119 帰ってきた地球防衛村 IN 温泉
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クトゥルフ QB に 1人が投票した。
新米記者 ソフィー に 1人が投票した。
ごくつぶし ミッキー に 1人が投票した。
ベルナルト に 7人が投票した。
ベルナルト は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、新米記者 ソフィー が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、村長 アーノルド、クトゥルフ QB、お嬢様 ヘンリエッタ、のんだくれ ケネス、逃亡者 カミーラ、 ミハイル、ごくつぶし ミッキー、学生 メイ の 8 名。
のんだくれ ケネス
−１Ｆロビー−
昨日、山で会った女の人、結局病院に運ばれたのか。
名前も聞かずじまいだったな。
行き先もわからないし、大事無い事を願うだけか。
[起きたケネスは、ロビーで仲居から話を聞き、そう答えると自室へと戻っていった。]
のんだくれ ケネス
−自室−
[部屋へ戻り、気を取り直すとネタ帳の前に座る。]
さて、オチはどうするか……。
湯気の向こうの男は、顔が見えてないわけだから、その辺で何かできるかな。
……例えば、実は湯気に写った主人公の影で、始めからそんな人はいなかったのだ！……とか？
[諸悪の根源が実は主人公だった、と言うオチである。]
うーん、でも割と良くあるタイプのオチだし、ラストが派手になり難い気がするな。
[このオチだと、気づいたところで話は終わってしまうし、やはり主人公と男が対峙するシーンは欲しい気がした。]
さて、どうすっかなー。
[ケネスは腕組をしながら寝転がり、天井を見つめた。*]
村長 アーノルド
だが安心してくれレッド。
ベルナルトはエイリアンだった！
さすが、私のSTFを受けきった男。
残った隊員はレッド、お前だけだ。
さあ、最後のエイリアンを指差したまえ！！
逃亡者 カミーラ
−自室−
[目覚めのビールを飲んでいる。
ぐびぐび♪]
ふぅ、今日も情報収集だね。
レベッカの身に……いや、この宿に何が起きているのか。
きっちり調べ上げてやるよ。
[決意に満ちた目で、部屋から出て行った。*]
逃亡者 カミーラ
[情報収集中。]
ソフィーも入院だって？
レベッカに続いてソフィーまで……。
[唇を噛む。]
そいつら、アタシを襲ってきたら逆にころ……とっちめてやるのに。
ソフィーが言ってた、胸の小さい女が好きな男。
そいつが怪しいね。
クトゥルフ QB
−長官室−
[ひょいっ]
そうだね、君の願いは今の枷に匹敵する事だと思うなあ。
でも、エイリアンさえ成敗できれば君も晴れて休暇中になるよ。
そうなれば、プライベートでは長官もレッドも関係ないかもねえ。
村長 アーノルド
−１階ロビー−
[というわけで、戦いが終わりロビーで牛乳をごきゅごきゅ飲み干しながらマッサージチェアに体を任せている。
このもみ球がごりっとする感触がたまらない。ごりっと]
ふう、エイリアンもあと１体か。
正直こんなに順調に発見出来ているのは始まって以来だな。
前回も、この段階でほぼ惨敗確定していたもんな！
[ごきゅごきゅ]
さて、あとはレッドに任せて私はこの疲れ切った体を癒すとするか。
逃亡者 カミーラ
−一階ロビー−
[いつぞやミハイルといちゃついていた男を見かけた。]
おい、アンタ。
レベッカとかソフィーって名前に心当たりはないかい？
村長 アーノルド
ん？レベッカにソフィー？
そりゃ私の部下だが・・・・・・あっ！
[口が滑った。これではまるで長官が長官であるという証明をしているようなものではないか]
