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してはならない事も少しあるが…例えば軽はずみにこの檻から出したり、過剰に餌を振る舞ったりする事など。
だが、ともかく絶対にしてはならない事が一点だけある。
殺してはならない。それは必ず守るように。必ずだ。
と同時に村長は、さあ人狼よ、来れるものなら来てみるがいい。とひとり人狼を挑発するのだった。
檻を見るのは昼夜問わず四六時中自由だ。入りたければ見回りの者に鍵を借りるといい。見に行きたいならば今すぐでもよろしい。
口は塞いでいないので、唾を吐かれてもさすがにそこまで責任は持てないがな。
とりあえず、今日は村中の皆に知らせ、檻を見てくれ。拷問を加えるのはそれからでも遅くはない。
じっくり人狼を見て、どうするか決めて欲しい。
では解散!
そう言うと村長は深く溜息をついた。アーヴァイン殿よ、これでいい筈だよな。我々にとってこれが最良の策である、と。
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――詰め所前――
[ウェンディは幾ばくかの人だかりができているのを見つけ、男性が声を上げて何かを説明しているのに聞き入った。]
怪物を捕まえた?どんなものなのだろう。みんなびっくりしているわ。やっぱり、何かある。
あの、今から何が起ころうとしているのですか? 私にも教えてくれませんか?
もの凄くいい事があったんですよね。
みんな拍手したり、歓声をあげたりしてますから。私も知りたいです。
[ウェンディは近くの大人に、何があるのか*尋ねてみた*]
#15と#16の間に連投ミスにより1発言抜いてしまいました。
拘束の描写が抜けておりかなり致命的なので申し訳ないのですが今回だけ挟ませて下さい。すみません。
この状態まま檻まで運んでいます。
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セシリアは人狼の力を削ぐ為に、前腕をコの字に折り、後ろ手に手錠をかけ、更に肩から足首まで5度6度と鎖を施している。前腕にも1回、2回。
また揃えさせた足首には鉄球をつけ足している。さながら木乃伊や蓑虫のようであった。
食事を抜いている事が効いているのだろうが何よりも、首に聖銀の細い首輪を巻きつけているのが功を奏しているのだろう。
死んでいないのは一目で分かるが、意識があるかは分からない。
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お尋ね者 クインジー が参加しました。
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男は、確然とした口ぶりでそう言った。
強い眼差しに射すくめられたように、身じろぎ一つすることはできない。男は相手の反応を確かめたかったのだろうか。やがてふっと息を抜き視線を外すと、愉快げに笑った。
「いや、君がそう言うのも無理はない。『人狼や魔女は恣意的な裁判官たちによって作り上げられたものだ』……とね。
当時の裁判のあり方、罪状認定の方法が甚だ問題があったというのは確かだ」
だが――と男は言う。だからといって、彼らの中に真実人狼が存在していなかったと確信をもって語ることができる者がいるだろうか?
男の手が机の上に伸び、羊皮紙の束を取り上げた。古い。一体、いつの時代のものだろう。序文を誦する男の朗々とした声が石の壁面に谺し、高い天井に吸い込まれていった。
ラテン語で綴られたそれは、とある修道院の書庫に秘蔵されていた書簡の写本であるという。
それは、この地で人狼審問、魔女狩りが猖獗を極めるより更に以前のことだ。男の言によれば、それ故にこそこの書簡に綴られた内容は信に足るのではないかとのことだったが――。
そもそもは、古き時代、この地にあって狼憑きや魔女であることそれ自体は罪悪ではなかった。それらが神への挑戦であり絶対悪とされるようになるのは十六世紀以降のことである。
エリザベス一世の御代の一五六三年、聖職者からの圧力によって“悪魔”が国家の法において認知された。そして間もなく、悪行が証明されなくとも告発そのものが重罪の証拠として充分とされるようになった。
それまでは、無論、家畜に損害を与えたり呪殺の証拠が確認されるような事例では罰せられたが、それらは人間に対する罪であり、神に対してのものではなかった。
もっとも、これらは一般論に他ならない。
この書簡が綴られた時代――百年以上もの長きに亘る大陸への干渉と戦役、その直後の内乱。度重なる天変地異に飢饉、黒死病の蔓延……絶望に黒く塗りつぶされた世界で呻吟する人々の心の暗がりの中で――
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此に綴られしは我儕の目撃した震駭すべき事件の顛末を告白したものである。此処には断じて偽りなく唯に真実のみを語ると云うことを始めに神の御名に於いて誓う。
先ず誓いを述べたことには二つ理由がある。
一つには、我儕の氏素性を定かとし得ないからだ。なにしろ、我儕は貴君らには“鷹”と称せられるところの一羽の家禽に過ぎぬ身上なのである。
貴君がこの時点で径ちに疑を挿んだとて、是非もない。
抑も、一介の家禽が言を弄することがあろうか、況や筆を執り文字を綴ることがあり得るだろうか。尤だ。此については詳述は避けるが、想像を脹らませて戴く他ない。
