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[カラ] [コロ] [カラリ] [元気な仔猫] [先を往く]
[露天まではもう少し] [夜道に人通りも少ないか]
おや、司棋の兄さんじゃないかィ。
[赤の少年] [見つけて仔猫も毛を逆立てる]
[相変わらずの様子] [仔猫が啖呵を切るのを眺め]
では、次の夜――
[共に歩む道、ぽつりぽつりと咲き始めた桜]
そうさの、林の中に桜の木があろう。
この様子では咲いておろうて、其の下で逢おうぞ。
[くつりくつり、カラコロリ]
今宵は未だ謳い呑もうぞ。
異国人 マンジロー は、なんとなく お尋ね者 クインジー を能力(透視)の対象に選んでみた。
[翠に声掛けられ、とりあえずその場を収め。
夜斗は代わらず牙を剥き出し、うなっている]
どちらまで?また夜店まで出向かれるのか?
いくらなんでも危なくは?夜斗をおかししましょうか?
[平静を保とうとするにも、横から猫が口を出し]
おう、分かったさあ。
桜の樹の満開の下ってなあ。
約束を賭けた勝負だあ、
相棒との死合いもさぞ愉しいだろうさ。
[笑う青鬼、笑う赤鬼、月が伸ばす影法師]
ああ、呑もうぜえ。
[ほどなくして、男は宴に顔を出す。妖しい紅色の光を帯びた視線は、ぐるりと周囲を見渡して……]
……おやおや皆様、ごきげんよう。
今日も今日とて酒宴とは、話題に尽きぬことですねぇ……。ふふっ。佳き事、佳き事。
[深い緑の袖の奥でくつくつ笑う。]
[唸る夜斗] [仔猫も変わらず睨みをきかせ]
有塵の兄さんと命の姐さんの盃買いに往くとこさァ。
夜斗が来て呉れるンかえ?
頼もしいネェ。
[仔猫と犬] [仲の悪いも知りつ] [ニィと笑み]
[されど] [仔猫は犬の助けなぞ要らぬと謂うかも知れず]
―回想...―
[日は一時遡る。
用が在ると言い乍ら 席を立たなんだ宵のこと
黒き靄で雑鬼払い、懐から件の珠を取り出して]
…今宵は誰そ見極めようぞ。
火影、火影よ。其方、どう思いやる。
[鍔はチリとも謂わず。空を見遣れば茜の色が差し]
彼の者はヒトか否か、こたえよ。
名は―――…司棋…――――。
[茜の色を見て、とっさに出た名は狗を連れた少年のもの]
夜斗、有難うネェ。
[ひらり] [ひら] [ひら] [黒き蝶] [舞い戻り]
[濡れた碧] [すぃと細め] [うっとりと] [笑み浮かべ]
猫姫様を此の侭喰ろうてやろうかえ?
司棋の兄さんもそろそろ我慢の限界じゃないかィ?
せっかくだから、書生 ハーヴェイ は 冒険家 ナサニエル に投票するぜ!
[挑発する猫、その言葉に、とうとうまた何かが切れたか]
「その犬や、小鬼も捕れず食われるがオチではないか?それとも夜道怖くてわらわについて来るか?」
「おぬしは大人しく、酒に潰れて犬のノミでも捕っておれ]
…この…言わせておけば…いい加減に…
[翠が見ているからこそ、抑えていたものの、前日からの我慢の限界が、とうとう臨界点を超えたのか。
紅い目は、更に鮮やかに色増し
夜斗も一瞬にして犬の姿を狼へ変え]
お帰りなさい。
そろそろあの猫を食らってよろしいですか?
それと…どうやら、見られたようですね?
かまわないでしょうか…。
……青司様と喰児様の鬼ごっことは、こはいかに。
[袖の奥に唇隠し、じぃと二人を見比べる。]
いよいよもって、殺し合いが愉しくなった、と。嗚呼、なんということ。
お止めしたとて無駄で御座いましょうから無理強いは致しませぬが……あまり感心できることでもありませぬ。……無駄な殺し合いは、程々になさいませね。
わたくし達は、狩人を捜し出さねば共倒れ。其れを重々ご承知下さいませ。
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