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― 理想郷<Utopia> / Closed:Morgan's Space ─
[双子は白銀に輝く長髪をそっと指先で梳いて耳の後ろに流す。まじまじと巨大なリンガの先端を見つめる真紅の瞳が瞬いた。
目の縁がほんの少し赤く色づいている。
小さく瞬きをし、二人は顔を見あわせた。]
《すごいね》
《――大丈夫?》
[「『調和』が欠けている」という言葉に、双子はまた老人の方を見つめる。]
片方がどんな風に変わるかってさ。とっても興味があるのよ。
だいじょんぶだいじょんぶ。こいつら仲悪そうに見えても、一心同体少女隊ってなものだかンら。
良かろう。ただし、我が槍はどんなものを
産むか…私ですら、予測することは不可能だ。
それが美点になるか。欠点になるか。
[姿勢を低く取る。]
で、それをやって私に何のメリットがある?
――Mundane/南部・繁華街――
ああ。そっか。そうよね。
ステラが突然あそこにいたから、そうだったのかなって思っちゃった。
人の頭は厄介なものでね。あたしのは特に、理路整然とした情報の整理だとか、苦手なの。
生ものなんだもの。
[心配か、と尋ねられると、苦笑を浮かべる]
そりゃ。心配じゃないって言えば嘘になるよ。
でもたぶん、あたしよりは力を持ってると思うから。
[目指す光点はまだ留まっている。動かないことには少し疑問もあったが、Utopiaにでも潜っているのだろうか、と思い]
― 理想郷<Utopia> / Closed:Morgan's Space ─
そうねそうね、お代がいったりすんのね?
んん、なにを差し出せばいいのかぃね。
[この老人が満足するような代価を払えるものだろうか。当惑しながら、髪を掻く。]
True End...「真実の終焉」だ。
私という存在に終着点を与えてくれ。
[槍を水平に構えて、いつでも飛びかかれる姿勢]
それで十分だ。何なら、君自身にも力を与えてもいい。
そうだな。君も何を考えているのかわからぬ男だ。
君もまた「調和」に欠けるように思われる。
不思議だな、君の顔が2つに見えるんだよ。
修道女 ステラは、雑貨屋 レベッカ を投票先に選びました。
[繁華街を抜けて、東へと向かう。多かった人の数が、段々と少なくなり、電脳街に向かうにつれてまた増えてくる]
多いと、進むのめんどくさー。
[時折跳躍して、人の山を越える]
下でぶつかっても廃材とかが多かったけど。ぶつかる前に生身とか義体とか区別つかないし。
あーでも。痛くって目が覚めたりとかは……ないか。そんな問題じゃなかったね。
[スピードは落とすことなく、やがて電脳街へと入っていく]
終焉……終着駅なのね。男は旅をするものっていうけども、旅の終わりはせづねぇなァ。
俺に引導とかインドの山奥で修行してとか無理っぽいんだけども――じさまの死に水とかヌクミズヨウイチをとりあげることくらいはすンよ?
え、俺――?
なにを考えっかわけワカメなんてそんなコンブらかったこと言わンでちょう。イワンのばかなんつって。
俺っちのことはいいのよ?
顔が二つなんて――コインは表と裏のウラハラのセクハラ。これ、常識。
―現世/中央部・外―
[飛び去ったドリスを見送り、レベッカは"再生"する。]
―回想―
【バックアップが有ろうと、"主"を傷つける可能性は排除しなければならない。】
[口に出さなかった"優先順位"。]
[残滓より犯人かの判別が可能という言葉を理解/保存。]
オネイロス――ヒュノプス―― 神。
壊し…… ⇔ …… 手に入れる。
オネイロス/その力を持つ者が、ヒュプノス/それを利用した?
