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[集う物の怪人混じり。
常葉の女に細い目弧を描き、番傘見つけてまたひとつ笑む]
ああ揃いさぁ。
[するり弧を解き白へと]
緋か。ますます白の謎かけ判らぬわ。
ほほう、泉で仕掛けるとは愚かな奴等よ。
食えば当たるやもしれんのう、食うも食わぬも好き好きじゃ。
そのうち烏にでもつつかれようて。
[頬なぞる手離して、赤鬼此方を覗けばゆると笑んで]
なぁに、寝起きで可笑しな顔でもしたか。
酒は足らぬが酔うてはおるさ。
[くつり、細める藍の目]
犬猫の争いも無粋よ。
嗚呼、呑もう。この数では酒も足りなかろう?
我がもう二三本調達してくるとしよう。
酔いたい気分なのだ。
[赤鬼へそう言い残し、どこか清々しげな笑みを浮かべつつ社を離れようと]
メイ、其方も来るか。
[ふと口をついて出た言葉。自分でも判らぬまま声を掛けていて]
嗚呼、美しい翠……
[司棋が造り出した硝子玉をじぃと見つめ、溜息をつく。]
ですが、やがて消えゆく定め……。
常盤様、もしお嫌で無かったら、わたくしが化粧を致しましょうか。喪った目は戻せませぬが、瞼を紅で彩ることはできましょう……。
よろしければ、いつでもお声をお掛け下さいませね。
[真理に触れられ暫く神妙に俯くも、メイの言葉にいよいよこめかみに何かがひくつき]
この猫…!言わせておけば!
[ぷちんと音がしたのは気のせいか
瞬間に夜斗が眼を見開き猛然と吠え立て今にも噛み付こうと]
[万次の物言いにからり笑い]
かっかっか。己は放し飼いゆえ、
大人しく膝に乗っておるかは司棋に聞かねば。
しかし酒の席壊すのもつまらぬものよ…ふむ
[身を逆立てるメイと司棋をゆるり眺め。
先日のやりとり思い出しメイに話しかける]
さてはて、己の腕は一本しか無い。
酒呑みで片手使うてしまうから、
わっぱの襟元掴むわけにも行かぬ。
無い腕の代わり、酒の席潰さぬよう頼りにしても良いかのう?
そうかい、相棒。
寝起きかい、いい夢は見れたかい?
[肩をついと叩いて瓢箪傾け]
酔う、酔うねえ。
血に肉に花に女に男に、酔うさ。
祭りだからなあ。
[呑みたい気分と万次郎、
ほお、と愉しげ緋色鬼]
そりゃあいい、
本気で呑んで遊ぶとしようかい。
猫がお気に入りかねえ。
主と猫かあ。
[返る袖から香る緋色。
既に乾くも香は変わらず有るかの如く]
やれ…一度に幾つも見ればもう飽きた。
一体幾つの妖を狩った?
我からすれば其方も狩る者も変わらず思えるぞ。
[隻眼の袖取りゆるり擦り。
ぱらりぱらぱら煉瓦は落つる]
[常葉の少女に目を見開いて]
[その答えに僅か眉根を寄せる]
自分で喰らうとは――奇妙なことを。
其れも刹那を愉しむコツか?
[青司の様子に緋色を細め]
そうじゃな。
妾にも――……ようわからんわ。
[続く言葉には笑みを浮かべ]
愚かなことこの上もない。
泉で妾に挑んだことも――拾った命をまた捨てにきたことも。
……妾が喰らうは魂ゆえに肉は烏にくれてやろう。
[言えば、カラリコロリと歩を進め]
司棋様、メイ様。
いい加減になさいませ。
……まったく、犬と猫の争いだなんて、あなた方は童子ですか?
そんなつまらない理由で喧嘩なさるなんて……嗚呼、情けない。ほら、爪をしまいなさい。みっともない。
[灰の紬の袖を口許にあて、眉をしかめて犬猫を見やる。]
[赤鬼の声] [振り向き揺れる常葉] [見詰める眼は碧と翠]
[薔薇色ニィと笑み] [妖し蛍火] [隻眼の碧と共に弧を描く]
鬼ごっこだヨゥ。
そう言う喰児も中々に好い形(なり)じゃないかィ。
心配せずとも小鬼に狩られる程に落ちぶれちゃ居ないヨゥ。
でも鬼ごっこはもう始まってるからネェ。
何時消えるとも知れぬは誰しも一緒さァ。
[青鬼見詰め] [くうるり] [回る番傘] [ぽたあり] [紅い雨]
[てらてら光る] [紅い番傘] [月夜に映る] [蜘蛛の巣綺羅リ]
今宵は一献、茄子の兄さんと酌み交わそうかィ。
[遥月の言葉] [紅い化粧を呉れると謂う] [ニィと笑み]
遥月の兄さんも優しいネェ。
紅は血の色、綺麗さァ。
こン侭でもアタシァ構わぬが見苦しけりゃ好きにしと呉れヨゥ。
開耶も来よったか。
あちらこちらに赤ばかり。そろそろ別色見たくなるか。
しかし手を出すのはあちらゆえ、
あらぬ疑いかけられたまま大人しく食われるのもつまらぬものよ。
[開耶が落とす煉瓦色。
くつり笑って、赤鬼見遣る]
ああ、ああ。朧な夢を見すぎておったわ。
すっかり目覚めればうつし世の香にほろ酔いよ。
祭りも祭り鬼ごっこじゃ。
お前さんも派手にやったようだのう。
そうかい、
そりゃあいい、良く出来ました、だ。
[白水答え、先生返す。ごっこ遊びの延長線。
琥珀が眉を顰めて諭す]
さぁ。どうだったかなあ。
数えちゃいねえ。
はははは、俺ぁ愉しければいいのさあ。
それに、売られた喧嘩は高く買えってな。
[赤鬼に、肩を竦め笑う]
さぁて、猫に主は必要か?我の記憶では、猫は主を持たぬと。
[引き寄せたメイの後頭部をわしと掴み、ともに踵を返し]
ゆくぞ、酒の調達だ。其方も呑むのだろうに。
先の礼の件も含め、これで御破算にしようて。なあ?
