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見分ける者とやらが居るとして、万次郎がそうであれば良いが。
これは確かに本人に訊くより他はあるまい。
既に狩人の目星が付いておれば上々、そうでのうても。
[有塵が司棋の顔を覗き込むのを見て]
ああ、司棋様で御座いますか?
ふふっ……此の方は如何でしょうねぇ。見た目どおりの子ども故、契る意味すら存ぜぬご様子……
もちろんわたくしが司棋様の全てを知っているわけではございませんから、如何ようにも……
ええ。難儀な身体でございましょう……?
[司棋の唇についた紅を手ぬぐいでそっと拭き取る。]
……嗚呼。
因果な身体がおぞましい……
[桜舞い散る中、遥月は物憂げに微笑み、思案に耽っていった――*]
[緋の鬼が先の血闘に話を向けたに思い出し、]
[浮かぶは紅ひいた若衆の、凄みの技。]
…ああ。なかなかに良い見物だった。
ああもされては毒が無うても恋死にする者も居るだろう。
色恋に疎い者には目の毒よ。
[本気とも冗談とも付かぬ声音で言い掛けて]
[物憂げな微笑に気付き、]
……済まぬな。遥月。
もう言わぬ。
[目を背け、残りの酒を一息に呷る。]
だから遠くで見るだけ、
相手が居る者に焦がれて咽ぶのかい?
[いつか謂われたその言葉、
繰り返しては覗き込み]
そうだなあ。
男色の気が無くても惑わされるものもあろうさあ。
[有塵の言葉に含み笑い。]
また熱うなってきた。
[空の瓢箪放り出し、己の分身の幹に背を凭れ掛けさせて]
[頭を付けて天を仰ぐ。]
[熟柿の香漂わす熱い息を深くついた。]
喰児。酒。
[少しく酔いが醒めた蒼褪めた顔で瓢箪を取り、]
酔うたか。おれとしたことが。
[言い訳がましく呟いて、急いで酒を口にし喉鳴らす。]
[転げた瓢箪追う有塵、赤鬼やや苦笑気味]
おいおい大丈夫かよ。
ずうっと酔いっぱなしみたいなもんだったけどなあ。
顔色元に戻ったかあ?
むしろ蒼いかぁ。
[戯れ混じりに青褪めた有塵の額に手を伸ばす]
[生命の残り火が尽きかけているのだろうか。]
せめて春の終わるまでは……いや。
散り果てるまでで良い。
今暫くの夢を……。
[額に触れた手に、ハッと身を固くするも、]
[童子の様な面持ちで素直に受け入れる。]
[そのままその手の感触を静かに味わう。]
……喰児。
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