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お…目を開けた。
[おお、という人々のどよめき。にこりと振り返り]
いやぁ良かった。
この小さな守護者候補のおかげで、お兄さんも無事意識を取り戻しました。
…皆さんお帰りの際は、どさくさに紛れて金を払い忘れないように。
[しっかり釘を刺した後、再びラッセルに向き直り]
やあ、災難だったなあ君。
「戻って来れたのか」って一体何が…
[そこまで言ってからギクリと緊張に身を強張らせる]
…ラッセル。ラッセルって、メイが言ってた幼なじみの?
あんた…メイと一緒にどこか行ってたとかか?
[天上を仰ぐラッセルに、続きを促すように肩を揺さぶる]
[目の前の少女が、糸の切れたマリオネットのように倒れた瞬間、彼の体が瞬時に動いていた。
ウェンディを胸で受け止めると、大きく嘆息した]
ふぅ……。無理をさせた……。
悪いな。ありがとう。
[そう、ウェンディの額にかかった髪を整えてから、自分をささえてくれていたマンジローに振り返った]
アンタもありがとう。
おかげで助かったよ。
[光の差す方へ走る。
目の前に現れるは、護り手の宿。
リックは息を切らせながら走っている。]
ウェンディ?ウェンディ!!
この魔法の量は大きすぎる…
一体何があったんだ?
[大人達の群れをかき分けようとしては窮屈そうに一人でおしくらまんじゅうをしながら、押し戻される。]
ウェンディー!
面倒くさいっ。
ローラーストリング!
我が手の内にありて、その能力を解放せよ!
[無数の糸の群を左手から床にたたきつける。そこに現れた「ただの糸の塊」を踏み台にして、大人達の頭の上からその中央部分をのぞき込む。]
ウェン……
あ、あれは……ラッセル兄ちゃん!!
お見事。さっきまで怪我人だったとは思えない動きだ。
そうかウェンディは疲れただけ…なんだな?
休めば戻るんなら、良かった…
…ご覧の通り、俺は何もしてないよ。
礼はそのウェンディが起きたらたっぷり……
[リックの声に気付いて立ち上がる]
あの声はリック?
兄妹ってのは凄いな。
繋がる何かが気付かせたんだろうか…
[すう、と大きく息を吸って]
ほらそこの客ども!
妹を心配する兄に無事顔を見せてやるくらいしても罰は当たらないぞ、退かな――お、おお。
[突然鳥のように大人達の頭上から現れたリックに驚きながらも、ウェンディは大丈夫なはずと頷く]
…そうだ、その質問にはまだ答えてもらってなかった。
[優しく微笑む姿に、そのままになってしまっていたラッセルを心配するリックの声で、再び向き直って]
本当に、何があったんだ?
少しばかり言葉を交わしただけだったが、…それでもメイや、その幼なじみだっていう君の事を心配しても罰は当たらないよな。
>>262
けが人とはいえ、俺も守護者の一人。女の子一人支えるくらいの余力は残しておかないと、紳士じゃないからな
[そうジョークを交えて、口の端を少しあげると、ウェンディをリックに渡して、改めてマンジローに向きなおした]
俺はラッセル。ラッセル=アーセナルだ。学園守護隊の研修生をしている。
[そこで、リックの自分を見ている顔が、自分の格好に疑問を浮かべているのを用意に想像できるものだった。半分苦笑と半分自嘲を交えた表情を浮かべてから、これまでの経緯を話した。
メイとともに生まれ故郷の村を壊滅させた人狼七斉という人狼集団を倒しに向かったこと。
七斉は強く、まだ修行中の二人が決死の覚悟を賭しても一匹に深手を与えるだけだったこと。
そして逃げている最中、気付いたときにはメイの姿がなかったこと。
語り終えると、自分の手荷物を悔しげに撫でた]
……こいつさえ俺がちゃんと使いこなせていたら、アイツらなんか……
[瞳の奥に、後悔の念が深く渦巻いていた]
…………………!
そ……んな………
何でだよ!?ラッセル兄ちゃんだってメイ姉ちゃんだって、学園じゃあんなに強いのに……!
[悔しさを露にするラッセルの表情に、ひどく困惑している。]
そんなに外にいる人狼は強いのか………っ!