・・・・・・私の、プライベート的な意味での部下だ。ま、まあそういうことで。
[あのきょぬーの声だな。しかし彼女の下着には長官は手をつけていないはず。そう心の中で呟き罪の意識を消去した]
【赤】 学生 メイ
仲居から情報を集めたところによると、
カミーラが情報収集をしているっぽい！
まだ具体的な情報は掴めていないんだって！
こんなに派手に騒いでいるのに！
カミーラ恐るるに足らず！
逃亡者 カミーラ
部下？……プライベート的な意味で？
[訝しげに男の顔を覗き込んだ。
バストがゆさゆさと左右に揺れる。]
アンタ、何か知ってるようだね。
あの二人に何があったのか、この宿で何が起きているのか、アタシに教えてくれないか？
村長 アーノルド
ななななななにをいっているんだだだだだ
わ、わたしはきみのいっているいみがさっぱりわからないなあ！
い、いったいぐたいてきにはどんなことかなくわしくわたしにおしえてくれたまえ！！
[動揺]
【赤】 ミハイル
だから今日がんばらせれば良いのさ。
ミッキーががんばるとは思えないしな。
で、カミーラが情報収集か…。
厄介だなぁ。
俺実際何もしてないんだが(今日はまあ仕方ないな)エイリアンってだけで恨まれんのは遠慮したいぜ。
逃亡者 カミーラ
具体的にって？
隠しカメラとか、下着泥棒とか、そんなワードでいいのかね。
[動揺する男を睨みつけた。
こいつクロだろ。]
ところでアンタ、小さい胸は好きかい？
クトゥルフ QB
な、なんだって！？
それは本当かいレッド。
じゃあ君の装着したブレスレットにエイリアンセンサーが搭載されていたんだねー僕もびっくりだよー
村長 アーノルド
か、隠しカメラ！？
そりゃ私は知らんよ！！！！
[ぷんすか！！]
下着泥棒？
ああ、最近ここらの宿で多発しているらしいな！！
さ、さあ長官あんまり心当たりないな！！！
[そう言いながら懐から三角形のハンカチと似て非なる布を取り出しほほを伝う汗をぬぐう]
逃亡者 カミーラ
長官？アンタ、何者？
[ますます怪しい。
その手に持つ布を見て、疑惑から確信へと。]
アンタ、正直になった方が身のためだよ。
[殺意を込めた視線で男を見据えた。]
村長 アーノルド
え？あーうーんそんなこといわれても・・・・・・わたしただの長官ですよ長官。ほら長官ってあだ名の人けっこういるでしょ？それそれ。
[とかいっててもごまかせるわけが無い。
何かよい言い訳は無いものか・・・・・・仕方ない。嘘に嘘を塗り固めていくか]
村長 アーノルド
では本当の事を言おう。
私は全世界下着泥棒撲滅委員会総本部の長官アーノルドである。
この地域に、殺意の波動をまとった下着泥棒が出没するという情報を得て、派遣されたのだよ。
村長 アーノルド
君は知らないだろうが、マイナーエクストリームスポーツの世界には「世界エクストリーム下着泥棒連盟（WEUTL、world extreme undergarment thief league）」が主催する下着泥棒世界選手権なるものがあるのだよ。
それの絶対王者がこの温泉宿に潜んでいた。
そう、潜んでいたのだ。
私が昨晩確保した。これで事件は終わったのだよ。
学生 メイ
―１Fロビー―
[メイは、国家治安機関からの逃亡を経て、旅館に辿り着いた。厳しい旅であった。しかし、ここでもメイは思いもよらぬ光景を目にすることになった。カミーラに責められた長官が、三角形の布で嬉しそうに顔の汗を拭う姿である。]
あ、あ、あ、あ、あ、あああたしのパンツ！！
逃亡者 カミーラ
こいつは生かしちゃおけないね。
[周囲の協力を得て元気百倍。]
隠しカメラも下着泥棒もアンタの仕業だったんだね。
……あの世で詫びな。
[どこからか取り出した古ぼけた短刀を逆手に構えて、アーノルドの線を切りつけた。]
