情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
逃亡者 カミーラ が参加しました。
[黒尽くめの衣装を着た女は、何かから逃げるようにこの村へたどり着いた。片手には少々大きめの荷物を持っており、長旅によって疲労が蓄積している。]
ようやく村にたどり着いたか。
これで「奴ら」から逃れられると良いのだが…。
[黒尽くめの女は、いわゆる「逃亡者」である。何故そのような状態になったのか。それは、自分が住んでいる村を跡形も無く滅ぼした人狼達から、かろうじて逃れてきたからなのだ。]
さてと、寝る場所を探すとするか。
[帰る場所を失った女には、当然ながら宿はない。それに加えて手持ちの金銭も、あまり多くはない。この状況の中で今からこの村の中で宿泊場所を探しに行くことにした。]
[女は宿探しをしている最中にふと、足元に生えている草に気がついた。]
ん?こんな所にハーブらしき草が生えているぞ。
とりあえず、摘んでおくか。
[女はその草を採取した後、宿探しを続行した。]
文学少女 セシリア が参加しました。
[──…月の奇麗な夜だった。]
[アーヴァインが持ち込んだ、小さな蝋燭の灯りに照らされて尋問室の格子窓の向う、満月へ向かおうとする黄金色の月がくっきりと夜空に浮かんでいた。]
[強い力で叩き割られた木製のテーブル。]
[割れて転がる尋問官用の椅子。]
[今、人気の無い夜の尋問室に満ちているのは、新鮮な、流されたばかりの血の匂い。]
[片手に壊れかけた鉄製の手枷と自らが座らされていた壊れかけの椅子をぶら下げたまま、少女は虫の息で床に横たわる男を見下ろしている。]
[大型獣の爪で引き裂かれた様な深い裂傷が三本、刻み込まれた逞しい男の胸。仰向けに転がる男を見つめる少女の口元には、感情の読めない淡い微笑み。]
────何も。
何も、気付かないでくれれば良かったのに、アーヴァインさん。
職務に熱心だと言うのは、お互いにとって不幸な事だったとしか言えない……。
[少女の足元に、葡萄酒の様に赤黒い血の海が広がって行く。]
[女は村中を一通りまわってみたが、宿泊場所は結局見つからなかった。]
ちぇっ、今夜も野宿か。
仕方がない、あの教会の近くで眠るとするか。
[女は目の前にあった教会の周辺で野宿をすることにした。教会の入り口付近に陣を取り、荷物入れの中から寝袋を取り出す。]
ふぁーあ……ねむいな……寝てていい?
[女は寝袋の中に入り、その場で*眠りに就いた*]
[月の光][黒い森]
[木々のざわめき。]
[森の向う側にセシリアの家がある。]
私がこの村に辿り着いたのは、もう随分前の出来事。
二年以上…になるのかな。
この村で──セシリアとして生きて行くつもりだったから、最初にあなた達が家に来ても逃げなかったのに…。
傷の治りがはやすぎるなんて。
……気が付くあなたが悪い。
[アーヴァインの側には、アイスピック程の大きさの拷問用の針が転がっている。]
──回想・2F 尋問室──
[人狼の力を恐れる村人の心理か、尋問は日のある時刻に行われていた。
夜に尋問室へアーヴァインが現れた事はセシリアにとっても意外な出来事だった。]
「ずっと何か違和感があると思ったんだが、やっと分かったぞ。打ち傷の位置がおかしいんだ。
お前を引っ張って来た時は、手首のここを掴んだんだ。
なのに傷の位置がずれている。」
[少女を尋問用の椅子に縛り付け、手枷を掛け、その細い手首をつぶしそうな勢いで握る、アーヴァインの目は、蝋燭に照らされギラギラと輝いていた。]
「化け物の身体には、異様な治癒力があると聞く。
人間じゃない事が尋問中にばれないように、お前は夜中に自分で傷を付けたんだ。」
[アーヴァインは、まだ「人狼」と言う決定的な言葉は出さない。が、核心に満ちた様な表情を浮かべている。]
[「そうだろう?」と言いながら、少女の手首を手枷で傷付く様に、机に打ち付ける。打音に僅かに顔を顰めた少女を覗き込んで、アーヴァインは口元を歪めた。]
「ほら、この傷だ。」
「刺してもすぐに治るんだろう?
俺が今、ここで試してやる──。」
[振り上げられた異端者の拷問用の針]
[衣が裂ける、悲鳴の様な派手な音]
[セシリアの衣服の胸元が裂かれ][こぼれた白い肌に]
[突き立てられようとするニードル。]
…っ、やめてくださいッ。
私は、(──人狼じゃありません!)
「お前が、村の家畜をッ!
大切な村の人間をッ!
私の従姉や、部下をッ!
それに、お前は自分の幼なじみだって、殺したんだッ──!」
違っ!
