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咲かぬは陽、咲くは灯、白の言葉も謎かけのようじゃ。
では散るはなんとする?
[白、首かしげ。揺れる袖には滲む赤黒。
ちらりと赤の一筋覗く]
やれやれ、お前さんも礫でも投げられたか。
厄介ごとが多くて堪らぬのう。
[痕残る手を伸ばし、白の頬撫でる]
ふん。初めて見た犬は体もずいぶんと大きく、きゃんきゃん吠えずともその姿を静かに佇ませるのみで、周りを圧しておったものじゃが。
[メイの気には障る司棋の笑いから耳は塞げなくとも、笑う声と唸る姿から、どうにかつんと顔は逸らし]
そうじゃな知らぬ身ではなかったゆえに、弱い犬ほどよく吠えるとは本当の事のようじゃと、また一つ学ばせて頂いた。
うん仕舞ったぞ万次郎。わらわが傷つけたく思うは、おぬしではないもの。
[司棋から逸らした頭をも庇うように片方の掌を添えられ、その丁寧な扱いで抱き降ろされると、小娘と呼ばれようとも満足げに微笑みを見せて]
うん、やはりじゃ。少々口の悪い所があろうとも、万次郎はわらわをも姫のごとくに扱う。
おぬしのそういうところが気分が良うて好ましい。
問題ないぞ、おぬしに助けられてもわらわはちゃんと喜んでおる。
[青鬼向こうに見えた赤鬼]
[ゆるり首を傾げれば][くすり笑って手をあげて]
今宵も愉しい宴会かえ?
鬼ごっこは始まったというのに呑気じゃのぅ。
[かけた言葉に嫌味はなく]
[いつもと変わらぬ様子に穏やかに笑み]
おお、赤鬼に青鬼か…司棋も…揃って物騒な格好をしておる。
[赤鬼のなりを見て嘆息]
ずいぶんとまた、愉しんだようだな?赤鬼。
我にも、一献頂けるか?
先のような醜態はもう晒さぬよ。
足りぬのなら、調達して参ろうか…と云っても出店は殆どが畳まれてしまったようだが。酒くらいは調達できよう。
[酔いたい気分隠さずに。ぺたりぺたりと赤鬼のもとへ
酒の具合を確かめるように首を捻り問う]
見事も見事。有塵の顔も忘れられぬわ。
桜見るたび思い出しそうだ。かっかっか。
そうさな、酒の匂いあれば他も寄ってこようて。
桜の下で花見酒と洒落こむか。
[ゆるり赤鬼見て、思い出すのは常葉の片目。
少しばかり浮かない顔。それも一時愉しげに口元上げる]
白水も来たかい。
櫻はアヤカシを惹きつけるのかねえ。
[眼を細めてくくくと笑い
相棒の言葉ふと気づき]
はあん、お前らもやられたか。
水遊びでおいたしたヤツを屠ったかい?
[メイの言い草にカチンと来たか、好戦的な色を瞳にうかべ]
へぇ…弱い弱いとよくも。
猫なら猫らしくこそこそ隠れればいいものを、よくも堂々と僕の前へ出てこれる。
そんな年で縄張りも守れぬ犬と同視するとはいい加減、我慢もできぬよ?
[苛々と、いよいよ...も身の毛を逆立てるように]
慕われるなァ好いが姫を助けるなァ殿の役どころってだけさァ。
兄さんがもう少し舞台袖で待ってて呉れりゃ助けたヨゥ。
[問いに] [笑みを絶やさず] [番傘くるうり]
人様に話す程無い詰まらないもンだヨゥ。
[赤の少年] [哀しげで] [白の手伸ばし] [赤い髪梳き]
痛く無いたァ謂わぬけれどそンなに軟(やわ)じゃないヨゥ。
さァさ、今宵は何の華を見立ててお呉れかえ?
[気配三つ] [赤鬼] [青鬼] [白の少女]
[遊螺り] [顔向け] [番傘くるうり] [ニィと笑む]
おや、お揃いかえ?
[笑みそのままに少女を見おろして]
そうか?嫌われてはおらなんだ。
[くつり、と戯けてみせた]
其方が傷つけるのは、何ぞ。雑鬼か、それとも鬼狩りか。
はたまた―――、我ら主様の命に従い動く者共か。
ははは。其方がヒトで無い限りそれはないな。
ヒトでない女子供を斬る趣味は無い故、丁寧に扱うのも当然。
[するり―さらさら。
翡翠の髪を指から流し、頭を撫で梳く手を降ろした]
―社にて―
[灰の結城紬を着込んだ遥月は、いつもの人だかりへとやってきた。]
これはこれは皆様、ごきげんうるわしゅう。
……?
どう為されました、常盤様。
嗚呼、其の眼はどこで傷つけられたのですか……?