村長 アーノルド
ぶお、うわっほ！！
[片腕がもっていかれた]
[だが生えてきた！]
くそっ、まさか死線が観える者がここにいるとはなあ。
ならば、こちらも本気を出すしかあるまい！！
ぐおおおおおおおおおおお！！
[体中から殺意の波動が迸る！！]
マッスルオブフィナーレ！！
[体中が真っ赤に燃え上がる！！]
逃亡者 カミーラ
こいつ、出来るね。
でも、アタシの敵じゃないよ。
[短刀で32文ロケットミサイルキックの死線を断ち切る。]
そんなコレクション、認められる訳がないだろ！
[力ずくで事態の収拾を図った。]
村長 アーノルド
ばかな！
キックという概念を殺されただとお！？
[これで長官はありとあらゆるキックというキックが使えなくなった]
ええい、このままではこのままになってしまう！！
撤収だ！！
[逃げ出そうとしている]
村長 アーノルド
ぎゃー！
[死線を斬り付けられた]
おい、おまえ！！
しんだらどうするんだしんだら！！
[長官の背中という概念が死んだ。これで今後彼の子供に背中で人生を語ることが出来なくなった]
逃亡者 カミーラ
[どこからか富んできたビール瓶が命中して倒れたアーノルドを見下ろして一言。]
天罰だ、往生しな。
[冷めた視線を浮かべ、その場から立ち去った。*]
ミハイル
[やられるアーノルドを助けるわけでもなく見ていた]
……おっさん墓穴掘りすぎだろ。
コレクションはまずいって。
そいつは俺も許容できねぇな。
村長 アーノルド
あうち！！
[監視カメラにもろだし！！]
なんだなんだ、今日は厄日か！？
長官何も悪いことしてないのに！！
[いそいそとズボンとパンツを引き上げる]
ミハイル
[いやなもん見たなという表情]
…おっさん。
元気出せよ。
悪いことって言うか、悪いこと自分で白状してたじゃねぇか。
そりゃやられても仕方ない。
村長 アーノルド
くっ、あれは誘導尋問みたいなものではないか！
君も見てないで助けてくれたらよかったのではないのか！！
[ズボンをあげながら]
そういえば、君とあの子はいまだに親子なのかね？
そろそろエンディングは近いぞ、決着をつける時期じゃないのかな。
ミハイル
助ける義理はないからな。
大体娘の水着コレクションにする男を庇う父親はいないだろ。
いまだに親子っつーか、どうなんだろうな？
娘だと思いたいが…さて俺の記憶は戻るのか。
エンディングで思い出せればいいんだが。
村長 アーノルド
ふむ、そうだな。
エンディングで決着がつけばいいな。
[監視カメラをちら観し]
（しかし、レッドはミハイルをエイリアンと言っていた。
とすれば、彼は一体どうなってしまうのだろうか）
[まさか、まさかの地球防衛村悲しみのバッドエンドなるのか！？
レッドの決断はいかに！？]
ミハイル
おっさんも…エンディングまで行きてられると良いな。
俺のことは気にするなよ。
どうなるかは流れ次第だろ。
たとえ娘じゃなくても、それはそれ。エッタがそれでよかったんなら、それでいい。
本当の親がエッタを捜してんなら、その方がいいし。
どんな親かは見極めたいけどな。
[情が移っちまったなぁとぼやいた]
村長 アーノルド
はっはっは、私は大丈夫だよ。
たとえ殺されても死にはせん。
・・・・・・ だが、せめて別れは辛くないようにな。
[あまり言うべきではないとは思ったが、つい口からこぼれてしまった。
あとはレッドがどのような決断をするか。
それがこの阿須村温泉下着泥棒事件のエンディングを決めるという事を強く認識していた]
[まあ、事件自体は長官が御用になれば終わる気はするのだが]
のんだくれ ケネス
−自室−
うーん、枷の絵はこんな感じで良いか。
[オチ作りに行き詰ったケネスは、「枷」の形を描いていた。
