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…!?
[とろり、髑髏から落ちる液体。
手の甲について眼を瞠る。
ついで動くのは髪の毛。]
…あ
…あぁ…
[動揺で少し声が退く。
手をそっと離してから]
…ぶっかけか、…うん、美味いな。
[もう一度魔王の髪の毛をじっと見た。]
ジョーキョーアッカ! ジョーキョーアッカ! こんなのぜったいおかしいよどうしよう!
[努めて小声で慌てふためく。
ええとええとどうしよう、そうだこうしようきっとだいじょうぶ閃いた!
イチ、ニィ、サンとタイミングを計ってリーフシールドを解除する――と同時に作戦開始。]
ぷはーっ
よかった助かったーっ
[目の前のミウの手をがしっと掴み。]
ありがとう、ボクなんか知らないけれど葉っぱに絡まれて動けなかったの、助けてくれてありがとー!
[大げさ・オーバー・棒読みに誤魔化しながらミウの手をぶんぶん振った。]
[髪がうにゅっとノの字を描きかけ。不自然に空中で静止する。]
えっと、
そのう、
食堂のおばちゃああん!
ぶっかけ山盛りでお願いしますッ
[と、注文したものの。ガショーン、ガショーンと言う地響きが、先輩の足音だと気付いて、また人成らざる速度で逃げ出そうとする。]
わああん、先輩ッ!
[廊下を食堂から逆走して急発進。
そして、木の葉の影から現れたリリアに気付いて、急ブレーキ。明らかに、背中の羽根で移動しているのだが。]
あっ、1-Aの転校生だ!
あたし隣のクラスだから名前知ってる、
リリアちゃん!
ふぇ? エ?
えーと?
[ぶんぶんと振られる手に呆気に取られた]
絡まれて?
あれ、にゃんこは?
[ガシャンガシャンの音は耳に入らなかったようだ]
ひゃあっ?
[名を呼ばれ驚き。]
あ、うん、そう、転校してきたばかりなの。よろしく ね?
[よかった誤魔化せれているみたいだ。]
え、にゃんこ? 猫ちゃん? ええと、ボク知らない なあ。
[きょろきょろとあらぬ方向へ視線を泳がせた。]
リリアちゃんていうんだ?
転校生なんだね。
私ミウ。よろしくね。
[取られていた手をぎゅっと握った]
にゃんこどこか行っちゃったのかな…。
[きょろきょろ]
んと、今からご飯なんだ。リリアちゃんも食べる?
おばちゃん、私もぶっかけうどんお願い。
─ 体育館裏 ─
ここまで来れば大丈夫、か――。
[思えば、猫一匹に対しては長大すぎる距離を移動してきた。校庭のトラック18周を含んでいたので、物理距離は労力に比べて少ない。]
この学園の人類を制圧した暁には、
あの野良どもも駆逐してくれる。
[ぜいぜいと肩で息をする。全身に瀝る汗のような液体ごと、甲冑姿もずるべしゃと崩れ落ちそうになり、慌ててまた元の体裁を取り繕った。]
うん、いろいろわからないからこの学園のこと教えてね?
[握られた手をこちらからも握り返し、まじまじとミウを見る。
元気そうで、感情豊かな感じでクラスメイトたちとは違う――目にもほら、感情がある のか な?]
あ、それじゃボクも同じものを――あ。
[どかかしらに違和感を覚えながら、でも誘われた食事には乗ろうと思ったところでなにやら万寿子から包みを貰っていたことを思い出し――それは儚くも潰れていた。]
…………。
[体育館裏と言えば、ひっきりなしに告白とリンチと果し合いが行われ、時にはバッティングする混沌とした区間である。今もまた、繁みの奥で乳繰り合う成立したばかりのリア充カップル(だが触手だ)や、チェーン状の触手とヨーヨー的な触手が交錯し、カオス空間を作り上げていた。]
――構わん、続けたまえ。
[きっとみんな、美味しそうな転校生たちの気配に浮かれきってお花畑状態なのだろう。黒甲冑は悠然と腕を組み、単身佇んでいる。]
レジオン君、気にしちゃ駄目だよ。
そんな細かいこと。
[疑問ににっこりと笑った]
うん、教えられることならねぇ。
…?
[見つめてくるリリアに首を傾げた。これでもニンゲンになるのは得意なので、目に生気はちゃんと宿っている]
同じもの食べるの?
リリアちゃんは転校生だから転校生用の食事にしたほうが良いよう?
食べても大丈夫だとは思うけど。
……、
…細かいか?
[眉を寄せつつ、呟く]
お前も転校生なのか。…おれも転校生だ。
[と、リリアに向けて謂った。]
転校生が流行しているかのような
状態だな…。
[リリアに、]
あたしは、魔王 ふぃーあって言うの。
1-Bだからミウちゃんと同じ。
[この転校生=リリアは黒髪ではないなあとか思ってる間に、先輩を見失ってしまった。先輩が行きそうな場所は何処だろうと空中で首を傾けていると。
うどんあがりー!と食堂の方から声が響いて来た。
そう、転校生用のうどん、触手用うどんの間には越えられない壁が。]
生きてるうどんって
美味しいよね。
噛まずにのみこむのがコツだよう。
[生きているうどんの踊り食いをする頃には(空腹もあって)姿も多少は落ち着いており。
うどん食べながら、売店がどうして破壊されたのかの話を聞いたりして、それから先輩を捜しに行くんじゃないのかな**。]
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