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ええ、そうですよ。
そして、いなくなった教官も全て“処理”されている。
……もっとも、これを担当しているのは政府の役人ですが。
そろそろ、僕達も“処理”される頃合ですかね。
[くすくす、と皮肉を篭めた笑みを。]
政府の意向が知られぬように、だそうです。
全く、馬鹿げた話だよ。
お偉いさんの勝手で、生かされ殺される。
こんな滑稽な話があるか。
[からからと嘲笑う。その対象は誰なのか。]
[何も言わず収容所から消えていった友達。
自分に託された言葉。
いくつもの記憶が、疑問が、フラッシュバックし、目の前が揺らぐ]
と、真相を話したところで……。
確実に生き延びられる方法はたった一つです。
シェルターに入ること。
……チケットは【2枚】あるわ。
[口元に笑みを浮かべ、どうする?と3人を見る]
[悪い冗談が終わらない。
二人の教官は「本気にしたのか」と笑い出さない。
コーネリアスは震えながら涙を零し、キャロルは悲鳴のように何故と叫ぶ。
ナサニエルは立ち上がって、キャロルとコーネリアスの傍に立った]
政府、政府…政府?
政府に言われたから、それを黙ってやったってのか?
今までずっと…あんなに居た子供ら全員?
最初に脱落者が出たのは10の時だった…
そんなガキも殺したのか?
ヘレナもメイもギルバートも、アルベルト教官も…
…ネリーも、ラッセルも、みんな?
だって、もう隠したってしょうがないでしょう?
[同じく苦笑しながらヒューバートに言う]
ああ、ちなみに教官は無効なのよ、シェルター行きチケット。
政府の言うことだから、ただ従ったと言うの?!
[肩を竦めるソフィーの言葉に、弾かれたように体を堅くして、叫ぶ。
怒りに燃えた頬を、ヒューバートの笑い声が打った]
滑稽だと知っていて、あんた達はそれを……!
[気がつけば、教官の視点で自分の言葉を聞いていた。
きっと〜と前置きされて話される、存在しない希望。
…その一つ一つに胸が張り裂けそうになる。
このままでは、殺されるまでもなく脳がおかしくなって死んでしまいそうだ。大きく深呼吸をして、首を振る。]
…せんせたちまで…。
[おかしい、と思うが口には出さなかった。
みんなそう思ってるんだろうから。]
教官さえ、政府の役人が殺すって?
そしてあんたらも黙ってその“処理”を受け入れて…
生き残れないあんたが、チケットは2枚だと笑うのか!
ああ、それ。
[事も無げに。]
基本的には1名のみ、となっていまして。
2名にも出来る、というだけの話です。
情が移ってしまって、1名に絞りきれない収容所もあったそうですから。
……くすくす。
[ナサニエルの言葉を聞き、さも可笑しそうに笑う。]
僕が黙って“処理”を受け入れる?
そんなわけないでしょう。
策は既に練っているのですよ。
[チケットが「2枚」。それを聞いても、
コーネリアスはただ弱々しく首を横に振るだけだ。]
もう、ふつうに過ごせない。
もう、絵なんか描けない。
もう、未来の役になんか、たてない。
[徐々に、また会えると思っていた人たちが
もうこの世に存在しない事を理解し始める。
さっきまでの急激な感情の変化とは違い、じわじわと体が凍っていってしまうよう。]
[黙って受け入れたのかという非難には、はぁ、と胸に溜め込んでいたものを吐き出してから]
それを言われると、返す言葉がないわね。
情!
ついこの間までは居たあいつらと、俺達に別れの挨拶もさせずにその手にかけておいて…情だとよ。
何て奴らだ…
…何て世界だ。
ああ、勝手に策だろうが何だろうが、練りゃいいんだよ。長く長く、ただ政府の言う事に従ってただけのお前らの行く末なんか、知ったことか。
どうするかだって?
そんなに思い通りに世界を作りたいなら…シェルターの中で、滑稽な猿回しどもだけ生き残ってりゃいい。
希望が…俺が、そこに居てやる必要なんかどこにある?
変えられる選択は、ここであんたに殺されるか、シェルターに入るかの二つと言うこと?
[微笑むヒューバートを、冷たく見つめた]
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