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[ずぶぬれの姿で抱きしめられて、自分も濡れることはいとわずにまだ力入らぬ腕をゆるく背に回し]
ん…大丈夫…。
貴方も…無事でよかった…
白水様…は?
[くたり、と体を預けながら]
[カラコロリ、すり抜けた体、二、三歩んで]
[届く声]
ああ…ああ……
[踵を返し、傍に膝折り]
[解けた蝶]
[冷たい緋色が揺れて揺れて]
己は此処におる、此処に居るぞ。
――笑え、笑うと云うたであろう……なぁ、白よ。
[困ったような笑み浮かべ、
頬に伸ばす手、すり抜ける指先、幾度となく]
え………?
青司……様……?
消え……た……?
いったい、どういうことです……?
もしや、青司様はもう………?
[白水の言葉に、信じられぬという表情を浮かべて呟いた。]
[指先は、ゆっくりとけれど固く握られて。
毀れる青墨、ぽたりと落ちても漣一つ立たぬ水面の上]
[俯く顔に掛かる藍の髪。さらりと揺れて]
……己は散った、散ったのじゃ。
[ぽつり、月の言葉へか呟いて]
散ったのならば、何故だ。
何故此処にいよう…!
[遥月の腕の中、青司の名に少し顔を曇らせて]
青司様…昨日、会った…。
よくは覚えてないけれど、今日は気配を感じない…
[青司と白水、寄り添う姿を思い描き。
青司に遥月を想い重ね、心なしか強く遥月の着物を握る]
つめたい、もううごかない、
蝶だけが、生きてたのに……
のう遥月――何なのじゃこれは……
今まで幾人もの死を見つめ、
全てに恋うてきたというのに。
寂しいのは、同じなのに――
[ばらばらな言葉]
[読み取るは困難か]
全てに……恋う……。
[視線を落として、呟く。]
……亡くした命は……
きっと………
[司棋の手が、己の着物をぎゅっと握る。その微かな動きを感じながら、遥月は唇を開いた。]
……同じでは、ありませぬ……
貴女様が涙を流す程に欲して、求め、手を伸ばし――亡くしたことに気付いてもなお、狂おしい程に求める命は……
「同じく恋うる」命では、ありませぬ……
[元はといえば己が迷い込まねば起こらぬことばかり。
妖も己も、触れる温かさ知ってしまったからこそ。
互いに顔さえ合わさねばこのようなこと、終ぞなかったものを
白水の痛々しい顔見るに耐え切れず、思わず口つく言葉は狩る者には相応しからぬものであり]
…ごめんなさい…ごめん…な…さい…
[誰に対してでもなく。ただ、その言葉だけを知るように呟き、涙で濡れる目を*閉じた*]
[はらり][はらはら]
[零れなかった涙は落ちて] [紅い泉に吸い込まれ]
同じでないなら、何だと――……
[績切ったように流れる涙が言葉をそこでつまらせて]
[続きを言うことが出来ないほどに鳴咽をもらす]
[青司――……青司……]
[藍の男のぬくもりを思い]
わらわも、百鬼には、なれなんだのぅ――
[小さく漏らせば]
[紅に染まる泉の中で]
[あの幻を*ひたすら恋うて*]
其れが………
『愛する』と…いうこと……
[誰に対してとでもなく、遥月は司棋の身体を抱き締めたまま呟く。]
恋うる気持ちがつのり、己の身分も立場も、身の安全も、命までも――何もかもかなぐり捨てて、恋うる相手を思い、共に在りたいと願い、其れを叶えんとすること……
[ハッと目を見開いて――]
ひょっとして、白水様は、青司様を………
[続く言葉を、飲み込んだ。]
[男の顔からは、既に紅が落ちていた。他人に晒すまいとしていたその素顔を晒し――それを気にすることもなく、滴り落ちる赤い雫を拭い、司棋に微笑んだ。]
いいええ。
わたくしのことなら、お気に為さらないで下さいな。
この遥月、貴方様の為になら……
[左胸の蝶がトクリと疼き、視線には凛とした光。]
……どのような苦痛も、苦痛とは思いませぬ故……
それくらい、貴方様が『たいせつ』なのですよ。
ねぇ、司棋様………
[遥月は、そっと司棋を抱き締めた――*]
……女君との死合い、邪魔されとうなくておれを殺すか。
矢張りおまえは、
[硬い面が引き歪み、憤怒にも似た色がさっと過ぎる。]
[──がそれも一瞬、]
……違う。違うのだ。
然様な事が言いたかったのではない。
おれは、
[今にも泣き崩れそうな顔色に。]
おれは、彼のおとこの訪れをひたすらに待つ、その為にだけ在る。
身も心も命も魂もすらも縛られて、それ以外の在り様など無い。
彼のおとこに逢わずして、吾から死を願う事も出来ぬ。
だが。
おまえが彼のおとこならば。
[覗き込まれたその顔を、更に近付け息掛かる程、]
[夢の際にて在るような、脆く儚い笑み浮かべ。]
何時の日かあの桜の木の下にて再び相見えんと
童子の頃に交わした契りを、
おまえが果たしに参ったと
そう言ってくれるのならば。
[緋の鬼の金の眸に、烏羽玉の黒き眸を合わせ見て、]
[熱に浮かされた*囁き返す。*]
[茜の空を見て、時が経ったのを知る。
仔猫の骸の傍について一晩明かした。
懐から珠を取り出す。
もうひびが入り曇って色さえ分からない。
きろり
輝くこともない。]
彼の、……者は なに も…のぞ。
名は―――メイ―――。
[ひびで濁った珠は何も映さずに、声だけが虚しく響く]
何者ぞ?…何者ぞ…?
魂喰らわれてしまっては…
再び、ふたたび…見(まみ)える事も叶わぬではないか。
[声を詰まらせて嘆き。表情は無く
掌にのせていた珠が
―――ピシッ―――
音を立てて、仔猫の骸の上に降り注ぐ。
綺羅り 綺羅 綺羅]
幽鬼にもなれぬではないか…。
林檎飴は喰えぬし、酒も呑めぬ。
触れる事が出来ぬではないか…――――。
[強い妄執と化した魂魄は、黒い闇を纏い。
茜の消えゆく明るい空の下、其処だけ薄暗く]
我が魂を分つ事が出来るのなら―――蘇っておくれ。
そして、酒を…呑もうぞ。
林檎飴なぞ、幾らでも買うてやる。苺飴もな。
[――――――綺羅リ 綺羅 綺羅―――――――
薄闇は、仔猫の骸、珠の欠片に吸い込まれてゆく]
[変わらずの無表情で、仔猫の骸を見おろして
珠の欠片で少しでも無惨な姿が和らいだかと思えば
ふらり*その場を離れた*]
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