あれは…誰の所為でも無く…て。
…流行病──でしょう…?
[更に衣服が裂かれる音に続いて、ザクッと何がが切れる音が響いた後、癖のあるやわらかなな少女の髪が千切れ舞い散った。]
[今度は本物の悲鳴が響く。]
鍛冶屋 ゴードン が参加しました。
[月の輝く夜。
数日前に旧友が意気込んで語っていた話を思い出しつつ]
アーヴの奴、手柄がどうとか言っていたが。
あれから奴は、詰めっきりらしいな。手柄とやらは何なんだろうな………。
[引き裂かれた衣服の隙間にさし込まれた、日に焼けた男の手が、ねじ切る勢いで少女の乳房を掴む。]
(──犯される。)
[何か、言わなくてはと。
言葉を繋げようとした少女とアーヴァインの視線がぶつかった。]
[アーヴァインの目。]
[憎悪][村の家畜を──人を襲う獣への恐怖と憎しみ]
[異端者][裏切り][人に非ざるもの][人外]
[それに剥き出しの欲望]
[セシリアを庇護すべき村人とは看做さなくなっているからこその、その眼差し──。]
[僅かな証拠だ。けれどもそれを、アーヴァインの勘違いでは無いかと、言葉で言い繕う事が難しい事がセシリアには分かった。
何故かアーヴァインは確信に満ちており、少女を見つめるアーヴァインの目は、既に完全に「村のセシリア」を見るものではなくなっていた。]
[瞬き。][確信してしまったのなら、仕方が無い。]
[月の光を受けてセシリアの瞳が、はじめて人ならざる金色に煌めいた。]
──…アーヴァインさん。
[ガシャンッ]
[金属が打ち付けられる音に続いて、机が割れる派手な音。]
[壁に椅子がぶつかり、脚が折れる音。]
[男が息をのむ音。]
[鋭利な何かが空を引き裂く素早い音。]
[──暫しの空白。]
[穀物袋が床に落ちる様なドサリと言う重い音。]
[男の絶叫。]
[途端に、部屋中に満ちる血の匂い──。]
[──暗転。]
──2F 尋問室──
[現在]
[セシリアが窓から視線を戻す。
人狼の力で引き千切った鉄の手枷をぶら下げたままの姿で、まだ息の有るアーヴァインの肺の上を踏みつけた。]
ずっと、この村の「セシリア」で居たかったのに…。
私は去らなくちゃいけない。
…寂しいわ。
[少女は窓の格子を破壊して脱出するつもりでは無かった。派手な音を聞きつければ、庭の兵士達が真っ先にやってくるだろう。アーヴァインはわざわざ夜中に一人でやって来たのだ。尋問室の扉から、正面から出れば良い。そう考えていた。]
[彼はここに派遣されてから既に5年経っていたが、聖務日課を欠かしたことは一度も──彼の保護下にある教区民が持ち込んだごたごたが彼を悩まさない限り!──無かった。
こんな小さな村にでも予期せぬ事はいくらでも起きるものだ。
人知れずに教会を訪れ告解と赦免を望む者。
酷い喧嘩の仲裁を頼みに来たり、死に近付いた老人や傷病者に秘蹟を授けてくれと駆け込んでくるのは、良くあるとは言わないまでも既に幾度も経験していた。
その他にも、急病人や怪我人が出た時に運び込まれたり呼ばれたりということも稀ではなかった。
彼は修道院に居た頃にいくらか薬草と医学の知識を身につけていたので、教区民の魂の平穏を守るだけでなく、その肉体を病や死から救う役目も担っていた。医師の居ないこの村では彼が医師でもあった。]
[手枷の先にぶらさがったままの木片を振り払って落とす。身体に巻き付けられた縄を鈎爪で切り裂く。鉄輪を残して自由の身になったセシリアは、アーヴァインの腕を無造作にもいだ。
そのまま、鋭利な牙でアーヴァインのロース肉に噛み付く。
尋問で疲労が蓄積していて空腹だった。アーヴァインに手を掛けた時点で、残念な事に外聞を取り繕う必要はすでに無くなっていた。それに、これから逃亡するには力が必要だった。]
…甘い。引き締まった良い肉。
アーヴァインさん。
もし、生き延びても、もう大好きなお仕事が出来ないわね。
私が居なくなっても、まだ人狼はこの村に居るのに。
[首筋に付着したアーヴァインの新鮮な血液を指先で拭い、その指を舐める。
住処を奪ったアーヴァインに憎しみの滲んだ淡い微笑みを浮かべたまま、尋問室の重い扉へ向かおうとしてセシリアは気付く。]
………………。
莫迦な。
何時の間に──こんな。
[セシリアを睨みつけたままで、アーヴァインが吐血する。アーヴァインの口元はどうやら笑みの形に歪んでいる様だ。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新