まさか、ヒトの狩人に…?
[青ざめた表情で、常盤の顔を見る。]
散るを悲と評すのは無粋じゃろうて。
―――……さしずめ緋かのぅ。
[くすり][困ったように笑み]
[撫でられた頬][俯いて]
水の礫を返して一度は見逃してやるも
大勢連れてきよったでな――全部狩ってやったわ。
ほんに難儀じゃ。
[顔をあげれば][くすりと笑い]
同族喰らいをしてみようかと思うたが
不味そうじゃったから捨ておいた。
["せんせい"の問いには薄く笑み]
おいたをしたからたっぷりお仕置きしてやったわ。
なぁに、水浴びの延長じゃ。
[くすくす笑って報告か]
[白水笑えばにやりと笑い]
愉しいは愉しいが
赤が見れるかもしれないねえ。
[ふと相棒の曇り顔、眼を細めて覗き込み]
どうしたぁ、相棒?
酒が足りねぇかい。
[続々気配を感じつつ]
ああ、万次郎。
そういうお前も相当なんじゃないのかあ?
おう、呑め呑め。
こんな櫻の花の下、ぼおっとしてるのこそ無粋ってもんよ。
[瓢箪突き立つ氷刃。
つぃと撫でればひやりと冷たく]
さて、暫しは溶けはせぬようだが。
急がねば時の問題か。
[時折ぴちゃりと緋色は撥ねて。
古草鞋、足先、点々と]
[着けば周りは噎せ返る]
…やれ、酷い血の香よ。
[つぃと見遣るは赤隻眼]
ではせめて…
[また蛍火が舞ったかと思うと、真理の眼元へ宙を舞い。触れたか触れぬか、ガラスのような翠の瞳が現れて]
あまりにも、悲しく思いますゆえ、形だけでも。
その眼は、明日には消えますし、恐らく何も見えはしませんが
女性の顔に傷などとは…。
[いつもの結い髪蛍火顕わすは白く可憐なひなげしで]
あぁ、気分も華に通じるのか、なんと悲しげな…
[気持ち顔をゆがめて、それ以上は見ようとせず]
[真理の声にそちらを見れば、眉間に皺を俄かに寄せて
呼びそうになった真名押さえ]
……おいおいそいつぁどうしたい。
随分な格好じゃぁねぇかあ。
[常盤は隻眼番傘くるり。]
そうなって一層艶が出るたぁ
さすがと謂えば流石だがなあ。
子鬼どもにやられたってぇワケじゃなさそうだなあ。
顔ぶれはほとんど揃ったな。
今宵の宴もそろそろ始まりか?
[と思えば、犬猫の争いが始まろうか]
青鬼、司棋を見はっておれよ?
犬猫の争いで、酒宴が台無しになってはかなわん。
[通る声で青司に告げる。
己はちらと翡翠の少女を返り見てひとりごち]
挑発に乗らねば良いがな。
[集った面々にも気がついて]
おおいつの間にやら、増えておるわ。
>>219
髪を撫で梳かれれば、心地良さそうに目を細め]
そうか。おぬしならば雑魚ごときに狙われようとも、さぞたやすく打ち倒したことじゃろう。
ふむ、心は騒いでおるのやら踊っているのやら、わらわにもようわからん。
…思えば、助けられるのは二度目じゃな。
高枝より受け止められしときは、礼もせなんだ。
[足元で身をくねらせすり寄っているつもりで人の身故に胸の辺りでうろついたのは、礼のつもりのよう]
じゃがおぬしの言う通りにわらわもまた狙われようとその時こそ、わらわも助けてもらうばかりで無いと見せられようぞ。
>>228
おぬしの前へ出てこれる、とな?
いやらし笑いを常磐のひめに向けながら近付いて来たのは、おぬしの方じゃったともう忘れたか。
我慢もできねばさあ、どうする。
わらわとて、いつも優しく諭すばかりではないのじゃからな。
[つられて身の毛を逆立てるのは、果たして勇猛果敢な勇気ゆえか、木の上へと避難したくなる心を誤魔化すものゆえか]
[現れる気配] [遥月へと向き直り] [幾度目かの問い]
[青褪める様] [見詰めて] [コロコロ] [軽やかな笑い声]
鬼ごっこの合間にちょいと自分で喰ろうただけさァ。
[遠く] [薄墨桜] [はらり] [ひらり] [隻眼の碧] [潤む]
[伸ばされる手] [灯る翠] [俯き加減] [雛罌粟をなぞり]
御免ヨゥ、悲しませる気は無かったのにさァ。
気配は判るし未だ片目ある内ァ見えるけどネェ。
有難うネェ、今宵も蛍火に彩られて嬉しいヨゥ。
[瞬く双眸] [碧と翠] [そぅと少年の頬撫ぜ] [赤い髪梳く]
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