普通に描いても、ただの首輪や腕輪になってしまうので、大き目のデザインにして、禍々しい装飾を施してみる。]
……何か、昔の罪人を拘束するか拷問するための器具みたいになっちまったが、こちらの方がインパクトはあるかな。
[描いたスケッチを脇に置く。]
のんだくれ ケネス
オチ、どんでん返しかー……。
[意外な犯人、予想しなかった展開、逆転、この物語だとどんな事が可能なのか考えてみる。]
うーん……犯人が女……とか？
男湯での出会いから始まると言う事で、犯人は男だと想定していたし、自称も「僕」にした。
この辺を変えて、実は女だった事に出来ないだろうか。
読者も犯人は男だと思ってるだろうし、文字だから声も聞こえない。
そこで引っ掛けて、まさかその人が？！と言う女を犯人にもってくる。
……例えば一見、物語のヒロインにしか見えないポジションの女とか……。
のんだくれ ケネス
いやー難しいかー。
声が問題だ。
[ケネスはそう言うと、髪をかきむしった。
読者に声が聞こえないのは良いが、主人公は会話をして相手の声を聞くのである。
女だと気づかないのは、無理がある気はした。]
女優や声優なら、男声も出せるかもしれないが、それだと、温泉で偶然始まった会話が既に計画的って事になるしなー……。
女が男湯に居る理由は、実は奥でつながってましたで可能ではあるんだが……。
[どうもしっくり来ない感じがして、ケネスはその案を捨てる事にした。]
のんだくれ ケネス
だめだ、上手く行かないな。
一旦、これはおいて対峙シーンの流れを書いてみるか。
えーと、ついに主人公は男と対峙する。
言いたい事もいろいろあるだろう。
おそらく、「何故こんな事をする？」とか、「被害者の事も考えろ」とかそんな感じか。
これに、男は何と答えるか……。
[ケネスは、先ほど描いた「枷」のラフスケッチを見ながら、男の言葉を綴ってみる。]
のんだくれ ケネス
「あなたは、枷をご存じ無いから、そんな言葉が出るのです」
「あれはまるで、拷問器具だ」
「あれをつけたまま、日々を過ごすのは、僕には生き地獄だと思えるのですよ」
のんだくれ ケネス
……待てよ。
[思うままに男の言葉を綴っていた手が、ぴたりと止まる。]
今まで、俺はこいつをサディストな愉快犯のつもりで考えていたし、そう描くつもりだったけれど……
もしかして、こいつ……善意で枷をはずしているんじゃないのか？
のんだくれ ケネス
[キャラクターの言葉を綴っているうちに、作者が思いもしなかった姿が浮かんでくる事がある。
この瞬間が、まさにそれであった。]
いや、待て待て、だって結果人が死んでいるんだぜ？
この理屈、可能なのか？
[おもむろに立ち上がり、顎に手を当てて考え始める。]
男には枷を外した結果、その人がどういう行動を取るのかは解らないとする。
だが、その見た目はまさに拷問を受けているような姿で、生き地獄を味わっているように思えてしまう。
……見えているものが普通の人とは違うから、価値観も違うんだ。
ああ、そうか！善意で行動しているから、温泉で気軽に「枷」の事を話せるのか！
のんだくれ ケネス
主人公は凶悪な愉快犯を追っている思っている。
読者もそう思うだろう。
しかし、追い詰めて対峙した結果、善意の塊がそこにいたとしたら……
これは、どんでん返しになるじゃないか！
よし、これだ！この流れで作ってみるか！
[ケネスは再び座り直すと、絵コンテを切り始めた。*]
ミハイル
あ？
[突然話しかけられて顔を上げた]
どうするつもりってなぁ。
本当に俺が父親なら、もちろん引き取るさ。
……わりと、記憶は戻ってきてるんだがな。
昔の事は。
でも学生時代までだな。
ミハイル
――。
……エイリアンっていわれてもな。
俺がそうだと、誰が証明できる?
