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白水も……判る、と言うた。
死した者の魂が見えると。魂を視れば、人か怪かすぐに判ると、然様に言うた。
山吹の女童…蘇芳か、あれが正しく笛の付喪神(つくもがみ)と教えてくれた。
ほお、白水がねえ。
面白ぇ術じゃねぇか。
俺と違ってすっとしたやりかただがねえ。
[腕を組んで頷いた]
確かにあの嬢ちゃんはアヤカシさぁ。
おれは喰わぬと言うのなら、では他の者は……?
おまえは人だろうとあやかしだろうと、喰えればそれでいいのではないか……?
[顔を伏せれば、ざんばら髪が面を覆う。]
[黒髪に隠れて眼も顔色も窺えぬ。]
[にいと笑って前屈み、
黒い瞳を覗き込み]
そう思うならそう思やぁいいさあ。
それが気にくわねぇなら俺を消しちまやいいさあ。
最も、そん時ぁ全力で相手させてもらうがねえ。
[それはそれは愉しげに]
どうしたぁ、有塵。
別に喰っちまいやしねぇよ。
[細めたままの眼を向けて
続く言葉に笑みのまま]
そいつぁどうしてだい?
お前も謂ったろう、
放っておくと俺ぁ血に酔って色んなもの喰い散らかしかねねぇぞお?
なんだい、殊勝だねえ。
心配してくれてんのかい?
[笑い手伸ばし髪を梳き
ふいと其の手を離しては]
そうそうくたばりゃしねぇさ。
鬼ごっこはまだまだだしなあ。
……解らぬっ。分からぬ、どうしてなどとは。
ただ、おれが去ぬより先におまえに去んで欲しくないだけだ。
おれを喰うても良い、ただ──
…………ッ?!
[促されるままに、激して答えを継いで]
[己の言葉に、愕然とした。]
有り得ぬ。有ってはならぬ。
[呆然としたまま独りごち、言の葉紡ぐ。]
おれは、花で良かったのだ。ひたすらに待ち焦がれ想いて咲く花で……
[眸彷徨い、千々に乱れた気色漂わせていたが、]
[一転、急速に収まり、冷たく固く蒼褪めた面へと。]
……喰児。
おれは動転していたようだ。済まぬ。
蘇芳の死に様聞いてから、おかしくなって居たのだろう。
[動転から冷静へ、慌しく移るいろ。
金の眼僅かに笑み細め]
気にすんなぁ。
紅に酔ったということにでもしといてやるさ。
[凛と告げる櫻の言葉、
はらはら落ちる花びら掬い]
ああ、俺ぁそういう櫻ぁ気に入ってるぜえ。
もうそろそろ宴も始まろう。
常盤の女君も戻って来ようほどに。
おれは……樹の上で頭を冷やして来よう。
然らば。
[緋の鬼より離れ、踵を返して]
[足下より桜風巻いて]
[何時の間にやら香も消え失せて]
[満開の桜の山は淡い一時の夢に返る。]
[花の風巻上げ舞い上がり、]
[己の宿る白霞の桜へと。]
[高き梢に身を寄せて、]
[このところ手放さぬ酒をば呷る。]
[一息二息、浴びるが如く。]
[顎を伝いて胸にも滴る滴、]
[乱暴に手の甲で口を拭えば、]
[冷たき面にようやっと血の色が。]
……おれは、花のままでいい。だから。
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