[盃を仕舞い、ぺたぺた歩き出す裸足。片手は未だ翡翠の頭を掴んだまま社を離れてゆき―――。]
[周りにさんざ呆れられてもぷつり切れたものは直りもせず]
だって最初にあの猫が…!
[子供のような言い草で。みっともないやら情けないやらと呆れられ、耳垂れるようにしょげるもつかの間]
…いいですよ〜だ。ふん。
でも猫と一緒の席だけは勘弁ですから!
[興奮する夜斗にまたがり、泉まで*駆け抜けて*]
陽に灯に緋か。ふむ、さて。
[緋色細める白に、暫く首かしげ、ぱちり指鳴らす]
それは命のようじゃのう。
陽に蕾抱き、咲くは命の灯火、散るは緋色の血の色じゃ。
ふむ、捨てるも拾うも己が裁量。
賽の目振れば、出る目を捨てるはまた無粋。
[常葉の女の言葉。小鬼と聞けばくつりと笑う]
己と呑むか、よかろうて。偶にはお前さんに酌でもしようか。
[紬の袖の奥で、遥月はくすくす笑う。]
嗚呼、可愛らしい司棋様ですこと。
まぁったく、拗ねる姿は子どもそのもの。嗚呼おかしい。
はいはい。わかりました司棋様。
気分が直ったら、また戻っていらっしゃい?
[紅の目尻を緩め、男はくすくす笑い。]
>>230
うん教えよう、万次郎。わらわが傷つけるのは雑魚であり、鬼狩りでもあり、おぬしを傷つけようと目論む者でもあり、そしてキャンキャンとよく吠える犬じゃ。
この身のこなしに働きをよう見て、ヒトであるならばどうあっても適わぬ動きと知るが良いぞ。
[降ろされた手を名残おしげにそれでもニッコリ笑って見せると相も変わらず、司棋達に向ける眼は激し火の色]
…おやおや。
>>236
[けれどもその眼がまあるく見開かれ、惑ったように首を振る]
困ったものよ。司棋の心根の悪さを見たと思えば、かように美しい瞳を常磐のひめに戻し、さらにはその髪に白い花を飾りもする。
懲らしめてやるべきなのやら、褒めてやるべきなのやら……ぬっ。
…我が心決まった。やはり懲らしめるべき!
[猛然と吠えたて今にも噛み付かんばかりの司棋>>245を見れば、迷いは消え、勇ましくも両腕を振りかざそうと――]
[表情に声、腕はとは裏腹にやはり……万次郎を盾として脚はさがる寸前、襟首掴まれ引き寄せられたはむしろ救いであったろう。
さがりそうであった己の脚には]
……ううむ。いやいや、違う、違う。
これは退却などではなく、楽しきいざないにのれとの天の思し召しに脚が従おうとしておったまで。
>>246
…おお、そうともそうとも。
青司とてわらわを頼りにしておるがゆえに。
司棋が酒の席潰さぬよう、ここは大人の態度で身をひこうとの思いがさせたことでもある。
>>250
なんと遥月め、そのように折れてやったわらわまでも一緒くたにしては酒を調達してきても、分けてはやらぬぞ。童子はそこな一匹、司棋ばかりよ。
[逃げるとは見せぬ悠然とした表情で、にこり万次郎に微笑み>>243]
うむ、行ってやろうとも。楽しき宴のための差し入れ物調達もまた、おぬしと共にならば一層楽しかろ。
見渡せど赤が目に付けば飽きもする。
[幾度擦ろうと落ち切らぬ。
飽いて袖を放ろうか]
適当に流せば良いにそれすら出来ぬか。
それとも最初からする気がないか。
なれば狩る者でなくとも狩る者と同じよ。
[下げた瓢箪引き上げて。
突き立つ氷片越しに藍を見る]
[隻眼の言に零るる溜息]
やれ、確かに数える間もなかろうが。
これでは主に人を捧ぐ前に妖が総て消えようぞ。
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