[カミーラがいた事に気付いた]
エイリアンって何なんだろうな。
一応地球外生物ってことなんだろうが。
ミハイル
エイリアンが何か、ベルあたりは侵略するんだといってたな。
俺は、まっとうに生きてきた、はずなんだが…。覚えてないからどうしようもない。
エッタは、俺がエイリアンなら娘じゃないのかもな。
エイリアンと地球人の間に子供ができるかとかわかんねぇし。
でも俺の身体は見た目も中身も変わりな…。
子供番組で言うことじゃねぇな。
【赤】 ミハイル
見せ場って口説けってことか！
いやいや。まてよ。
まだそこまで好感度ポイントは上がってない。
はずだ。
メイ、残念ながら俺もベルもロランも見た目は普通だぞ？
逃亡者 カミーラ
[ミハイルの言葉に首を傾げた。
つられてバストが揺れる。]
アンタ、それも覚えてないのかい？
困ったね、何て言えばいいかわからない。
エッタが不憫過ぎるよ。
ミハイル
――。
全部忘れた。
忘れたかったんだろうな。
それくらいの出来事があったと考えるべきか…？
[エッタの言葉を思い出した]
綺麗さっぱり忘れたもんを、そんな簡単に思い出せねぇよ。
…ミッキー、そりゃ朗報だ。
なら、エッタはお前らにやられずにすむな。
【赤】 ミハイル
エッタへの愛とか、そりゃ可愛いとは思うんだがそれが父親の情かといわれるとな。
山場なのは否定しない。
この後バトルにもなるんだろうが…どうすっかね。
ミハイル
…じゃあ聞くがカミーラ。
お前がこの先、知らない女の子から『ママ』って懐かれたらどうする？
俺が本当に父親なら、忘れちまった俺は責められても仕方ない。
でも本当の親が別にいるなら、ちゃんとエッタを愛してる親がいるなら、俺が連れて行くわけには行かないだろう？
…連れて行きたいが、俺がエイリアンならそう簡単にも行かないだろう。
ごくつぶし ミッキー
アテクシのミッキーという名前はアテクシの親がつけてくれたものなのよ。だから、それをアナタたちが勝手に変えることはできないわ。
逃亡者 カミーラ
そもそもの話になるけど、本当の親がその子を愛してきたんだったら、その子が他の大人を親だと誤認することは無いと思うよ。
[ミハイルの問いに答えた。]
ごくつぶし ミッキー
そんなことを言うつもりはないわ。
アナタはアテクシの名前を勝手に変えて、居直っているだけね。そういうのはアテクシ嫌いだわ。
ミハイル
誤認、なのかね。
[最初はからかわれてると思ったのだから]
愛されてないとしても、見ず知らずの男をパパ呼ばわりはないだろ。
…でも、俺が親かどうかとか、どうでもいい。
どうでもいいっーか、今の問題はそこじゃない。
エッタがどうしたいのか、それが一番大事だろ。
ミハイル
何だよミッキーがなんと呼ばれようとミッキーであることに変わりはないだろ。
ミッキーが自分をミッキーという名前だと認識する。
それで十分じゃねーか。
ごくつぶし ミッキー
そうよ。
アナタたちがなんと呼ぼうともアテクシにとってのアテクシはミッキーで、それが変わることはないの。
それがアテクシの「誰かにとっての本当の名前」かどうかは別に関係のないことよ。だから、アテクシは「名前なんて名前だけのこと」だと言っているの。
ミハイル
どーしたいって、言われてもな。
[少し考え込んだ]
…俺がなれるのなら、エッタの父親になりたい。
でも、俺が覚えてない以上はエッタの意志を無視するのはおっさんと変わらなくなっちまう。
それに。
[それに？]
逃亡者 カミーラ
本当の親から愛されてなくて、他の誰かが愛情を注いでくれた時に、子供がその人を信頼した結果だとしたら、あながちあり得ない話じゃないと思うけどね。
エッタは子供だし、判断を誤ることもあるだろ。
その時に方向を正すのは、大人の役目じゃないのかい？
子供の判断に全てを委ねるのは、ちょっと無責任だと思うわ。
ミハイル
子供と親ってのは、そんな簡単なもんじゃねぇだろ。
それに。
俺が子供を持つにふさわしいかどうかすら、わかんねぇのに。
…そうだな、聞いてみっか。
ごくつぶし ミッキー