――…… 元に戻る為に、オネイロスを。
[囁くような小さな声に、それを重要度の高いもの/隠す必要のあるものと判断する。]
[このデータにプロテクト/暗号化/専門外であれども。]
――Mundane/南部・繁華街――
先ほどに関して言えば私は、MAPへ表示されている光点のひとつを無作為に選択したに過ぎません。
[静謐な都市でも、街頭広告、その中でも常時内容が更新されないタイプのものは動き続けている。]
メイは何故コンダクターを心配するのですか。
ふっ…笑わせてくれる!!
[一喝するように吼える。]
君は、まだ私に腹の底を見せていないな?
君では話にならん。「君」の方がまだ話がわかりそうだ。
大人しく出てこないなら引きずり出してやる。
[双子ではなく、男に向けて一直線。]
[老人の突如の変貌に、俺はぽかんと口を開けていた。
ちょ、なにが起こったんだ!? この爺様はなにを見ている――?]
あるえー
ちょっとたんまたんま、なにすんのよゥ。
[白兵戦のスキルなんて持っていやしない。あわあわと狼狽えている間に、老人の顔が目の前にあった。]
「あっ――」
「――ずるいです」
[双子が文句を言う。それどころじゃないだろう、この状況ってものはさ――]
どうして心配するかって言うと、どうしてだろ?
見知った人が、誰かに狙われてるなら、それはやっぱり心配だよ。
バックアップはあるんだろうし、何かあったとしても、今は無理でもまたここが元に戻れば、トビーは元に戻るんだろうけど。
ああ、でも、待って?
[立ち止まり、考え込む]
今、ここって孤立してるのよね。多分、だけど。普通バックアップって常時とるものでしょ?
常時でなくても一定期間ごとに。
今孤立してるここで動いてる人の、バックアップって今取られてるのかな。
おじいちゃんくらいなら自分で取ってそうだけど。
[顔を上げてのろのろと滑り出した]
ローズマリー
先ほど、消えた――
[すぐ前の記録を反復する。]
――破壊。残滓。
[答えのわかる問い/誰がしたかは問わない。]
犯人ではない。
[幾度かの反復の後に、ノイズを除去する。]
「―ネイ―ス― 扱 ハ ナカッ 」
――残念な、事です……
バックアップが取られて無いなら、消えた光点みたいに、ここでやられちゃった人たちは、あたしのことは忘れてしまうんだ。
[寂しそうにぽつりと]
それはそれでちょっと寂しいなぁ。うん。
ならなおさら、心配する気持ちは強くなると思う。
[気を取り直したように明るく振舞って、地図を確かめる]
そろそろこの点の近くに来たつもりだけど。ごちゃごちゃしてて良くわかんない。
[辺りを見回した]
― 理想郷<Utopia> / Closed:Morgan's Space ─
ぴょーっ!!!
[叫びが谺する。槍は深々と俺の体を刺し貫いていた。]
ぅうぅぅうぅ――
[その声は、回転数の落ちたレコードのように、澱んだ唸りへと変じてゆく。]
忘れられたくないのですね?
[優しげな風情の音声。
その後に、やはり平板な音声。]
再生<リロード>によって現在活動中のすべての存在から
事件に関する記録が失われた場合、事件の存在自体を抹消することも可能でしょう。
[メイにならって辺りを見回した。
人で言うところの視界とステラのMAPは連動している。光点が存在/示す位置で首を止め、
メイに先んじて一軒の店舗の入り口へ。
"Brute Force"と掲げられている。]
私の槍は「優しい」…。叩き折るは、貴様の心よ。
君は次第に減衰していき、最後には活動をやめる。
[男に向かって、さらに槍を突き出す。]
Brahmaは「誕生」を齎す……。
その体たらくで、我が槍を避けられるか?
―現世/中央部・外―
オネイロスを扱う人。
破壊したのならば、対/ヒュプノスを使うことが可能に?
―― 見つけたならば ……
[右の手首を握った。]
[違うかそうか、判断する術はないが。]
―――― 破壊。
[音階を取らない音を*作った*]
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