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[幼い印象の少年。
あどけない表情に何故か不安を感じながら声をかける。]
貴方も、此処にどうして来たか、解らない…の…?
あ…。
[青年が自分の上着を使って固定をしたのを見て、申し訳なく思いながら彼の返答を聞き。]
いえ、謝らないで下さい…私も…解らないから。
母と一緒に買い物に出ていた事までは…覚えているのに。
[ハーヴェイの返答][少し暗い顔][つられて暗くなる]
怪我した時
薬草で痛みを取ったよ
けど、ここにはないね
ごめんね、赤いお兄ちゃん
痛くて熱が出てきたら
きっと骨が折れてる
お医者さんがいればいいんだけど…
[上着で固定された足を見る]
大丈夫かな。
[交わされる言葉][不安][混乱]
みんな、わからないまま
この部屋みたいなとこにいるんだね
(チカチカ)[裸電球の光]
電球、切れたら真っ暗になっちゃうね
ここ、窓もないし
…解らないときたか。
[そう答えられては俺が考えても解るわきゃねぇとばかりに小さく溜息をつくと、興味深げに具合の悪そうな赤髪の男を覗きに立ち上がり、近付く]
んん…まぁ、ここが病院ならお医者先生辺りが手当てしてるはずだもんな、あんたらじゃなく。
[見れば男は脚を怪我しているようだ。顔を顰める]
うぇー…こりゃ骨いってっかもなぁ。痛そ。
でも運がいい。こんな風に手当てしてもらえりゃ、とりあえず大丈夫なんじゃねえの?
暫くは苦しいけどよ、案外放っておいても治るもんだ。
[幼い少年の言葉に、初めて窓が無いことに気付く。
窓どころか、扉も無いことに。]
…他の方達も、解らないまま此処に居るのかしら…
[気付くと青髪の男性が近づいてきていた。
自分と同じ髪の色だ、などと見当違いの事をぼんやり思いながら彼の言葉を聞く]
ごめんなさい…
気が付いたら既に此処に居たから。
貴方が何時から此処に居たのかも解らないんです。
……皆、そう―――か。
[買い物に、山の上に、書庫に、そして。]
薬草か……
あれば、良いのだが。
[大丈夫かな、少年の言葉に、
小さく「分からない」とだけ呟いて
赤い髪の男の額に手をあてた。熱はあるだろうか。]
……此処が何処かは、
―――誰も、わからないようだ。
病院のようにも……見えるがな。
[目を覚ました青年に答えるように言葉を紡ぎ。]
……治るだろうか。
[蒼い青年を見上げ、
僅か揺れる声で呟く。
数える、
林檎は1つ。
紙切れは1枚。
武器はたくさん。
箱は1つ。
部屋は1つ。
人影は―――つ。]
ここには、電球と箱しかないのかな。
[ハーヴェイの方を見て][先ほどの様子を思い出し]
箱の中には入って…
なかったんだよね
(ふぅ)
いったい、どれくらいここにいるんだろう。
[この白い世界に]
お日様がないから、時間もわからないや。
[視線の先は][箱]
……入っていない。
中には、林檎が1つ。
紙切れが1枚。
それから。
[口を噤んで]
……悪趣味なことだ。
……ああ、悪趣味なことだよ。
[箱を睨んだ。]
マジだ。
窓がないって……え、扉も?普通ありえねぇよな。
…冷たい風にでもあたらしてやりゃ、この赤髪の兄ちゃんもちったぁ楽だろうに。
[小さな少年の言葉どおりである事を確かに知ると、そう言って肩をすくめ、続いて聞こえた女性の言葉が自分に対するものだと気付くと、改めて聞けばその丁寧な物言いに僅かばかり緊張しながらも]
は、はあ。
俺がいつからここに居たのかも解らないんです、でございますか。奇遇っすね。俺もだけど。
…つうか、そこのガキも?
ってか、兄ちゃんも?