[自分の身体がガクガクと震えるのを、リックは理解しながらも抑えることはできずに、絶句したままその場に立ち尽くしている。]
[自分の話に震えだしたリックに、ラッセルは自分の話が悪かったとため息をつくと、ポンと頭に手を置いた]
ああ、相手は強い。
でも、俺だってメイだってまだまだ修行中の身なんだ。一人前じゃない。そんな俺たちがやられても、一人前になれば戦える。
それに、無理に一人で戦わなくてもいいんだ。そのための学園だ。そのための仲間だ。
もっと視野を広げろ。周りを見つめろ。そうすれば、いつだって道はある。
今、おまえは怖いかもしれない。
それでも、必ず強くなる。心も体も。そうしたら、リックは俺より強くなるさ
[だから怖がらなくてもいい。最後にそう結んだ]
>>265
俺はマンジロー・キサラギ。
和国から来て今はこの宿の世話になっているが、つい昨日守護者学園に入学を許された。
[口の端をあげてそう笑むラッセルの冗談にも笑わず、淡々と相手の言葉を聞いて名乗り返す]
…そうか。
紳士っていうのは、強い仇を無謀にも同じ故郷で生まれた女子と二人で討ちに行って、帰りは一人で戻ってくる奴のことを言うのか。
[自分にこの里でマンジローにしか出来ない何かを見つけろと言ってくれた少女の顔を思い出しながら、ついそんな言葉が俯いた口から漏れる。
しかし顔を上げれば自分では到底できないだろう勇気ある仇討ち人の片割れの瞳の奥に、後悔の念が渦巻いているのに気付いて、しまったと悔やむ顔をしながら]
いや…、今はあんたの無事だけでも確認できて良かった。メイもきっと、大丈夫に違いない…そのうちひょっこり、帰ってくるんじゃないかな。無傷で。
[笑おうとする顔で悔しげに撫でられる手荷物を目にし]
…そりゃ何だ?
[マンジローの一言に、強く唇をかみ締める。血が流れるのも無視して、床に視線を落とした]
……ああ、俺は彼女と逸れたからな……。
そういう紳士でしかなかったんだろう……。だけど!
[そう叫んで、近くのテーブルを強く叩いた]
このままじゃ終わらないさ。
たったこれっぽっちのプライドしかない紳士であっても、自分のケリは自分でつける。
[そうしてあげた顔には、皮肉を甘んじ、それでも先を見据える決意が秘められている。
そして手荷物に移動したマンジローの疑問に、ああ。と呟いた]
これは……よっと。こういうもんだ。
[中からでてきたのは、何と一本のサックスだった]
>>266
リック…
[妹を心配して大人たちの頭上を飛び越えた時はあんなに勇敢だったのに、立ち尽くすリックの膝が今は震えているのにかける言葉も見つからず、瞳に映すばかり。
ラッセルが少年の頭に手を置き声をかけるのに頷いて]
…そうとも。
相手が強すぎるなら逃げりゃいいんだ。
生きてる限り、次がある。
次は…あんたの言う通り周りを見つめて、視野を広げて、そんな強いのに、二人っきりで挑まないことだね。
向こうさんがうんざりするくらい仲間を引き連れて、取り囲んでぼこぼこにしたって勝ちは勝ちさ。
故郷の仇だから…どうしても二人でないと嫌だって言って死んだら、何もならない。
………………………。
うん。分かったよ、ラッセル兄ちゃん。
[ラッセルに軽く頭を叩かれ、ただ一言だけを呟き――頷く。震えは止まったようだ。]
……………………。
[ギュッと両拳を握り締め、しっかりと両足を床につけ、踏みしめるように立っている。]
【中】
サックスって金管楽器でいいんだっけ?(うろおぼえ)
それにしても、現在ジャンプイズム祭り。とてつもなく楽しいわ♪(笑)
このてをーはーなーすもーんかー(ハイ)まっかなちかーいー♪
……合いの手が抜けません……orz
[マンジローの忠告に、今度ははっきりと頷いた]
ああ。
相手との力量も測れた。こんな言い方は嫌だが、今回の経験は次に生かすさ。
そしてメイも探し出す。
もちろん、言い出したんだから、助けて七斉を倒す中にアンタも入ってるんだろう?
今更逃げるなよ?
[そういって口に浮かんだのは、若干優等生染みた上からのものだった。
その隣でリックのまん丸の目に気付いた]
リック、生命が生きていくには、必ず水が必要だ。そして水は湖面に投げ込んだ小石が波紋を広げるように、波を起こす。
そして生命が波立たせるには、空気を振動させればいい。
こいつは、音楽という音の振動を、生命固有の振動数にシンクロさせて、相手を内側から波砕させることができる特殊な楽器だ。
人間や一般的な生き物、物質は固有振動数と言って、決まった振動数が存在する。そこをピンポイントで揺らせば、どんな物体も砕ける。
>>269
[噛み締められた唇から流れた血が床に落ちるのを項垂れたまま見、テーブルを叩く音にはっと顔を上げる]
ああ…確かに聞いた、その言葉。
俺の国じゃ男が言葉を翻したら笑われるんだ。
…ちゃんと覚えとく。証人になるからな。
[決意の秘められたラッセルの顔つきに、応援する目で頷く。そして彼が手荷物を開くと]
変わった――……杯だな。
そんなもんを、戦いの場に持って行ったのか?
使いこなすとか、意味がわからない。
[全身全霊でもって本気な真顔で首を傾げて、マンジローとしてはギラギラした無駄に飾りも付いている面白い形の湯飲みだと思っている]
…直接口で吸えるのは便利そうだ。
だけど、人狼は一匹一匹、この振動数が違うんだ。
だから殴り、蹴り、相手の振動数を確定させてから、こいつを吹けば……
[右手を上に向けて、パっと開いて見せた]
こうなる。
だけど、今回は相手が強すぎて確認ができなかった。
俺はもっとこいつを使いこなさなければならない。
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