まあアテクシ成敗したいだけだからあとは別に好きにしたらいいと思うわよ。きれいな体でヘンリエッタに想いを伝えてみちゃどうかしら。
学生 メイ
[メイは、精神病院での診察を終えると走り旅館に戻っきた。ミハイルのことが心配だった。]
生まれた時からあなたの身体は汚いのよ！
[言い放つとミハイルの身体を包丁で突き刺す。手慣れた手つきだった。何千回、何万回と繰り返してきたような。]
お嬢様 ヘンリエッタ
―あず海―
[日の落ちかけた波打ち際を歩く。
ゆっくりと、時々立ち止まりながら。
足元の何かを探すように。]
……これもダメ。
[何かを拾い上げて、ため息と共にそれを元あった場所に戻した]
ミハイル
くっ…
まさか、そんなものが俺の弱点…だと？
さすがはレッドというところか。
……そうだ。
俺は、ずいぶんと昔ここに流れ着いたんだ。
一人で。
星が、それと同じものにやられた。
お嬢様 ヘンリエッタ
もう、見えなくなっちゃう…
[水面を赤く染めて沈んでいく太陽を、泣きそうな顔で眺める。
それを振り払うかのように頭を強く降って、砂の上に膝をかかえて座った]
…ううん、あきらめない。
きっと、見つけるもん。
ミハイル
…それでも俺はまだ死ぬわけには行かない。
[腰を下ろすと茶をすすった]
エッタに、聞かないとな。
それにしてもどこに行ったんだ？
姿を今日はまだ見てない。
お嬢様 ヘンリエッタ
よし、ファイト！
[手に力を込めて立ち上がろうとすると、指の先に何か固いものが当たった。]
………あ
[拾い上げて、掌の上に乗せる]
…あった…
ごくつぶし ミッキー
アナタがヘンリエッタと本当に本物の絆を結べたなら、他のエイリアンと地球人たちにもそれができるはずね。
偽りの普通より、等身大の自分でぶつかってみたら？
ミハイル
いや、むしろ結べてないのはおっさんじゃないのか。
ああ、でも。
ベルは侵略しようとしてたな。
…本物の絆ね。
少なくとも偽りの普通じゃなかった。俺にとっては。
ごくつぶし ミッキー
隠し事はよくないって話よ。
自分がヘンリエッタのこと大切に思ってるって、ちゃんと伝えてみたらいいんじゃない、って、提案ね。
ま、好きにしたらいいと思うけど。
ごくつぶし ミッキー
また成敗してほしくなったら弱点を知ってるアテクシのところに来なさいね。次はダジャレで凍りつかせる技をあなたに見せてあげるわよ。
[今回は出せなかった。また来週！]
のんだくれ ケネス
−自室−
[ケネスの絵コンテは、ラストシーン近くまで進行していた。]
男と対峙して善意で行動していると知った主人公は、止めるように説得を試みるが、その言葉は男に届かない。
だが、このままにはして置けないと、主人公の焦りは募っていく。
そんな主人公を見つめ、男は囁く。
のんだくれ ケネス
響きわたる、何かが外れた音。
主人公は男に飛び掛り、両腕で喉を締め上げながら押し倒す。
ぎりぎりと喉を絞められ、呻きながらも薄っすらと笑う男。
のんだくれ ケネス
[ここでケネスは一旦、手を止める。]
さて、殺すべきか、殺さざるべきか。
[そうつぶやき、少し考えた後、再び描き始める。]
のんだくれ ケネス
苦悶しながらも沸き上がる衝動に抵抗し、ゆっくりゆっくりと、主人公は両腕を男の喉からはずす。
男はそれに驚き、初めて主人公の言葉を聞きたいと思い、問いかける。
「また、枷がはまっている……何故ですか？何故、苦しみながらあえて自身に枷をはめるのです」
主人公は、苦しさに息を乱しながらも男を見据えて言う。
「それは―」
のんだくれ ケネス
[時計の針が刻まれる中、シャプーペンシルの音が辺りに響き、そして止まった。]
……できた。
[ケネスはそう言い、深く息をついた。
東の空が白んでいるのが見える。どうやら、そろそろ夜が明けるらしい。]
お疲れさん。
[ケネスはそう言い、傍らにあった缶ビールを手に取ると、その蓋を開けた。*]
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