[小さな少年の呟きや、大人しそうな青年の言葉がそれを肯定している]
ここがどこかは、誰もわからないようだ…か。やれやれ。
いわゆるアレかよ。「ここはどこ?ワタシはだーれ?」
……いや。俺は俺の名前は覚えてる。ナサニエルだ。
[自分で自分の頭の中を確認するようにそう呟き、馴染みのある己の名前に頷いている]
[青髪の青年の呟きに顔をあげて]
私だって自分の名前は覚えてます。
シャーロット。
シャーロット・マーロン。
…どうして、此処に居る理由だけ解らないのかしら…
[そう呟き、思い出せないかと目を伏せた]
[琥珀の瞳][見つめる先も][同じ][箱]
(後で、ぼくも見てみよう。)
悪趣味?変なもの入っていたのかな。
[ナサニエルと名乗る青年][なんだか面白い]
ぼくは、トビーだよ。
(にぱ)
[箱の中に何が入っているのかが気になったが、琥珀の瞳の青年の苦々しい口調に、中は見ない方が良いのではと思いとどまった]
…紙切れ?
それには何か書いてあったりとかはしなかったですか?
…あんたらはどうよ?
自分の名前までわかんねぇってんじゃないだろな。
[相手の素性を問うにしてはやや不躾に、小さな少年や丁寧な物腰の女性、大人しそうな青年の顔を順に見ていくと、揺れる声で他人の体を気遣う不安そうな瞳と目が合う]
おいおい兄ちゃん…人間の体をそう舐めるもんじゃないぜ。
[言いながら赤髪の男をちらりと見る。――治るだろうか?
…そんなこと解りはしない。だが]
治る。治る治る。治んなくても脚の一本くらい何だってんだ。
少なくとも死にゃぁしないだろうさ。
[明るく頷いて見せる。
そしてどうやら話題は箱へと移っている]
「箱の中には入ってなかったんだよね」?
ん、…箱?
[よくよく周りの状況に気の付く子供だと、こっそり感心しながら視線の先を探す。すぐに見つかった]
へぇ、あん中に何か入ってたか?
ふん、紙切れ…おぉ、リンゴか!
[箱を睨む青年の呟きにも気付かずに、そりゃいいぜひ食おうと零しながらずかずかと箱に近付く]
[おどけた様な青年――ナサニエルの様子に
僅か気を緩めて]
……私はハーヴェイ。
ハーヴェイ・アンブル。
[箱をまた見て]
紙には、
……『キミ達の「力」で生き延びろ』と。
[治る、どうだろうか。
斃れたままの男に視線を落とした時]
……ぁ、待て……!
[ずかずかと箱へ向かうナサニエルを呼び止めた]
其の中に、は。
[不和の元だ。
閉鎖空間に有るまじきものだ。
謂いかけて、飲み込んだ。
止められるものではない、
此処にいる限り、
きっと]
OK、シャーロット。
それにトビーね、覚えたぜ。
なに、腹が減っては考え事もできぬ。
リンゴでも食いながら、どうしてここに居る理由が解らないのか思い出せないのか、ゆ〜っくり考えてみようぜ。
さーて!
[ひらひらと手を振っておどけて立ち歩きながら、一つと言われた数の事なんか忘れて、ぎっしり詰まった林檎を思いながら箱の蓋を開ける。
誰が差し入れたものかなんて考えもせず、誰にも追いかけられることなく美味い林檎にありつける嬉しさで一杯だった。
開けるまでは]
…うおっ
[廃屋で裏家業の奴らが受け渡してる危ない物入れの中身をうっかり目撃した、そんな顔でたくさんの武器を見た瞬間、開けた箱をすぐに閉じ直す]
おいおいおーい…。
[呻きは収まったものの、まだ脂汗の浮かぶ赤髪の男性。
治るだろうか─解らない、けれど。
治ると言い切った青髪の青年…ナサニエルの言葉に少し安心し、気を緩ませる。
だが、琥珀の瞳の青年の言葉に、眉をひそめた。]
私達の…「力」…?
それは、どうい…う…?
[箱に近づくナサニエルを、止める様子が
あまりにも、必死に見えて。
不安を、感じる。]
わわっ。
な、ナサニエルおにーちゃ。
[遮られた視界]
[暗い][黒][人の匂い]
(じたばた)
[それでも見えてしまったものは脳裏から離れない]
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