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次の日の朝、自警団長 アーヴァイン が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、村長 アーノルド、学生 ラッセル、 イライダ、医師 ヴィンセント、書生 ハーヴェイ、冒険家 ナサニエル、牧師 ルーサー、双子 リック、村長の娘 シャーロット、旅芸人 ボブ、 カチューシャ、逃亡者 カミーラ、 ベルナルト、お嬢様 ヘンリエッタ、異国人 マンジロー、文学少女 セシリア、 アナスタシア の 17 名。
[ころころ飴玉を転がすに合わせて、頬の左右が出っ張ったりへこんだりする。
ほのかに、レモンの香料]
…………。
[ポケットから飴玉が出て来るのは、大阪のおばちゃんという人種だとかなんとか。
先ほどの鼻血事件は記憶に新しい。
素早く飴玉の主の背後に回り、その背中に指でゆっくり綴る。
『ありがとう』と]
[背後へ回り込んだ相手に、パチリと瞬きながら
背に綴られた言葉を理解すると小さく笑った。]
どーいたしまして。
お腹が満たされるモンじゃないだろーけど
そこは勘弁してくれな。
[大阪出身と思われているのにはまさか気づくべくもないが]
[もくもくと無言で飴玉を頬張る相手を見守りつつ、
ところで手に抱えたままのDVD達をどうしようか。]
フツーのエロビならありがたく貰うんだけどなぁ。
……あのオッサンの趣味だとどんな内容か疑わしいし。
つーかみるとSAN値下がりそうだし…。
[そもそもホテルにDVDプレイヤーがあるかどうかも疑わしい。
幼馴染と顔を見合わせて、とりあえずダンボールに詰め直した。
…のちに楽しめるにしても、ココに置いておく物じゃないと判断した模様。]
…基地か、俺たちの部屋に押収すべきかな…。
[押収したところで、どうすればいいかはサッパリだが]
釜井さんと鎌井さんとノヨル・カマーイさんからエイリアンだと糾弾されていたボブはその方が面白そうだからって意図的に遭遇しないようにしていた空気嫁に刃物向けられて「おにいちゃんどいてそいつ○せない」と間にかばった海の家のてんちょーさんが刺されて斬られて押し倒されて貞操は見事に奪われて阿鼻叫喚の大事件の中、騒ぎを聞きつけたみなさんは解禁された鮎の友釣りに舌鼓を打ってたよ。
ボブが寝ている間にすごいタイヘンな事態だったね。
―民宿―
[海辺の見える安い民宿の一室で、リックは目を覚ます。
理由は言わずもがな、隣で寝ている父親のいびきが大きいからだ。]
全く……寝ててもはた迷惑なとーちゃんだな。
[轟音の中で、小さく欠伸をすると顔を洗うために立ち上がる。]
つまり全員カマイさんじゃねーか!
[ツッコミどころに悩んだ結果、
一つ目をチョイスすることにしました。
鮎の友釣りは塩焼きするといいと思います**]
[顔を洗いつつ、ふと昨日の事を思い出す。
「海の家」に酒を買いに行かされたリックは、結局もらった金で好きに飲み食いをして、手ぶらで父親の元に帰ったのだった。
ささやかな反抗のつもりだったが、戻ったリックの見たものは、再び缶ビールを飲み散らかして、いびきをかきながら寝ている父親の姿だった。
散乱した缶は、器用にも全て縦につぶされている。
どうやら、リックの帰りを待ちきれず、自分で買って、酔いつぶれたらしい。]
あれ。
インターネットに繋いだら
『よいこのせんきょたいけんゲーム』
でボブの投票が村長さんに入れられているね。
これこのままじゃいけないよね。
期限までに直さなきゃね。
だけどなんだかもったいないよね。
[なんか叱られた。
口寂しい時の飴の恩があるので、渋々聞き入れ、水着をテイクオフ&プットオン]
…………。
[ダンボールを抱えながら途方に暮れた様子の青年に、そんなに大事なものなのか、と。
証拠物件として警察に提出するのもアリだと思うがどうか]
[おまけにリックの呼びかけで起きた父親は、酒を買いに行かせたことを忘れているらしかった。
こうして、リックのささやかな反抗は気づかれる事なく終わる。]
……いや、もしかすると体よく追い払われただけなのかなー……。
[かすかによぎったそんな思いを、顔に水を叩きつけて振り払う。]
はあ、かーちゃん、今頃どうしてるんだろう。
[さらに、2週間ほど前から母親は蒸発しており、外の爽やかな光景とはうらはらに、リックの現状は、なかなかシビアなものとなっているのだった。]
[やたら楽しそうに風船を割る女の子たちの写真が目に入った]
…………。
[倣って、空気嫁でも膨らませて割ってみたら楽しくなるのだろうか]
…………。
[――ちょっとしたホラー映像だった]
[顔を洗い終わってから部屋に戻ると、父親は相変わらず轟音を立てながら熟睡しており、起きる気配が無い]
このままほおって置いて、飯食ってから海に行くか。
ま、どうせ心配しないだろうし、いーだろ。
[それでも律儀にボールペンを取り、メモに「海に行きます」とだけ書いておく。]
はっ
寝過ごした!
[がばっと身を起こした。
ドキっ☆男二人のDVD観賞☆はどうなったのか。
見損なった場面を想像して悔しげにハンカチ噛んだ]
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