今一つは此処に綴られた事柄の曠古にして稀代たる様は、到底信を置く能わざる類のものだからだ。
多言を費やすほどに、人は仍その疑を深めゆく許りであろう。
然るが故に、我儕は唯に真実を誓うという一文を添えるに留める。
冀くば、拙き言葉なれど真実が後の人々の許へと到かむことを――
はためく翼がシルフを擽る。一杯に拡がった翼が風の精霊に支えられ、高く高く、その体を押し上げてゆく。
眼下には墨を溶かしたように黒々とした森が宏漠として拡がる。月影の落ちた湖沼は白銀の盆。森を縫う小川は絹糸の如く、艶めいた光を帯びていた。
いじましいほどにささやかな耕地が島となって点在していた。その島に寄り添って小さな家々が散らばっている。それら一つ一つの人々の営みを思った。彼らは、押し寄せる漆黒の闇に呑み込まれることを拒み、地を這いながら苦闘し続けていたのだった。
小邑の家々の中から、天に向けて石造りの鐘楼が手を差し伸べている。一回り大きく、目につくその建物は村の教会だった。
僅かに身を震わせたのは、凛々とした大気の層に触れた所以だったであろうか。満ちてゆく月の光を背に受けながら、予はその時某かの予兆を慥かに感じたのかもしれない。
夜の静穏を朝課=Matins=を知らせる教会の鐘が緩やかに震わせた。
予は、翼から力を抜くと暖かな大地へと滑るように降りていった。
教会の脇を抜けた小道は森の中へと続いている。僅かばかり進んだその先には貯水池があり、ガタゴトと音を立てて大きな水車が回っていた。“水車小屋”と呼ばれるその建物は、実際には“小屋”というには少しばかり大きい。水車小屋の周囲にはいくつかの小さな建物が付随し、周囲は樫木の杭で囲まれていた。
池に面した窓辺に佇む男が一人。半眼に茫洋と月を眺めている。
『居眠りをしていたな?』
予はそのように邪推した。本来なら夜通しの勤めであるはずだったが、この男は水車番の仕事を好んではいないようで聊か勤勉さを欠いている。おそらくは朝課を知らせる鐘の音にその習い性から目を醒ましたのであろう。
かといって、かつてのように勤行に励むでもなく、うすらぼんやりと空を眺めながらほりほりと頬を掻くのみであった。
《バサバサ!》
予は帰還を知らせるべく、また男を叱咤し覚醒を促すべく、羽根を打ち鳴らした。男は一瞬目を瞬かせ、やっと我に帰る。腰を降ろしていた窓の桟から戸外へ飛び降りると、革紐の巻かれた左腕を高々と我が方に向けて差し出した。
「帰ってきたか。エトワール」
男は長い間にどうやら自分が予を“飼って”いるかのように思いこんでいるようで、その口調はいつもぞんざいだ。だが、真実は違うのだと予は声を大にして云いたい。
予はかつての主が鷹狩を嗜んだが故に仕えることとなった従僕で、この男は主から予の世話をするという名誉を預かった身に過ぎぬのだ。つまり、予にとっては、主君、予、この男という位階が順当であろうと考えるのだ。しかし、人間とは真に勝手なもので、言葉を話せぬ禽獣を下位に見るものなのかもしれぬ。
否……我が主君を喪った時に、我等の関係もまた変わったのか――。
そのことを思えば、少なくはない寂寥が胸を塞ぐ。その思いはこの男とて同様であろうか。今は数少ない儕輩となったこの男の無礼もいつしか許すような気持ちになっていた。
さて、この目の前の男はクインジーと今は名乗っている。
幾年か前のこと。争いに敗れ、海を渡ったその前はクェンタンという名前であったろうか。かつては鋼の鎧に身を固めた馬上の丈夫だったこともあった。
今は、とある修道会の修道騎士として士分に取り立てられている。過去に傷を持つこの男の仕官が叶ったのは紹介状を携えていたからであったが、修道騎士とは云ってもその実際は用心棒に他ならなかった。
事実、水車番としては勤勉さに欠けるこの男だが、荒事においては物の役に立たぬわけではない。
その体高は6フィート3インチ程に及び、鍛え上げられた肉体は立ちふさがるだけでたいていの者に威圧感を与えた。また、武芸については一廉の執心があったのか長剣の技の鍛錬も怠りなかった。
だが、この男はやがて片目を喪い、更に悽愴たる惨劇の渦中にて、己の無力を噛みしめる程の怪異と対峙することになる。
クインジーは池で顔を洗い、眠気を晴らした。闇を震撼させるその声がおぞましい惨事の幕開けであることを未だ知らぬままに。
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……セシリアが?
[動顛し、喉を詰まらせながら早口で騒動を語る兵士の話を最後まで聞くことなく、棒をもぎ取る。
不敵な笑みを浮かべながら、クインジーは騒動の中心へと*足を向けた*]
──詰め所前──
[暗鬱な石造りの建物の正面。
防御を第一に作られた石垣の内側ではあるものの、野外。
建物から監視しやすく、万が一に人狼が逃亡する事があっても建物に逃げ込めば、兵士が応援を呼ぶ事が出来る程度に、入口から離れた位置。
また、外側から門番が門を閉ざしてしまえば、村を人狼の被害から守る事の出来る程度の距離のある場所。
…けれども、村人が娯楽として楽しめる様に『檻』が外から見える場所。
──セシリアの『檻』は、詰め所脇の絶妙な場所に置かれていると言えた。そして、その位置がちょうど村人達の人狼へと抱く感情を表しているのかもしれなかった。]
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