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[寮の自室で一人、呟く]
…もちろん、残るのは俺さ。
でもつまんねぇな、ラッセルが考えを改めるのが最終選考の結果がはっきりした時じゃ…
変わったラッセルをろくに見れねぇじゃん。
[去り際のラッセルの冷めた色をした眼を思い出し、その記憶を薄れさせるように髪をかき乱す]
ふぅ。
思い出させてみたいもんだ、あのコインを大事にしてた意味。楽しい思いでも、覚えさせておきたいもんだし…
…ま、思い出を忘れない俺は、やりたいことは全部やるし、欲しいものは全部得るのだ。
[自室を漁って、登山ロープを取り出す]
あの崖の上の花だって…もう取れてもいい頃だ。
俺だって色々、経験を積んできたわけよ。
崖だって余裕さ。もう一歩目でずり落ちたりしない。
そうとも、あの花を課題への捧げ物といたしましょう!
[ロープを肩に担ぐと、いそいそと裏山へ向かう]
[登山ロープのみを担いで裏山を登る。
楽なものだ。時間制限も食料調達のノルマも無く、放たれた獣もいない。
そして同じ条件でも、ピクニックをした幼いあの頃半日かかって登った山の頂上へは、ほどなく辿り着くことができた。しかし]
驚いたな…
ガキだったからこの崖は、高くそびえ立つように見えたものとばかり思ってたのに。
今見ても…、中々だ。
[下手をすると直立どころか、反り返ってすら見える崖。
その中ほどで今も変わらず咲き続ける花は、下から見上げても、収容所では他に見られないほどに白く輝いて見える。雲よりも白いと、あの日思ったものだ。
ごくり唾を飲む]
よし。
…やってやる。
[僅かな突起に手をかけ足をかけ、時に指だけで体重を支え、また、一人で張ったロープに身を救われる]
……やれやれ。
[髪の間から滴り落ちた汗が顎を伝って、遠い地面に吸い込まれていく]
暑くもないのに俺に汗をかかせるなんぞ…大したもんだよ全く。…せめてビレヤー欲しかった。
[しかし崖登りで、リードしてくれるパートナー役はもういない。数々の無謀とも言える辛い訓練を乗り越えた同じクラスの者達も次々と姿を消し、今はもう自分一人だ。
彼らはあれほど優秀で、頑張っていたのに。
一人になってしまった。
このまま手こずれば日も暮れてしまうだろう。
高い崖の中腹、今ここに自分が居ることも誰も知らず、助けもなく、暗い闇の中たった一人?
そんな想像による戦慄にも似た震えを、爪の剥がれかけた指が現実に引き戻してくれる。
今見るべきは目の前の崖だけでいい。
自分に言い聞かせる]
大丈夫…いける。
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