかった。]
……えと、そうだな、会いたいような、会いたくないような……
[本心とは裏腹にはっきりしない回答をしてしまう。
父はこちらを向かず、「薄情な奴だな、お前」とつぶやき、続けて「こっちに見晴らしの良い場所があるんだ」と言った。]
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